【成人】Aさん(60歳、女性)は、身長155cm、体重70kgである。エレベーターがあるマンションの4階に住んでいる。左膝の痛みが徐々に増強し、趣味の茶道での正座や和式トイレの使用が困難になった。Aさんは、変形性膝関節症と診断され入院した。左膝の人工膝関節全置換術を受け、術後経過は順調である。Aさんの関節可動域訓練が開始された。Aさんは「痛いし、動かすと傷が開きそうで怖い」と話している。
Aさんへの看護で最も適切なのはどれか。
1.怖いことは何もないと伝える。
2.創部が開くことはないと伝える。
3.怖いという気持ちを尊重して訓練を延期する。
4.訓練は無理のない範囲から徐々に開始されることを伝える。
―――以下解答―――
(解答)4
<解説>
1.(×)怖いという気持ちをまず受け止めることが大切である。
2.(×)Aさんを安心させる意味で「創部が開くことはない」と話しているが、縫合不全などの合併症が起こらないとはいえない。
3.(×)関節拘縮を防止するために、関節可動域訓練は早期に開始する必要がある。
4.(○)関節可動域訓練は、Aさんの痛みなどを考慮しながら、緩い角度・ゆっくりとしたスピードで開始される。