編集部セレクション
  • 公開日: 2024/2/16

看護師が、患者さんの前で泣いてはいけない理由

「ラウンジ☆セレクト」は「ラウンジ」で盛り上がった話題と、そこに寄せられたみなさんのご意見を紹介しています。

 今回のトピック 
患者さんがお亡くなりになると私は毎回涙が出るのですが、先輩は「泣くな」と言います。
他の人から見られたら悪いと言います。見られたらいけませんか?

 

あなたは、患者さんの死を前に泣きますか?

■どうしても泣いてしまいます。

実際、私が患者さんが亡くなって涙したのは、「もっと出来る事があった」「こうしてあげればよかった」と考えた時だけです。

私も感情移入しすぎて泣いてしまうタチです。いつも泣きます。家に帰って。でも、果たして患者さんや家族は看護師が泣くことを望んでいるのでしょうか?私も葛藤中です。。

私も、大概泣きますよ。ナース歴何年たっても。私は、泣いて良いと思いますよ(*^^*)

ホスピスの第一人者である柏木哲夫先生も医療スタッフが泣くことも大切だと書かれていますよ。私個人としては涙を流すことで患者さんときちんとお別れができるんじゃないかなと思っています。

ICUで勤務していた時、小児の患者さんで今まさに亡くなろうとしている方がいました。その時、一緒に勤務の予定の先輩はステーションで泣いてました。「今、泣いておくの。仕事始まったら泣けないからね。」と言いました。私にはものすごく印象深く記憶に残っています。

■泣きません。

仕事中は泣かないというか…。仕事中に自分の感情を思いっきり出すのは、社会人として違うと思うのですが…。

泣いたから悲しんでいる、泣かなかったから悲しんでいない、とはなりません。

私は、泣きません。泣く理由がないから。訪問看護の場面では、大方の患者様は、看取りを目的にしていることが多いから。ご家族の悔いが残らないように、最善の努力を惜しままず、ご家族の納得のいく最期を迎えられたとき、達成感を感じるのです。だから、涙はにじんでも、顔は笑顔です。

「泣く」ことは、悪いことではない

■こんな涙は「悪」ではない

死に際して、その人を悼んで泣くというのは、普通のことです。業務に支障をきたさなければ、よしとすべきものだと思います。

患者さんは自分のことを理解してくれそうな人にだけ、悩みや愚痴をこぼします。残念ながら他界された時、看護師としてだけでなく、人間としてどう対処するのがよいのか考えることではないでしょうか?私ならきっと泣いてしまうかもしれません。

産科で働いていたとき、時々死産がありました。悲しみにくれる母をみて、自然と涙がこぼれたものです。そんな私の姿をみて、やっと声を立てて泣く母もいました。涙をみせることがプロではないというのは、どうなのかなと思います。

白衣の天使って言ったって、やっぱり人間。喜怒哀楽があったっていいと思います。ただ、振り幅は小さめにです。あんまりひどいとただの激しい人。抑えた結果、結局あふれてしまったものなら涙したって悪くない。

■共通する意見は「TPO」と「プロ意識」

一番つらいはずのご遺族を前にして、目の前で泣くのはどうかな…と思います。毅然と振る舞い、ご遺族をフォローすることも仕事の一つ。“プロ”である以上、ご遺族の前では我慢→控え室や自宅で患者様たちやご遺族・ご家族の方たちにバレないようにするこれも、”プロ”には必要なことだと思います。

人の価値観はそれぞれです。泣くことがいけないことだとは言いません。しかし、場をわきまえることが必要だとは思います。

婦人科外来勤務ですが、流産して泣いている患者さんを見ると悲しくなります。その直後にウキウキ気分の妊婦さんが検診に来ることも良くあります。泣いていられませんよね。感情に左右されず、一人一人の患者を大切にするって、大切なことだと思いませんか?

看護師はプロです。国に認められた専門職者として、ただ泣いているのでは一般の方と同じ。お別れの場において、もっと他に考え、行うべきことがあると思います。

「死」に慣れるなんてこと、ありません。ただ、患者さんの最後を、どのように看取るか、プロとして考えてみてはいかがでしょう?

■残された家族をサポートするのも、看護師の仕事です

患者が亡くなった。そのときにあなたはなにをしなければいけないか?何を見ていなければいけないか?家族は患者の死を受け止められているだろうか。どんな反応をしている?なくなった本人はどんな格好?その人らしい最期の身なりにしてあげなければ。

看護師が家族と同じではダメなんです。家族をケアしなければいけない大事な場面なんだから。

患者さんやご家族の前で泣くのは違うかなと思いました。頼りにできるのは近くにいる看護師です。患者さんやご家族に変な気をつかわせてしまってはいけません。泣く前にすることがある、と先生が体験談でおっしゃってました。

泣く事より、エンジェルケアを行い、グリーフケアをして、ご遺族の心に残るナースになってください。

看護師が「泣いてはいけない」理由

■患者さんが不安になるようなことはNG!

患者様の前で泣く看護師のことを患者様はどう思うんでしょうね…泣いた状態で仕事こなすんでしょうが、目が赤くなっていればすぐ泣いたことがばれますよね?その状態で他の患者様と接せられても困るのですが…患者様に心配されますよ?どうしたのかな?って。

他の患者に知らせるように泣くという事は、患者に死という印象を強くイメージさせる事。不安を自ら煽らせて良い事ではないと思いませんか?体力や精神力の消耗を貴女自身が患者さんに与えているかも知れないのですよ。

病棟へ帰れば、健康になって帰りたいと切望している方が待っている。その人たちのために笑顔に戻らないといけないのではないかなと思う私は冷たいナースでしょうか?

患者さんの死を、他の患者さんに知らせたり、気を使わせるなといっているのだと思います。自分が苦しくてつらい時に、他の人が亡くなったから我慢して待っていろといわれたら不快じゃありませんか?

■看護師の涙は誤解を招く可能性もあります。

こんな感情に流される子(敢えて子、とかきます。)に私の命任せて大丈夫かいな、冷静に仕事してくれるかなーと思います。

もし、私の家族が病院で死んだとき、ナースが泣いていたら、「看護に何か悔いを残したんだろうか?」と、勘ぐってしまうかもしれません。

患者さんの前で泣けば「落ち度があった」と思うひとも居ると教わりました。

泣いている理由なんて他人からわかりません。あの子は泣いてばかりいる、ミスが多くて叱られているんじゃないか、などという、余計な想像をされるかもしれません。

■実際に看護師が経験した「泣かれた」シチュエーション

母が亡くなった時のことです。私達家族へのフォローもなく、早く病室を空けてばかりの対応でした。涙は見せても患者さんへのケアやご家族へのケアがおざなりだと大変不快な思いをさせてしまいます。その涙も偽善かと思います。

ガヤガヤしていても構わない。近くに人がいるんだと安心するから。でも怒鳴ったりやけに励ましたり、泣いたりはやめてほしい。苦しくて辛くて泣きたいのはこっちだ。

家族が一番泣きたいのに、受け持ちナースが泣いてそれを先輩ナースがフォローに入って慰めてるのを目の当たりにして、『え?何であなたが「大丈夫?」って心配されてんの?』と、悲しい状況で妙に疑問だった光景、と患者家族が後々言ってたのを聞いたことがある。

私が当事者で泣きたいのに「可哀想」と相手に泣かれた時には泣けなくなりました。少なくとも、泣いた姿を見て相手がどう捉えたかを理解する必要もあると思います。家族も、医療者が泣いた姿を見て快く思えば、それはその人にとって正解なんだろうし、何故あなたが泣くの?と思わせれば、そこで泣くのは間違いだと思います。

関連トピック:「 何故泣いたらいけないのですか?
イラスト・なしま

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