編集部セレクション
  • 公開日: 2022/6/24

「特記事項ナシ」で成り立つ看護記録

「ラウンジ☆セレクト」は「ラウンジ」で盛り上がった話題と、そこに寄せられたみなさんのご意見を紹介しています。

 今回のトピック 
最近私の職場では三測表の見直しがありました。
体温・脈拍がグラフから数字の記入。また、三測表の中に「特記事項なし」の項目があり、そこにチェックを入れると看護記録を書かなくても良いといったことになりました。ですが、私的には看護計画を立て、また患者さんの日々の生活に記録を書かなくても良いことはなく、また、最悪患者さんに何かが起こり、訴訟問題へと発展した場合、看護記録というのは重要な証拠となると思い、記録は書くようにしているのですが、記録を見ていると今月私以外誰も書いてないといった状態になっています。
看護記録は毎日書かなくてもよいものなのでしょうか?

 

みんなの病院の看護記録はどんなもの?

■書くことがなければ書かない人も…

記録は毎日記入しています。しかし、書く人によりけりで、「発熱なし。呼吸平静。」と何日も同じ文が一行だけとかがほとんど。書く欄が設けられていても、結局は、書く人それぞれの心構えなのではないでしょうか?

うちの病院もそうです。なにもないと書かない、でも、私は毎日書いてます。患者に変わりがないのは観察していないのと一緒だと思うからです。

■簡単なチェック項目で書きます

1週間・2日間・1日用のフローシートがあって、バイタル・輸液等・酸素投与も記述出来るスペースがあり、簡単な記録も出来るもので、受け持ちが観察項目をあげて切れないように作成、日々の受け持ちが「+」「-」の記号でチエックしてました。

私のところでは看護計画に沿って観察項目、ケア項目、指導項目などのチェックを入れる欄や簡単な文章であれば書き込めるスペースがあり普段はそのフローシートだけで十分対応できるものでした。状態の変化や転倒などの突発的なことが起こった時だけ経時記録に移行する形です。

検温表の下に、観察項目がいくつか上がっており、なにもなければ全て(-)と記録します。特記事項がなければ看護記録に何も書きません。つまりいつもは-なのに(+)に変わった観察項目があれば看護記録に様子を書く、といった感じです。面倒なので記録を書かないのではなく、作業効率をあげるためだと思っています。

■SOAPで書いています

看護問題に対しての記録をするときはSOAPで書きますが、ほぼ、経時記録でリアルタイムにその時に起きたことを記録していってます。SOAPを使うのは看護問題の評価をするときくらいになってしまいました。

看護計画に合わせた観察項目を設定して、そしてそれを毎日評価して観察項目の追加や終了したりするんじゃないですか?だから毎日看護記録にSOAPで看護計画に合った取り組み内容を記載し毎日評価するものだと思っていました。

■必ず書かなければいけない項目が決まっています

バイタルに関しては書かなくても良いけれど、看護ケア(気切部ガーゼ交換、DIV、保清など)については記録してます。胃ろうワッサー交換などコストで取れるものでもケアしたのだから書きましょうってなってます( ・_・)

うちの病院は、3日に1度は看護計画の見直しがあるので看護記録に3日に1度は評価が書かれます。あとは普段は使っていない薬を投与するときなどは記録を残します。

入院して3日間は毎日、後は3日に1度は看護記録を書くようになってました。あとは、何か変化があった時に記録するようになってました。その他は三測表の記入だけでした。

そもそも、看護記録の意味って…?

■「簡素化」と「何もしない」は違うのでは?

看護記録の簡素化は必要だと思いますが、計画にあがっている観察項目の記録は、入院基本料にも関係してくるため必要だと思います。監査に引っかかるのではないでしょうか?計画評価も出来ませんし…。

簡素化しすぎて日々の状況がわからないようだと意味がありませんので、内容は十分検討する必要があると思います。

記録は何のため?その患者さんがその記録を見て誰もがこんな方なんだと見えるってことでしたよね、その観点からいけばおのずと結果は見えてきます。簡潔にという意味も分かりますが困ったときはまず、原点に返って考えてみたらいいのではないかと思います。

■「特記事項なし」の落とし穴

何か問題があったとき、「ではこの時点での反応は?」と質問されても特記なしだけだったら、観察していないのでないかと言われてしまいそうですね。

クリニカルパスに近いのかと思いますが、何をもって「特記なし」なのでしょう?そして何があったら「特記あり」なのでしょう?そして、特記することがあったらどうするのでしょう?そこらへんの設定が甘い印象を受けます。

「特記事項なし」は、特に事故など起こった場合、相手の反論の機会を与えるだけであります。医療関係者、裁判官、弁護士など第三者が見てわかりやすい、「みたまま」を記載することが望ましい、とされています。

『特記事項なし』は記録として成立しないと思います。看護計画を立てれば、必然的に観察項目が挙がるのではないですか?

関連トピック:「 看護記録について
イラスト・なしま

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