編集部セレクション
  • 公開日: 2022/1/7

これって本当に看護?「看護」と「業務」の線引き

「ラウンジ☆セレクト」は「ラウンジ」で盛り上がった話題と、そこに寄せられたみなさんのご意見を紹介しています。

 今回のトピック 
新しい職場で仕事を始めて1ヶ月経ちます。一応急性期病院、混合病棟で10:1のシステムで働いてます。
働いてて思うことがこれで良いのか?です。色々状況はあるのですがやってる事が業務になってて看護をしてる実感がありません。重なるオペ、救急の受け入れ、転入受け入れなどで日常がバタバタ。結果、高齢者で少しでも転倒リスクあれば体幹抑制、オムツ交換も規定時間以外しない、入浴する人手もなく出来ない。その癖、きっちり休憩1時間とってほぼ定刻に帰る。
確かにオペや記録も大事だけど、こんなのじゃ患者の声すら碌に聞けてない気が。看護の仕事って何なんだ?と思ってしまいます。

 

「看護」と「業務」の線引きってどこ?

■「看護」と「業務」の違いって?

看護の仕事は、ある人にとっては業務の一部だったり、ある人にとっては崇高なものかもしれない。価値観が違うと言う事を知っておかないと、仕事をするうえで精神衛生上よくないと思います。

看護と業務は同じだと忙しく思います。毎日の流れのなかで、いかに、手浴や足浴をするか、爪を切るか、その時間を作るのもプロだと思います。

自分にとって業務は、たとえば採血のときに採血準備をして採血を実施し終了することですが、採血を業務として行うと同時に、説明や声かけ、とくにねぎらいの言葉なんかは看護だと思います。

私は同じ行為でも、看護診断に基づいた目標を達成することを意識して行っていて、そのケアを評価し記録に残しているのであれば「看護」で、ルーティン業務として行っていることを「業務」と考えています。主さまの考える「看護」ってなんでしょう?

保清のケアに行き届かないのは非常に残念ですが、適切な抑制ならそれは看護の内の安全管理ですし、入院の受け入れや度重なるオペの準備なども立派な看護だと思います。
そもそも看護とは、なんでしょうね。

■しっかり休憩・定時退社の是非

看護は休憩時間を削り、残業をするなどの自己犠牲の上に成り立つものでもないと思います。

休憩時間を取ることと規定の勤務時間で仕事を終えることはいけないことですか?休憩も取れず、規定の時間内に終えれないほど仕事があればあなたは満足いく看護ができていることになるんですか?看護はボランティアではなく、仕事です。

忙しくて業務に追われることに必死のようですが、休憩時間がしっかりとれて定時に帰れるという環境は時間管理ができている証拠だと思います。

休憩や勤務終了時間は「管理者」からすれば「提供して当たり前のこと」だし、勤務者にしても「保障されること」なのかもしれません。でも…患者さんの「環境」はどうかしら。患者さんの「権利」のようなものがない気がします…。

■現状の問題点は…?

業務が多すぎて肝心の患者との対話や関わりが厳かになってしまうという点。急性期病棟にはありがちなことかもしれません。

内容を見ていて驚くことばかり。HCUで働いています。重症患者さんばかりですし、緊急入院なんて日常茶飯事。多い時は午前中だけで3人緊急入院、急変もあります。しかし、毎日全身清拭は行いますし、抑制も必要最低限しかしません。

言葉が悪いかもしれませんが、機械の業務みたいですね…患者さんを人扱いしていないような…患者さんはどう思われているのでしょうか?

■「看護」は考え方次第…?

患者は良く見ています。忙しそうにしている看護師がほんの少しだけど話を聞いてくれた。動けない時に看護師がちょっと枕の位置を変えてくれて楽になった。そんな生活の中でのちょっとした気遣いができるのが、看護師なのだと思います。

どんなに忙しくても、看護ができないということはないと思います。毎日毎日の業務も、そのひとつひとつが看護であると思います。それを業務としてしかできない方は、たとえもう少し患者さんの話を聞く時間ができたとしても、業務しかできないと思います。

これは業務ではないか、看護師じゃなくても出来るのではないか、と考えることもよくあります。でも、情報収集・観察したことからアセスメントし、ケアに活かし、評価をすることが看護に繋がるのではないかと思います。

■理想と現実のギャップは大きいけれど…

入浴が自宅へ帰る指導の一つなら、それもありかと思いますが、急性期で行うことではなく、在宅に帰るためのリハビリ病棟にその役割をになっていただければいいと思います。
役割を分けなければ、いつまでたっても看護師は何でも屋だと思います。

現実の中で出来ることを頑張るしかないと思います。忙しくても患者に声を掛けるのを忘れないように努め、前向きにいくしかないと思います。

看護とは何か?と自問自答をすることはとても向上心があり素晴らしい事と思います。
ただ教科書やドラマに出てくるような看護を行うには、それぞれの組織のシステムや方針で難しいのが現実でもあります。量より質の良い看護が、急性期病院には求められると思います。

関連トピック:「 看護の仕事とは?
イラスト・なしま

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