まなび
  • 公開日: 2024/11/12

第114回看護師国家試験対策|1日3問国試ドリルの出題問題・解答・解説【疾病の成り立ちと回復の促進】

2024年11月4日からスタートした1日3問国試ドリルは、月~金で1日3問ずつ配信しています。

このページでは、1日3問国試ドリルで配信した問題のうち、「疾病の成り立ちと回復の促進」に該当する問題と解答・解説を掲載します。振り返りにぜひ活用してください。【※毎週更新予定】




第1問:薬物の分解、排泄の速さの指標となるのはどれか。

  1. 最高血中濃度
  2. 生物学的半減期
  3. 濃度曲線下面積
  4. 最高血中濃度到達時間
※配信日:11/4

解答・解説


1.(×)最高血中濃度は、薬物投与により血中薬物が増加し、最も高くなった濃度をいう。
2.(〇)生物学的半減期は、血中薬物濃度が50%に低下するのに要する時間をいう。生物学的半減期が短い薬物ほど、薬物の分解や排泄のスピードが速いことを意味する。
3.(×)濃度曲線下面積は、血中濃度時間曲線と横軸(時間軸)とに囲まれた面積のことである。体循環に入った薬物量に比例するため、薬剤の生体利用率の比較に使われる。
4.(×)最高血中濃度到達時間は、薬物投与により血中薬物が最も高い濃度に達する時間をいう。
第112回(2023年)


第2問:ウイルス性肝炎の起炎ウイルスでDNAウイルスはどれか。

  1. A型肝炎ウイルス
  2. B型肝炎ウイルス
  3. C型肝炎ウイルス
  4. E型肝炎ウイルス
※配信日:11/11

解答・解説


1.(×)肝炎を主症状とするウイルスを肝炎ウイルスといい、B型肝炎ウイルスのみDNAウイルスである。 
2.(〇)
3.(×)
4.(×)
第110回(2020年)


第3問:human immunodeficiency virus infectionヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症で正しいのはどれか。

  1. 空気感染する。
  2. 無症候期がある。
  3. DNAウイルスによる。
  4. 血液中のBリンパ級に感染する。
※配信日:11/18

解答・解説


1.(×)主な感染経路は、性行為による感染、血液を介した感染、母子感染であり、空気感染はしない。 
2.(〇)急性期(感染後2週間~3か月)・無症候期(感染後数年~10数年)・エイズ発症期がある。
3.(×)ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉はRNAウイルスである。
4.(×)ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉は、Tリンパ球のひとつであるCD4リンパ球に感染する。
第111回(2022年)


第4問:マイコプラズマ肺炎の感染経路はどれか。

  1. 空気感染
  2. 血液感染
  3. 飛沫感染
  4. 媒介物感染
※配信日:11/25

解答・解説


1.(×)マイコプラズマ肺炎の感染経路は空気感染ではない。
2.(×)マイコプラズマ肺炎の感染経路は血液感染ではない。
3.(〇)マイコプラズマ肺炎の感染経路は飛沫感染と接触感染である。
4.(×)マイコプラズマ肺炎の感染経路は媒介物感染ではない。媒介物感染とは、汚染された水、食品、血液、昆虫などを介して感染することをいう。
第113回(2024年)


第5問:細菌性髄膜炎の症状はどれか。

  1. 羞明
  2. 羽ばたき振戦
  3. Raynaud(レイノー)現象
  4. Blumberg(ブルンベルグ)徴候 
※配信日:12/2

解答・解説


1.(〇) 細菌性髄膜炎の典型的症状として、発熱、頭痛、嘔吐、羞明、項部硬直、傾眠、錯乱、昏睡などがある。
2.(×)羽ばたき振戦は、不随意運動によって手関節や手指が速くゆれて羽ばたいて見える状態。肝性昏睡や尿毒症、脳血管障害などで認められる。
3.(×)Raynaud(レイノー)現象は、発作的に手足の血流が減少し、皮膚色が蒼白または紫色になる状態。膠原病などでみられる。
4.(×)Blumberg(ブルンベルグ)徴候は腹膜刺激症状のひとつ。腹壁を手指で徐々に圧迫し、急に手を離すと疼痛を訴える状態を指す。
第109回(2020年)


第6問: 帯状疱疹 herpeszosterについて正しいのはどれか。

  1. 運動神経麻痺は生じない。
  2. 感染の既往として水痘varicellaがある。
  3. ウイルスは発症後1か月で消滅する。
  4. 単純ヘルペスウイルスの感染が原因である。
※配信日:12/9

解答・解説


1.(×)帯状疱疹は主に知覚神経が障害されるが、運動神経麻痺を生じることがある。
2.(〇)水痘・帯状疱疹ウイルスの初感染後、後根神経節内にウイルスが潜伏し、再活性化して発症するのが帯状疱疹である。
3.(×)ウイルスは消滅することなく、脊髄後根神経節内に潜伏し続ける。
4.(×)単純ヘルペスウイルスは単純疱疹の原因ウイルスである。
第112回(2023年)


第7問: 腸閉塞について正しいのはどれか。

  1. 仰臥位の腹部エックス線写真で鏡面像を認める。
  2. 経口による水分摂取は少量にする。
  3. イレウス管を小腸に留置する。
  4. 抗菌薬の投与は禁忌である。
※配信日:12/16

解答・解説


1.(×)仰臥位ではなく、立位エックス線写真で鏡面像を認める。
2.(×)絶飲食となる。
3.(〇)腸閉塞の患者に対して腸管内の減圧をする目的で、イレウス管の小腸への留置が行われる。
4.(×)腸管内感染からの敗菌症防止目的で抗菌薬の投与が行われる。
第110回(2021年)


第8問:Aさん(60歳、男性)は大動脈弁置換術を受け、ワルファリンの内服を開始することになった。 Aさんが摂取を避けるべき食品はどれか。

  1. 海藻
  2. 牛乳
  3. 納豆
  4. グレープフルーツ
※配信日:12/23

解答・解説


1.(×)海藻はヨードを多く含む。橋本病の患者が海藻を過剰摂取すると、甲状腺機能低下を起こす可能性がある。
2.(×)牛乳は、ニューキノロン系、テトラサイクリン系、セフェム系抗菌薬などの薬効を弱める作用がある。
3.(〇)ワルファリン内服中はビタミンKの摂取によって薬効が弱まるため、納豆、クロレラ、青汁などビタミンKを多く含む食品を避ける。
4.(×)グレープフルーツは、カルシウム拮抗薬や高脂血症治療薬の薬効を強める作用がある。
第111回(2022年)


第9問:成人の敗血症について正しいのはどれか。

  1. 徐脈となる。
  2. 高血圧となる。
  3. 血管透過性が低下する。
  4. 全身炎症性反応を認める。
※配信日:12/30

解答・解説



1.(×)敗血症では頻脈、頻呼吸となる。
2.(×)敗血症では血圧の低下がみられる。
3.(×)敗血症では重症化すると、血管透過性が亢進し、循環血漿量減少および末梢血管拡張によりショックを起こす場合がある。
4.(〇)敗血症では全身性の炎症性反応を認める。
第110回(2021年)


第10問:肥大型心筋症 hypertrophic cardiomyopathyについて正しいのはどれか。

  1. ウイルス感染が主な病因である。
  2. 拡張障害が問題となる。
  3. 左室内腔は拡大する。
  4. 弁膜に肥厚を認める。
※配信日:1/6

解答・解説


1.(×)肥大型心筋症は遺伝子変異が主な原因である。
2.(〇)肥大型心筋症は、左室の拡張機能の障害を主とする疾患である。
3.(×)左室心筋の異常な肥大のため、左室内腔は縮小する。
4.(×)肥大型心筋症では僧帽弁逆流を認めることがある。肥厚ではない。
第112回(2023年)


第11問: 細菌の芽胞を死滅させるのはどれか。

  1. 紫外線
  2. ポビドンヨード
  3. 70%アルコール
  4. 酸化エチレンガス
※配信日:1/13

解答・解説


1.(×)芽胞は死滅しない。
2.(×)芽胞は死滅しない。
3.(×)芽胞は死滅しない。
4.(〇)芽胞を死滅させるには、火炎滅菌や高圧蒸気滅菌、ガス滅菌などを行う必要がある。酸化エチレンガスは、ガス滅菌に用いられるガスのひとつ。
第109回(2020年)


第12問:Ramsay Hunt(ラムゼイ・ハント)症候群は顔面神経麻痺症状を主症状とする。原因となるウイルスはどれか。

  1. アデノウィルス
  2. インフルエンザウイルス
  3. 水痘帯状疱疹ウイルス
  4. 単純ヘルペスウイルス
※配信日:1/20

解答・解説



1.(×)アデノウイルスは咽頭結膜熱の原因ウイルスで、発熱、頭痛、咽頭痛、結膜炎などを起こす。
2.(×)インフルエンザウイルスは突然の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などを起こす。
3.(〇)ラムゼイ・ハント症候群は、水痘帯状疱疹ウイルスによって生じる顔面神経麻痺を主徴とする疾患である。
4.(×)単純ヘルペスは口唇や口周り、目の周り、性器などに水疱を作る。
第113回(2024年)


第13問: くも膜下出血の成因で最も多いのはどれか。

  1. 外傷
  2. 脳腫瘍
  3. 脳動脈瘤
  4. 脳動静脈奇形
※配信日:1/27

解答・解説


1.(×)外傷性のくも膜下出血はあるが、頻度は低い。
2.(×)脳腫瘍によるくも膜下出血はあるが、頻度は低い。
3.(〇)脳動脈瘤は脳動脈がこぶ状に拡大したもので、くも膜下出血の約85%が脳動脈瘤が原因である。
4.(×)脳動静脈奇形は胎児期におこる脳血管の異常で、毛細血管を挟まずに動脈と静脈が直接つながった状態である。くも膜下出血の約5%が、脳動静脈奇形が原因である。
第112回(2023年)


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