• 公開日: 2022/10/10

【連載】看護師 国家試験対策・過去問

第112回看護師国家試験対策|1問1答マラソン【解答・解説アーカイブ】第26~39問

2022年9月1日からスタートした第112回看護師国家試験対策「1問1答マラソン」にご参加いただきありがとうございます!

このページでは、過去1週間に出題した問題と解答・解説を、まとめて掲載していきます!
【週1回ずつの毎週更新です】






■2022年9月10日~9月25日出題分


問題26:このときの訪問看護師の対応で適切なのはどれか。

Aさん(80歳、女性)は1人暮らし。うっ血性心不全で臥床して過ごすことが多い。訪問看護師が訪室すると、Aさんは体温37.6℃、口唇の乾燥はなく、体熱感があるが手足が冷えると言って羽毛布団を肩まで掛けている。室温30℃、湿度65%、外気温は32℃、冷房設備はあるが使っていない。 1.羽毛布団を取り除く。 2.冷房設備で室温を調整する。 3.頓用の解熱薬を服用してもらう。 4.直ちに経口補水液を飲むよう促す。


解答:2


1.(×)急激な温度変化は避ける。 2.(〇)Aさんはうっ血性心不全による循環不全があり、高い室温による体温上昇や発汗に体が対応しきれず熱中症をおこしやすい。体熱感や末梢の冷感、体温の上昇がみられ、熱中症が疑われるため、冷房設備で室温を調整する。 3.(×)熱中症が疑われるため、解熱剤の服用ではなく、室温調整や水分摂取を行う。 4.(×)経口補水液はNa濃度が高いため、心不全患者には勧められない。 第111回(2022年)


問題27:生後4か月の乳児の発達を評価するのはどれか。

1.寝返り 2.お座り 3.首のすわり 4.つかまり立ち


解答:3


1.(×)寝返りができるようになるのは、生後6ヶ月頃である。 2.(×)お座りは、生後8ヶ月頃からできるようになる。 3.(〇)首がすわり始めるのは、生後3ヶ月頃である。 4.(×)つかまり立ちができるようになるのは、生後10ヶ月頃からである。 第108回(2019年)


問題28:ICU入室から24時間以内に注意すべきAさんの症状や徴候はどれか。

Aさん(52歳、女性)。自宅で突然激しい頭痛と悪心が出現し、自力で救急車を要請し、搬送された。ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉I-2で頭痛を訴えており、発汗著明であった。瞳孔径は両側3.0mm。上下肢の麻痺はない。 Aさんは頭部CTでくも膜下出血と診断され、ICUに入室した。入室時のバイタルサインは、体温 36.8℃、呼吸数24/分、脈拍92/分、血圧 156/98mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度 〈SpO2〉95%であった。 ICU入室から24時間以内に注意すべきAさんの症状や徴候はどれか。


解答:4


1.(×)Kussmaul〈クスマウル〉呼吸は、代謝性アシドーシスに起因する呼吸であり、関連はない。 2.(×)膝蓋腱反射の低下は、ビタミンB1の不足によって起こる脚気や、筋ジストロフィーなどの筋疾患にみられる徴候である。 3.(×) 企図振戦は、コップに手を伸ばすなど目標物に近づこうとすると起こる振戦で、小脳疾患などにみられる症状である。 4.(○)くも膜下出血発症後24時間以内は再出血のリスクが高い。出血の拡大によって頭蓋内圧が亢進し、脳ヘルニアを起こすと瞳孔散大がみられる。 第107回(2018年)


問題29:臓器と産生されるホルモンの組合わせで正しいのはどれか。

1.膵臓 ― グルカゴン 2.副腎 ― プロラクチン 3.腎臓 ― アルドステロン 4.脳下垂体 ― インクレチン 5.視床下部 ― テストステロン


解答:1


1.(○)グルカゴンは、膵臓のランゲルハンス島で産生され、グリコーゲンを分解し血糖を上昇させる。 2.(×)プロラクチンは、下垂体前葉から分泌され乳汁産生の作用がある。 3.(×)副腎皮質から分泌され、電解質や水分のバランスを調整する。 4.(×)腸管から分泌され、インスリン分泌を促進させる作用がある。 5.(×)精巣から分泌され男性の第二次性徴に関与し、タンパク質の合成等の作用がある。 第108回(2019年)


問題30:訪問看護ステーションの管理者になることができる職種はどれか。

1.医師 2.看護師 3.介護福祉士 4.理学療法士


解答:2


訪問看護ステーションの管理者は、保健師または看護師でなければならない。 1.(×)医師は管理者になれない。 2.(○)看護師は、管理者になれる。 3.(×)介護福祉士は管理者になれない。 4.(×)理学療法士は、管理者になれない。 第107回(2018年)


問題31:高齢者の義歯の取り扱い方法で正しいのはどれか。

1.就寝時に外す。 2.熱湯で洗浄する。 3.保管時は乾燥させる。 4.総義歯は奥歯を起点に外す。


解答:1


1.(〇)義歯周囲の粘膜保護と、口腔内での細菌繁殖を防ぐため、原則として就寝時には義歯を外す。 2.(×)熱湯での洗浄は義歯の変形の原因となる。 3.(×)義歯の乾燥は変形の原因となる。水や義歯洗浄剤につけて保管する。 4.(×)総義歯は、前歯部分を起点に、奥歯を浮かせるようにして外す。 第111回(2022年)


問題32:訪問看護師の妻への回答で正しいのはどれか。

Aさん(70歳、男性)は、妻(68歳)と2人暮らし。3年前に筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉と診断され、在宅で療養生活を続けていた。その後、Aさんは症状が悪化し、入院して気管切開下の人工呼吸療法、胃瘻による経管栄養法を受けることになった。妻は、退院後に必要なケアの技術指導、人工呼吸器や胃瘻の管理方法、緊急・災害時の対応について病棟看護師から指導を受けた。退院前カンファレンスにおいて、訪問看護のほかに必要な在宅サービスについて検討することになった。妻は慢性腎不全のため、週に3回の血液透析を受けており、1回に約6時間の外出が必要である。 退院から1週後に妻から訪問看護ステーションに連絡があり「人工呼吸器のアラームがなり続けていて、どうしたらいいのかわかりません。低圧アラームが点灯しています。気管カニューレも抜けていないし、呼吸もいつも通りにしているように見えます」と尋ねた。 この時の訪問看護師の妻への回答で正しいのはどれか。


解答:2


1.(×)分泌物が溜まると気道内圧は高まるため、高圧アラームが鳴るはずである。 2.(○)回路のゆるみは気道内圧が低下し、低圧アラームが鳴る要因となる。 3.(×)電源プラグが抜けていた場合には、バッテリーに関したアラームが鳴るか、電源が入らない。 4.(×)ウォータートラップに水が溜まると、高圧アラームや呼吸回数の上限アラームが鳴る。 第108回(2019年)


問題33:感染症と保健所への届出期間の組合せで正しいのはどれか。

1.結核-診断後7日以内 2.梅毒-診断後直ちに 3.E型肝炎-診断後直ちに 4.腸管出血性大腸菌感染症-診断後7日以内 5.後天性免疫不全症候群〈AIDS〉-診断後直ちに


解答:3


1.(×)結核と診断された場合は、直ちに届出が必要である。 2.(×)梅毒と診断された場合は、診断後7日以内に届出が必要である。 3.(○)E型肝炎と診断された場合は、診断後直ちに届出が必要である。 4.(×)腸管出血性大腸菌感染症と診断後直ちに届出が必要である。 5.(×)後天性免疫不全症候群(AIDS)と診断されたら7日以内に届出が必要である。 第107回(2018年)


問題34:アルコールを多飲する人によくみられ、意識障害、眼球運動障害および歩行障害を特徴とするのはどれか。

1.肝性脳症 2.ペラグラ 3.ウェルニッケ脳症 4.クロイツフェルト・ヤコブ病


解答:3


1.(×)肝性脳症は急性・慢性肝不全にみられる精神・神経症状で、異常行動や傾眠、羽ばたき振戦などの症状がみられる。 2.(×)ペラグラはナイアシン欠乏症で、皮膚炎や消化器症状、認知機能低下などが見られる。 3.(〇)ウェルニッケ脳症はビタミンB1欠乏でみられ、眼球運動障害や意識障害、歩行障害などを特徴とする。ウェルニッケ脳症の原因の半分はアルコール依存症が占める。 4.(×)クロイツフェルト・ヤコブ病は、脳に異常なプリオン蛋白が沈着し、認知症が急速に進行する疾患。行動異常、性格変化や認知症、視覚異常、歩行障害などの症状がみられる。 第110回(2021年)


問題35:地域包括ケアシステムにおける支援のあり方で、「互助」を示すのはどれか。

1.高齢者が生活保護を受けること 2.住民が定期的に体重測定すること 3.要介護者が介護保険サービスを利用すること 4.住民ボランティアが要支援者の家のごみを出すこと


解答:4


1.(×)生活保護は公助にあたる。 2.(×)住民が定期的に体重測定を行い、自らの健康管理を行うことは自助にあたる。 3.(×)要介護者が介護保険サービスを利用することは共助にあたる。 4.(○)互助とは、互いが助け合うことであり、住民ボランティアが要支援者の家のごみを出すことは互助である。 第108回(2019年)


問題36:Aちゃんの家族へ看護師が伝える内容として適切なのはどれか。

Aちゃん(8歳、女児)は、白血病の終末期で入院しているが、病状は安定している。両親と姉のBちゃん(10歳)の4人家族である。 Aちゃんの家族へ看護師が伝える内容として適切なのはどれか。 1.「Aちゃんは外出できません」 2.「Bちゃんは面会できません」 3.「Aちゃんが食べたい物を食べて良いです」 4.「Aちゃんよりもご家族の意思を優先します」 5.「Aちゃんに終末期であることは伝えないでください」


3

解答:


子どもに余命を告げることなく、親や医療者が終末期の過ごし方を決定するのではなく、近年では子どもにも状況を説明し子どもの意思を尊重するという考え方に変わってきている。 1.(×)本人や家族から希望があれば、外出や外泊ができるよう調整した方がよい 2.(×)本人や家族から希望があれば、きょうだいが面会できるよう調整した方がよい 3.(○)終末期であり、本人が食べたいものを提供するのがよい 4.(×)もっとも尊重すべきなのは本人の意思である 5.(×)本人への告知の有無を決定するのは看護師ではない 第107回(2018年)


問題37:感染症の潜伏期間で最も長いのはどれか。

1.インフルエンザ 2.結核 3.ノロウイルス性胃腸炎 4.流行性耳下腺炎


解答:2


1.(×)インフルエンザの潜伏期間は、1〜3日間程度 である。 2.(○)結核の潜伏期間は、一般的に半年から2年である。 3.(×)ノロウィルスの潜伏期間は、1〜2日間である。 4.(×)流行性耳下腺炎の潜伏期間は、2〜3週間である。 第108回(2019年)


問題38:安静臥床による廃用症候群で生じるのはどれか。

1.1回換気量の増加 2.循環血液量の増加 3.基礎代謝の上昇 4.骨吸収の促進 5.食欲の増進


解答:4


1.(×)1回換気量は減少する。 2.(×)循環血液量は減少する。 3.(×)基礎代謝は低下する。 4.(〇)骨吸収が亢進し、骨萎縮が生じる。 5.(×)食欲は低下する。 第111回(2022年)


問題39:フォローアップミルクで正しいのはどれか。

1.母乳の代替品である。 2.鉄分が添加されている。 3.離乳食を食べる直前に与える。 4.離乳食開始の時期から与え始める。


解答:2


1.(×)フォローアップミルクは母乳や乳児用調整乳(乳児用ミルク)の代替品ではない。 2.(〇)フォローアップミルクは鉄分やカルシウム、ビタミンDが添加されている。 3.(×)離乳食のあとに与える。 4.(×)離乳食がしっかり3回食になる、生後9か月頃が目安となる。 第110回(2021年)