【成人】45歳の女性。2ヶ月前から咳そうと喀痰が出現した。最近,倦怠感も強くなったため受診した。胸部エックス線写真で左肺上葉に異常陰影を認め,精査と治療とを目的に入院した。左肺上葉切除術後2日目,右肺下葉で呼吸音が聴取されない。体温37.4℃。呼吸は浅表性で25/分,血圧164/96mmHg。鼻カニューレで3L/分の酸素吸入を行い,経皮的動脈血酸素飽和度86%。胸腔ドレーンは-10cmH2Oで低圧持続吸引してる。痰がからんでいるため喀出を促したが「痛くてそれどころではない」と顔をしかめた。
対応で最も適切なのはどれか。
酸素投与量を増やす。
去痰薬の吸入を行う。
気管支鏡による気管内吸引の準備をする。
胸腔ドレーン吸引圧を上げる。
―――以下解答―――
(解答) 3
<解説>
1.(×)経皮的動脈血酸素飽和度が低下しているため酸素投与量を増やす必要性があるが、その判断は医師が行う。
2.(×)低酸素血症の原因は、痰が気管支につまったことによる無気肺であると考えられ、去痰剤の吸入は必要だが、その判断は医師が行う。
3.(○)無気肺を改善するには気管支鏡による気管内吸引が必要であり、しかも緊急度が高いため、その準備を行うことは重要である。
4.(×)無気肺は胸腔ドレーンの吸引圧を上昇させても改善は見込めない。また圧の調整については医師が判断する。