• 公開日: 2023/2/4

【連載】看護師 国家試験対策・過去問

第112回看護師国家試験対策|1問1答マラソン【解答・解説アーカイブ】第123~163問

2022年9月1日からスタートした第112回看護師国家試験対策「1問1答マラソン」にご参加いただきありがとうございます!

このページでは、過去1週間に出題した問題と解答・解説を、まとめて掲載していきます!
【週1回ずつの毎週更新です】






■2023年1月1日~3月10日出題分


Aさんへの対応で適切なのはどれか。

Aさん(90歳、女性)は、認知症で要介護3。デイサービスの送迎の際に、同居している娘から「食事は家族と同じものを食べていたのですが、昨日から下痢が続いています。発熱はなく、元気はあります」と看護師に話があった。デイサービスでは午前中に不消化便が1回あり、おむつ交換の際に、肛門周囲の発赤がみられた。Aさんへの対応で適切なのはどれか。

1. 腹部マッサージを行う。
2.経口補水液の摂取を促す。
3.食物繊維を多く含む食事にする。
4.石けんを使って肛門周囲を洗う。


解答:2


1.(×) 腹部マッサージは主に便秘のケアとして行われる。
2.(〇) 下痢が続いており、高齢でもあることから脱水のリスクが高い。経口補水液の摂取を促すことは適切である。
3.(×) 不消化便が出ており、消化しやすい食事が勧められる。食物繊維を多く含む食事は消化されにくいため、不適切である。
4.(×) 石けんは刺激が強いため、微温湯で肛門周囲を洗う。
第109回(2020年)


問題124: 看護師の対応として適切なのはどれか。

Aさん(32歳、男性)は、仕事上のストレスを抱えていた際に知人から誘われ、覚せい剤を常用するようになり逮捕された。保釈後、薬物依存症の治療を受けることができる精神科病院に入院し、治療プログラムに参加することになった。
入院時のAさんへの看護師の対応として適切なのはどれか。

1.二度と使用しないと約束させる。
2.回復が期待できる病気であることを伝える。
3.使用をやめられなかったことに対する反省を促す。
4.自分で薬物を断ち切る強い意志を持つように伝える。


解答:2


1.(×)依存症は疾患であり、本人の意志だけでコントロールできるものではないため、不適切である。
2.(〇)適切な治療や支援によって、回復できる疾患である。
3.(×)反省を促すのではなく、共感的な対応が必要である。
4.(×)依存症は疾患であり、本人の意志だけでコントロールできるものではないため、不適切である。
第110回(2021年)


問題125:自殺念慮を訴える患者で、自殺が最も切迫している状態はどれか。

1.自殺の手段が未定である。
2.自殺する日を決めている。
3.将来の希望について時々話す。
4.普段と変わらない様子で生活している。


解答:2


自殺を予防するために自殺念慮の確認は重要である。時期や手段の決定など、具体的な計画がある場合には自殺が切迫している。
1.(×)
2.(○)
3.(×)
4.(×)
第107回(2018年)


問題126:ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉で「刺激しても覚醒せず痛み刺激に対して払いのけるような動作をする」と定義されるのはどれか。

1.I-3
2.II-20
3.III-100
4.III-300


解答:3


JCSで刺激をしても覚醒しない状態は3桁の数字で表される。痛み刺激に対して払いのけるような動作をするのはIII-100である。
1.(×)I-3は「刺激しないでも覚醒しており、自分の名前、生年月日が言えない状態」である。
2.(×)II-20は「刺激すると覚醒しており、大きな声または体を揺さぶることにより開眼する状態」である。
3.(○)
4.(×)III-300は「刺激をしても覚醒せず、痛み刺激に全く反応しない状態」である。
第106回(2017年)


問題127:訪問看護制度で正しいのはどれか。

1.管理栄養士による訪問は保険請求できる。
2.精神科訪問看護は医療保険から給付される。
3.医療処置がなければ訪問看護指示書は不要である。
4.訪問看護事業所の開設には常勤換算で3人以上の看護職員が必要である。


解答:2


1.(×)管理栄養士による訪問栄養食事指導には、居宅療養管理指導(介護保険)や在宅患者訪問栄養食事指導(医療保険)があるが、訪問看護制度によるものではない。
2.(○)認知症以外の精神疾患があり、精神科訪問看護が必要な人については医療保険給付の対象となる。
3.(×)医療処置がない場合でも、主治医の訪問看護指示書は必要である。
4.(×)訪問看護事業所の開設には常勤換算で2.5人以上の看護職員が必要である。
第108回(2019年)


問題128:帰室後の看護として適切なのはどれか。

Aさん(38歳、会社員、女性)は夫と2人暮らし。通勤中に突然の頭痛を訴えて倒れ、救急搬送された。入院後に行った頭部CT検査および頭部MRI検査で、braintumor脳腫瘍と診断された。Aさんは脳腫瘍摘出のために開頭術を受けた。

1.発熱時の冷罨法は禁忌である。
2.徐脈時は経過観察とする。
3.ベッドの頭部を挙上する。
4.頸部を前屈させる。


解答:3


1.(×)開頭術後の冷罨法は禁忌ではない。術後の覚醒状態が不良な場合や、四肢麻痺がある場合には、冷罨法を実施している部位の皮膚状態を継続的に観察して凍傷に注意する。
2.(×)術後出血などにより頭蓋内圧が亢進すると、徐脈がみられる場合がある(クッシング現象)。致死的な状態となる可能性があるため、経過観察は不適切である。
3.(〇)開頭術では頭蓋内圧の亢進を防ぐため、術中から上体を15°~30°上げた体位をとる。
4.(×)頸部を前屈させる必要はない。
第111回(2022年)


問題129:若年者よりも高齢者が熱中症を起こしやすい理由はどれか。

1.熱産生量の増加
2.熱放散量の増加
3.自律性体温調節反応の低下
4.視床下部の体温調整中枢のセットポイントの低下


解答:3


1.(×)高齢者は基礎代謝が低下し熱産生量も低下する。
2.(×)高齢者は発汗が少なく、熱放散量は低下する。
3.(〇)高齢者は自律性体温調節反応が低下し、熱中症になりやすい。
4.(×)高齢者は皮膚の温度感受性の鈍化によって体温調整中枢への情報伝達が遅れやすい。
第111回(2022年)


問題130:Aさんが発症する危険性が高い疾患はどれか。

Aさん(44歳、男性、会社員)は、20年以上の喫煙歴があり、BMI26である。会社の健康診断で脂質異常症と高血圧症を指摘された。Aさんが発症する危険性が高い疾患はどれか。
1.1型糖尿病
2.潰瘍性大腸炎
3.肺血栓塞栓症
4.労作性狭心症
5.閉塞性血栓血管炎〈TAO〉


解答:4


Aさんは20年以上の喫煙歴、肥満、脂質異常症と高血圧症を指摘されており、循環器疾患の発症リスクが高い状態である。選択肢の中では、労作性狭心症がもっとも危険性が高い疾患といえる。
1.(×)
2.(×)
3.(×)
4.(〇)
5.(×)
第110回(2021年)


問題131:もやもや病で正しいのはどれか。3つ選べ

1.指定難病ではない。
2.遺伝的要因が関与する。
3.病変はくも膜下腔にある。
4.進行性の脳血管閉塞症である。
5.ウイルス感染によって誘発される。


解答:2、3、4


1.(×)もやもや病は指定難病である(指定難病22)。
2.(〇)RNF213遺伝子が、もやもや病の感受性遺伝子であることが確認されている。
3.(〇)もやもや病はウィリス動脈輪閉塞症とも呼ばれる。ウィリス動脈輪はくも膜下腔にある。
4.(〇)もやもや病は、日本人に多発する原因不明の進行性脳血管閉塞症である。
5.(×)ウイルス感染との関連は指摘されていない。
第109回(2020年)


問題132:Aさんの病態で正しいのはどれか。

Aさん(56歳、女性、会社員)は、夕食の1時間後から腹痛・嘔吐が出現し救急外来を受診した。2か月前から自然に消失する右季肋部痛を繰り返していた。
身体所見:身長155cm、体重82kg。体温38.2℃、呼吸数16/分、脈拍110/分、血圧126/70mmHg。眼球結膜に黄染あり。右季肋部に圧痛あり。意識清明。
検査所見:白血球14960/μL、Hb12.8g/dL。総ビリルビン8.7mg/dL、直接ビリルビン7.2mg/dL、アミラーゼ121IU/L、リパーゼ45IU/L、尿素窒素18.9mg/dL、血清クレアチニン0.98mg/dL。CRP9.2mg/dL。
腹部超音波検査所見:胆囊壁の肥厚、胆囊の腫大、総胆管の拡張、総胆管結石を認めた。Aさんの病態で正しいのはどれか。

1.急性胃炎
2.急性腎不全
3.閉塞性黄疸
4.溶血性貧血


解答:3


1.(×)急性胃炎の場合、心窩部痛や胃部不快感などがみられる。
2.(×)急性腎不全の場合、血清クレアチニンや血中尿素窒素が高値になるが、どちらも基準値内である。
3.(〇)眼球結膜の黄染、総・直接ビリルビンの高値、超音波検査にて総胆管の拡張、総胆管結石を認めており、閉塞性黄疸と考えられる。
4.(×)溶血性貧血では、ヘモグロビン(Hb)低下や間接ビリルビンの上昇、息切れや動悸などの貧血症状がみられる。
第109回(2020年)


問題133:糖尿病性腎症の食事療法で制限するのはどれか。2つ選べ。

1.脂質
2.塩分
3.蛋白質
4.炭水化物
5.ビタミン


解答:2、3


糖尿病性腎症によって腎機能が低下すると、ナトリウムやカリウム、体内の老廃物が排泄されにくくなる。病期に応じて、塩分やカリウム、タンパク質の制限が必要になる。
1.(×)
2.(○)血圧コントロール等の目的で食塩摂取量6g/日未満の食事療法が推奨される。
3.(○)蛋白質制限により腎機能障害の進行を予防し、末期腎不全や死亡リスクを減らす効果が期待できる。
4.(×)
5.(×)
第108回(2019年)


問題134:皮膚筋炎の皮膚症状はどれか。

1.環状紅斑
2.蝶形紅斑
3.ディスコイド疹
4.ヘリオトロープ疹


解答:4


1.(×)環状紅斑はシェーグレン症候群などでみられる。
2.(×)蝶形紅斑は全身性エリテマトーデスなどでみられる。
3.(×)ディスコイド疹は全身性エリテマトーデスなどでみられる。
4.(〇)皮膚筋炎は自己免疫性の炎症性筋疾患で、ヘリオトロープ疹と呼ばれる上眼瞼の浮腫性かつ紫紅色の特徴的な紅斑がみられる。
第111回(2022年)


問題135:麻薬の取り扱いで正しいのはどれか。

1.看護師は麻薬施用者免許を取得できる。
2.麻薬を廃棄したときは市町村長に届け出る。
3.アンプルの麻薬注射液は複数の患者に分割して用いる。
4.麻薬及び向精神薬取締法に管理について規定されている。


解答:4


1.(×)麻薬の施用ができるのは、都道府県知事から免許を受けた医師、歯科医師、獣医師に限られる。
2.(×)麻薬を廃棄するときは、都道府県知事へ「麻薬廃棄届」による届出を行う必要がある。
3.(×)麻薬注射剤を2人以上の患者に分割して施用するとき、管理面や衛生面に問題がある場合は避ける必要がある。
4.(○)「麻薬及び向精神薬取締法」では、麻薬の管理や取り扱い方法などについて規定されている。
第107回(2018年)


問題136:医療施設において、患者の入院から退院までの看護を1人の看護師が継続して責任をもつことを重視した看護体制はどれか。

1.機能別看護方式
2.患者受け持ち方式
3.チームナーシングシステム
4.プライマリナーシングシステム


解答:4


1.(×) 機能別看護方式とは、検温、採血、保清などの業務ごとに担当を決めて役割分担する看護体制である。
2.(×) 患者受け持ち方式は、看護師が一勤務帯でそれぞれ決まった患者を担当する看護体制である。
3.(×) チームナーシングシステムは、病棟内の看護師をチームに分けて、チームリーダーのもと患者を受け持ち、ケアを行う看護体制である。
4.(〇) プライマリナーシングとは、ひとりの患者をひとりの看護師が入院から退院まで一貫して受け持つ看護体制である。
第109回(2020年)


問題137:静脈血採血時に使用する器具の取り扱いで適切なのはどれか。

1.真空採血菅で採血する場合は素手で行う。
2.抜針した採血針はキャップをして破棄する。
3.針専用の廃棄容器は実施者の手の届く範囲に置く。
4.針専用の廃棄容器は廃棄物が投入口まで達したら交換する。


解答:3


1.(×)真空採血管で採血する場合は、感染予防のため手袋を装着して実施する。
2.(×)抜針した採血針はキャップをせずに破棄する。リキャップは針刺し事故につながるため原則禁止である。
3.(○)針刺し事故防止のため、針専用の廃棄容器は実施者の手の届く場所に置く。
4.(×)廃棄した針がはみ出さないよう、針専用の廃棄容器は針の量が80%程度の容量に達したら廃棄する。
第108回(2019年)


問題138:Aさんの状態に該当する認知症高齢者の日常生活自立度判定基準のランクはどれか。

Aさん(87歳、男性)。3年前に Alzheimerくアルツハイマー〉型認知症と診断された。1年前に妻が亡くなってから1人で暮らしている。日常生活は問題なく送れていたが、最近Aさんは薬を飲み忘れることが増えてきたり、電話の応対ができなかったりすることがあり、日常生活に支障が出るようになった。
Aさんの状態に該当する認知症高齢者の日常生活自立度判定基準のランクはどれか。

1.ランクIIa
2.ランクIIb
3.ランクIIIa
4.ランクIIIb
5.ランクM


解答:2


1.(×)ランクIIaは、「家庭外において、日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる」状態である。
2.(○)ランクIIbは、「家庭内において、日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる」状態であり、今回のAさんの状態に該当する。
3.(×)ランクIIIaは、「日中を中心として日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが見られ、介護を必要とする」状態である。
4.(×)ランクIIIbは、「夜間を中心として日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが見られ、介護を必要とする」状態である。
5.(×)ランクMは、 「著しい精神症状や周辺症状あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする状態」である。 第107回(2018年)


問題139:更年期女性のホルモン補充療法によってリスクが低くなるのはどれか。

1.乳癌
2.骨粗鬆症
3.子宮体癌
4.静脈血栓症


解答:2


1.(×)エストロゲンと黄体ホルモンの併用によるホルモン補充療法では、長期投与により乳癌の発症リスクが高くなる。
2.(〇)更年期女性のホルモン補充療法は、骨粗鬆症の発症リスクを低くする。 
3.(×)エストロゲン単独でのホルモン補充を行うと、子宮体癌の発症リスクが高くなる。
  4.(×)エストロゲンが肝代謝時に凝固因子産生を促進するため、静脈血栓塞栓症のリスクがわずかに高くなる。
第110回(2021年)


問題140:死の三徴候に含まれるのはどれか。

1.筋の弛緩
2.角膜の混濁
3.呼吸の停止
4.呼名反応の消失


解答:3


死の三徴候とは、「心拍停止」「呼吸停止」「瞳孔の散大と対光反射の消失」をいう。
1.(×)
2.(×)
3.(〇)
4.(×)
第109回(2020年)


問題141:このときの看護師の対応で適切なのはどれか。

Aちゃん(6か月、女児)は両親と3人暮らし。母親と小児科外来に来院した。母親は「Aは昨日高さ30cmのソファから転落して泣いていました。今朝になっても痛いのか右手を動かさないので受診しました」と看護師に話した。
看護師が身体計測のためAちゃんの服を脱がせると、顔面、頭部と体幹に最近できた紫斑と、生じてから時間が経った紫斑が複数あった。さらに、両足に多数の円形の熱傷痕があった。
Aちゃんは身長66.5cm(50パーセンタイル)、体重6.0kg(3パーセンタイル未満)であった。母親は看護師に「Aは毎晩夜泣きをするし、夫もAにはイライラさせられています」と話した。看護師は虐待の可能性があると考えて対応することとし、母子分離を図ることとなった。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。

1.虐待にあたることを伝える。
2.乳児期に起こりやすい事故について説明する。
3.児童相談所に通告することへの母親の同意を得る。
4.プライバシーを保護できる個室で話を聞くと伝える。
5.母親の代わりに父親がAちゃんに面会できると伝える。


解答:4


1.(×)親への告知は、医師が児童相談所など関係機関と入念に検討して行われるものである。
2.(×)事故による怪我ではない可能性が高いため、不適切である。
3.(×)児童相談所への通告に、親の同意は必要ない。
4.(〇)虐待の背景には家庭環境や経済的不安など他人に知られたくない内容が絡んでいることが多く、プライバシーを保護でき、安心して話せる環境を整えることは適切な対応である。
5.(×)父親が虐待に関わっている可能性があるため、父親も面会できない。
第111回(2022年)


問題142:Aさんの骨髄穿刺の30分後に観察すべき項目で優先度が高いのはどれか。

Aさん(26歳、男性)は1か月前から動悸と20m程度の歩行でも息切れが出現するようになった。ぶつけた記憶もないのに下肢に出血斑ができるようになり、医療機関を受診した。Aさんは急性白血病を疑われ、緊急入院し、後腸骨稜から骨髄穿刺を受けた。
身体所見:意識清明、体温37.2℃、呼吸数17/分、脈拍124/分、血圧96/52mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%(room air)、両下肢に散在する出血斑あり。
検査所見:Hb5.1g/dL、白血球44960/μL、血小板1.5万/μL、総ビリルビン1.1mg/dL、尿素窒素19.4mg/dL、クレアチニン0.76mg/dL、CRP2.2mg/dL。 胸部エックス線:縦郭・心陰影・肺野に異常なし。
Aさんの骨髄穿刺の30分後に観察すべき項目で優先度が高いのはどれか。

1.経皮的動脈血酸素飽和度
2.穿刺部の止血状態
3.下肢の運動障害
4.眼瞼結膜


解答:2


1.(×) 骨髄穿刺は腸骨もしくは胸骨で行われる。Aさんは腸骨からであり、経皮的動脈血酸素飽和度の観察の優先度は低い。
2.(〇) 血小板1.5万/μLと出血傾向にあるため、穿刺部の止血状態の観察は最も優先度が高い。
3.(×) 骨髄穿刺の30分後ではなく、骨髄穿刺時に下肢の痛みやしびれの有無を確認する。
4.(×) 眼瞼結膜は骨髄穿刺時の観察項目ではない。
第110回(2021年)


問題143:急性心筋梗塞患者の合併症を早期に発見するための徴候で正しいのはどれか。

1.皮疹の出現
2.頻脈の出現
3.時間尿の増加
4.腹壁静脈の怒張
5.うっ血乳頭の出現


解答:2


1.(×)
2.(○)冠動脈が急性に閉塞することで心筋が虚血し壊死にいたる病態であり、合併症には、不整脈、心原性ショックなどがある。
3.(×)
4.(×)
5.(×)
第108回(2019年)


問題144:修正型電気けいれん療法について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.磁気を用いる。
2.局所麻酔下で行う。
3.筋弛緩薬を用いる。
4.発生頻度の高い有害事象は骨折である。
5.薬物治療抵抗性のうつ病は適応になる。


解答:3、5


1.(×)電気刺激を行う。
2.(×)全身麻酔下で行う。
3.(〇)修正型電気けいれん療法は、麻酔薬と筋弛緩薬を投与後、脳を電気的に刺激することによって脳内に発作を誘発する治療法である。
4.(×)副作用としては、けいれん発作、血圧上昇、頻脈、不整脈、物忘れなどがある。
5.(〇)難治性の統合失調症や薬物治療抵抗性のうつ病などが治療適応になる。
第111回(2022年)


問題145:巨赤芽球性貧血の原因はどれか。

1.ビタミンA欠乏
2.ビタミンB12欠乏
3.ビタミンC欠乏
4.ビタミンE欠乏
5.ビタミンK欠乏


解答:2


1.(×) ビタミンA欠乏は夜盲の原因となる。
2.(〇) ビタミンB12欠乏は巨赤芽球性貧血の原因となる。
3.(×) ビタミンC欠乏は壊血病の原因となる。
4.(×) ビタミンE欠乏は末梢神経障害、運動失調などの原因となる。
5.(×) ビタミンK欠乏は血液凝固能の低下の原因となる。
第110回(2021年)


問題146:血液中のカルシウムイオン濃度が低下した際に、ホルモン分泌量が増加するのはどれか。

1.膵島
2.甲状腺
3.下垂体
4.副腎皮質
5.副甲状腺


解答:5


1.(×)
2.(×)
3.(×)
4.(×)
5.(○)血中カルシウムイオン濃度が低下すると、副甲状腺ホルモン(パラソルモン)の分泌が増加する。
第108回(2019年)


問題147:高齢者に経口薬の薬効が強く現れる理由はどれか。

1. 骨密度の低下
2. 胃酸分泌の減少
3. 消化管運動の低下
4. 血清アルブミンの減少


解答:4


1.(×)高齢者は血清アルブミンの減少により、薬物のタンパク結合率が減少するため、総血中濃度に比して遊離型の濃度が上昇する。これにより、経口薬の薬効が強く現れやすい。
2.(×)
3.(×)
4.(〇)
第111回(2022年)


問題148:大規模災害発生後2か月が経過し、応急仮設住宅で生活を始めた被災地の住民に出現する可能性が高い健康問題はどれか。

1.慢性疾患の悪化
2.消化器感染症の発症
3.深部静脈血栓症の発症
4.急性ストレス障害の発症


解答:1


1.(〇)服薬中断、生活環境が変わることによるストレスなどによる慢性疾患の悪化が起こりやすい。
2.(×)消化器感染症は、トイレなどを共有する避難所生活で発生しやすい。
3.(×)深部静脈血栓症は、狭い車内やテント内での避難生活で発生しやすい。
4.(×)急性ストレス障害は、圧倒的な外傷的出来事を目撃または経験して4週間以内に生じる短時間のストレス障害である。
第110回(2021年)


問題149:精神障害の三次予防の内容で適切なのはどれか。

1.うつ病患者の復職支援
2.住民同士のつながりの強化
3.精神保健に関する問題の早期発見
4.ストレス関連障害の発症予防に関する知識の提供


解答:1


1.(〇)三次予防は、病気によって残った障害を最小限にし、その制約のもとで充実した生き方ができるようにすることである。うつ病患者の復職支援は三次予防である。
2.(×)住民同士のつながりの強化は一次予防である。
3.(×)精神保健に関する問題の早期発見は二次予防である。
4.(×)ストレス関連障害の発症予防に関する知識の提供は一次予防である。
第109回(2020年)


問題150:Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

Aさん(82歳、女性)は息子(57歳、会社員)と息子の妻(55歳、パート勤務)との3人暮らし。3年前にAlzheimerdiseaseAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症と診断され、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅱb、要介護2である。Aさんの介護は、主に息子の妻が行っていた。Aさんは、声かけがあれば日常生活動作〈ADL〉を自分で行うことができた。
しかし、Aさんは徐々に認知症が重度化し、1人で外出すると帰ってくることができなくなり、夜間に落ち着きなく動き回ることが多くなった。息子と息子の妻はAさんの介護について介護支援専門員に相談していたが、息子の妻は睡眠不足となり、体調を崩してしまった。そのため、Aさんは介護老人保健施設に入所することになった。
入所した日の夕方、Aさんは自分の荷物をまとめて「夕食を作らなければいけないので、家に帰ります」と施設内を歩いている。Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

1.「他の入所者と話をしましょう」
2.「椅子に座ってお話ししませんか」
3.「入所中なので家には帰れません」
4.「歩くのは危ないのでやめましょう」


解答:2


1.(×)Aさんは帰宅を望んでおり、他の入所者との会話を勧めるのは不適切である。
2.(〇)否定も肯定もせず、思いを傾聴する対応が適切である。
3.(×)Aさんの希望に対して否定で返す対応は施設やスタッフへの不信感につながり、不適切である。
4.(×)歩行は自立しており、歩行を制限する声掛けは不適切である。
第111回(2022年)


問題151:看護師等の人材確保の促進に関する法律における離職等の届出で適切なのはどれか。

1.届出は義務である。
2.届出先は保健所である。
3.離職を予定する場合に事前に届け出なければならない。
4.免許取得後すぐに就職しない場合は届け出るよう努める。


解答:4


「看護師等の人材確保の促進に関する法律」における離職等の届出は、離職者への復職支援などにより、看護職員の人材確保を進める目的で行われている。
1.(×)届出は努力義務である。
2.(×)届出先 は都道府県ナースセンターである。
3.(×)病院等を離職した場合に届け出ることとされており、事前に届け出る必要はない。
4.(○)届出の対象者は、保健師・助産師・看護師・准看護師の免許を持ちながらその業務に従事していない者であり、免許取得後直ちに就業しない場合も含まれる。
第108回(2019年)


問題152:成人において胃食道逆流を防ぐために食後30分から1時間程度とるとよい体位はどれか。

1.左側臥位
2.半側臥位
3.仰臥位
4.坐位


解答:4


胃食道逆流を防ぐためには、食後1時間程度は頭部を挙上した姿勢(できれば坐位)をとることが望ましい。
1.(×)左側臥位では胃の大弯が下側にくるため、右側臥位よりも胃食道逆流が起こりにくいと考えられるが、坐位をとる方がよい。
2.(×)
3.(×)
4.(○)
第108回(2019年)


問題153:ギラン・バレー症候群で正しいのはどれか。

1.若年者に多い。
2.遺伝性疾患である。
3.骨格筋に病因がある。
4.症状に日内変動がある。
5.抗ガングリオシド抗体が出現する。


解答:5


1.(×)ギラン・バレー症候群は、発症年齢は幼児から90歳代まで広く分布する。
2.(×)ギラン・バレー症候群は自己免疫疾患である。
3.(×)ギラン・バレー症候群は末梢神経障害であり、骨格筋に病因はない。
4.(×)ギラン・バレー症候群は症状の日内変動はない。
5.(〇)患者の約半数に、ガングリオシド抗体(末梢神経の構成成分に対する自己抗体)が出現する。
第110回(2021年)


問題154:学童期の肥満で正しいのはどれか。

1.Kaup〈カウプ〉指数で評価する。
2.症候性の肥満がほとんどを占める。
3.食事では蛋白質の摂取制限を行う。
4.成人期の生活習慣病のリスク因子である。


解答:4


1.(×)Kaup〈カウプ〉指数は幼児期の肥満の評価に使われる。
2.(×)症候性肥満はなんらかの疾患による肥満であるが、学童期の肥満は原因となる疾患がない単純性肥満がほとんどである。
3.(×)蛋白質の摂取制限は行わない。
4.(〇)子どもの肥満は成人期の生活習慣病のリスクを高める。
第111回(2022年)


問題155:Aさんへの看護師の説明で適切なのはどれか。

Aさん(52歳、男性)は、49歳から高血圧症で内服治療と食事や運動に関する生活指導を受けている。2か月間の予定で開発途上国に出張することになり、予防接種を受ける目的で渡航外来を受診した。Aさんから「渡航にあたって何か注意することはありますか」と質問があった。
Aさんへの看護師の説明で適切なのはどれか。

1.「出張中は、減塩の必要はありません」
2.「出張先では有酸素運動は控えましょう」
3.「現地に到着してから健康診断を受診しましょう」
4.「持参する高血圧症の薬について、かかりつけ医に相談しましょう」


解答:4


1.(×)出張中も、減塩を継続する必要がある。
2.(×)有酸素運動は出張先でも続ける必要がある。
3.(×)渡航前に健康診断を受けることが望ましい。
4.(〇)渡航中、現地で高血圧症の薬は手に入らない可能性が高いため、渡航前にかかりつけ医に相談しておくことが必要である。
第110回(2021年)


問題156:左前胸部から頸部や左上肢への放散痛が生じる疾患はどれか。

1.胃潰瘍
2.狭心症
3.胆石症
4.尿路結石症


解答:2


1.(×)胃潰瘍では、背部や前胸部への放散痛を生じることがある。
2.(〇)狭心症では、左前胸部から頸部や左上肢、顎や歯への放散痛を生じることがある。
3.(×)胆石症では、背部や肩への放散痛を生じることがある。
4.(×)尿管結石症では、陰部、大腿部への放散痛を生じることがある。
第111回(2022年)


問題157:健常な成人において、血液中のグルコース濃度が低下した時に、グルカゴンの働きでグリコーゲンを分解してグルコースを生成し、血液中に放出するのはどれか。

1.肝臓
2.骨格筋
3.脂肪組織
4.心臓
5.膵臓


解答:1


1.(〇)血液中のグルコース濃度が低下すると、グルカゴンの働きで肝臓などに貯蔵されたグリコーゲンがグルコースに分解され、血糖値を正常に戻す。
2.(×)
3.(×)
4.(×)
5.(×)
第109回(2020年)


問題158:高齢者のうつ病の症状はどれか。

1.意識障害
2.知能低下
3.歩行障害
4.強い不安感


解答:4


1.(×)高齢者のうつ病では、意欲や集中力の低下、精神運動遅延が目立ち、不安症状がしばしば並存する。
2.(×) 
3.(×)
4.(〇)
第110回(2021年)


問題159:クリティカル・シンキングの思考過程で正しいのはどれか。

1.物事を否定的にみる。
2.主観的情報を重視する。
3.直感的にアプローチをする。
4.根拠に基づいた判断を行う。


解答:4


クリティカル・シンキングとは、客観的情報を重視しその信頼性を吟味しながら、根拠に基づいて偏りのない思考をすることである。
1.(×)物事を批判的に思考することが必要だが、否定的にみる必要はない。
2.(×)主観的情報ではなく、客観的情報を重視する。
3.(×)直観的ではなく、信頼性を吟味しながらアプローチする必要がある。
4.(○)根拠に基づいた判断が必要である。
第107回(2018年)


問題160:看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

Aさん(82歳、女性)は、Alzheimer〈アルツハイマー〉型認知症で、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅱb、要介護1である。息子と2人暮らしであったが、1年前から認知症対応型共同生活介護〈認知症高齢者グループホーム〉に入所している。息子は仕事が忙しいため、2ヶ月に1回面会に来所する。
Aさんは2日前から活気がなくなり、食事量も減少した。本日、発熱や下痢を主訴に介護職員に付き添われて外来を受診した。外来の看護師が介護職員に普段の健康状態の把握の方法を尋ねると、1日1回の体温と血圧の測定、月1回の体重測定、レクリエーションへの参加の様子を確認しているという回答を得た。Aさんは、看護師の簡単な質問に答えることができる。
身体所見:体温37.0℃、呼吸数24/分、脈拍72/分、血圧132/82mmHg、呼吸音は異常なし。水様便が3回/日、濃縮尿、手指の冷感あり、顔色は不良。皮膚の乾燥あり。体重45.8kg。
検査所見:Ht40%、白血球9,800/μL、尿素窒素25mg/dL。Na150mEq/L、尿比重1.030。
Aさんは入院し、点滴静脈内注射が開始された。Aさんの顔色は良くなり眠っているため、介護職員は施設に戻った。看護師がAさんの様子を確認するため病室へ行くと、目が覚めたAさんは「誰かいないの」と大声を出し、興奮した様子で点滴静脈内注射のラインを外そうとしていた。 看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ

1.睡眠薬を与薬する。
2.入院中であることを伝える。
3.興奮が落ち着くまで身体拘束を行う。
4.息子に退院まで付き添うよう連絡する。
5.点滴静脈内注射のラインを見えないようにする。


解答:2、5


1.(×)睡眠薬の使用は、昼夜逆転や転倒のリスクを高めるため、慎重に使用する。
2.(○)認知症高齢者は環境の変化によって不安が強くなるため、現在の状況を説明する必要がある。
3.(×)身体拘束は、Aさんの不安や興奮を増強させる可能性があるため適切ではない。
4.(×)息子は仕事が忙しく、グループホームの面会には2ヶ月に1回しか来られていない。退院までの付き添いを依頼するのは適切ではない。
5.(○)Aさんは入院中であることを理解できておらず、点滴を自己抜去するリスクが高い。刺入部に包帯を巻いたり、ルートを衣類の中に通したりするなど、点滴静脈内注射のラインがなるべく目に入らないようにするとよい。
第108回(2019年)


問題161:Aさんへの退院指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

Aさん(63歳、男性)。BMI24。前立腺肥大症のため経尿道的前立腺切除術を受け、手術後3日で膀胱留置カテーテルが抜去された。数日後に退院する予定である。
Aさんへの退院指導で適切なのはどれか。2つ選べ。
1.散歩を控える。
2.水分摂取を促す。
3.長時間の座位を控える。
4.時間をかけて入浴する。
5.排便時に強くいきまないようにする。


解答:2、5


退院後にも起こり得る経尿道的前立腺切除術後の合併症として、出血や尿路感染症がある。生活指導として、水分摂取を促し、激しい運動や排便時の努責、長時間の入浴、局所の圧迫は避けるよう説明する。
1.(×)
2.(○)
3.(×)下腹部を圧迫するため、自転車やバイクの運転は避けた方がよい。
4.(×)
5.(○)
第107回(2018年)


問題162:注射針の刺入角度が45〜90度の注射法はどれか。

1.皮下注射
2.皮内注射
3.筋肉内注射
4.静脈内注射


解答:3


1.(×)皮下注射の注射針の刺入角度は10〜30度である。
2.(×)皮内注射の注射針の刺入角度は皮膚とほぼ平行にする。
3.(〇)筋肉注射の注射針の刺入角度は45〜90度である。
4.(×)静脈内注射の注射針の刺入角度は15~20度である。
第111回(2022年)


問題163:養育医療が定められている法律はどれか

1.児童福祉法
2.母子保健法
3.発達障害者支援法
4.児童虐待の防止等に関する法律


解答:3


1. (×) 養育医療については、母子保健法第二十条に定められている。
2.(〇)
3.(×)
4.(×)
第110回(2021年)


関連記事

看護知識

ナース専科で看護知識を”学ぶ”記事ランキング