電子カルテが普及して看護記録を書きながら業務するのは当たり前だし、記録を見れば患者さんのことが全てが記載されているはず。
それなら口頭での申し送りって本当に必要?どんな内容を申し送るのが正解?
時代は申し送り廃止の傾向も強くなってきている昨今。遅かれ早かれ、申し送りの質や方法はあなたの病院でもきっと見直されるはず!
自分の申し送りはこのままで良い?それとも、新たな方法を身に着ける必要あり?
口頭での申し送りは本当に必要?
ナース専科調べ(2021年8月26日/有効回答数:306)
大多数が記録したこと以外を申し送ることが多いようだけど、申し送る内容は看護師の考え方や経験値によって微妙に違ってくるみたい。
既に申し送り廃止で働いている病棟もあれば、申し送り必須な病棟もあるみたいだから、時代の波に取り残されないように自分の申し送り方法と比較してみよう!
記録以外を申し送る派
実際に申し送る内容は?
急ぎの案件は口頭で行う
看護記録に記載した事に関しては、送られる側の看護師は情報収集時に、情報得ているため不要。
記載していない、看護計画にない事、または内服や点滴が変更になった事は口頭で申し送るべき。
必要な要点をまとめて分かりやすく申し送り、かつその勤務で気をつけてほしいことや、観察して欲しい事を伝えれば十分だと思う
重要なことだけ申し送る派
絶対確認してほしいことを送る
カルテ、記録をみているのだから、わざわざ送る必要がない。ほんとに大事なことだけ送ってる。
ポイントだけでいいと思うから
記録に残したことは読んでもらえば良い。その他、注意事項や連絡事項などを送る。もしくは、非常に気になる点を送ることはある。
記録するほどではないことを申し送る派
眠前の下剤や眠剤希望などカルテにかくほどでもないが伝えた方が良いことだけ一言二言あれば伝えている。
記録にするほどではないが申し送ったほうが業務が円滑に進むことがある。
記録に書くほどではないが、観察して感じたこと、違和感、前任者からの申し送りなど含めて伝えるようにしている。異常の早期発見につながることもあり。
記録に書く必要のないこと、家族が来棟するからサインをもらって欲しいなど
文字にできないことを申し送る
文字にはならない感じを伝える為
記録に残しにくい、患者のキャラクターなどは、知っていた方が良いことがあるから。
看護記録に載らなかった指示の変更や、家族とのやりとりなど、記録の背景になるようなことを選んで申し送ります
記録に書いてあることは読めばわかる。それ以外の、言葉で伝えないとニュアンスが難しいところは口頭で伝えます。
共通点は時間の無駄をなくしたい!
書いてあるのだから見れば良い
だらだら長い送りは無用
必要な情報は自分で収集
おんなじことの送りは時間の無駄
看護記録に記録すること自体が情報共有のためなので、見ればわかることを申し送りするのは時間の無駄だと考える。
時間に限りあるので、要点を申し送っている
申し送りよりも患者優先
申し送りの時間はできるだけ短縮して患者さんのケアにあたることがよいので。
情報収集をしてると思うので、それ以外を申し送る。全部伝えると時間がかかりすぎて、患者さんについやす時間がなくなるため
申し送りのために業務時間が短くなるから。また患者様の状態は刻一刻と変化しているためベッドサイドで自分で再アセスメントすべきだから
全てを申し送る
記録は後回しになりがち
引き継ぎまでに記録が終わることはほぼないため
時間がない時には「読んで」と言う時もありますが、読む暇がなく作業にあたる事も多いので、なるべくなら口答でも伝える
交代の時間に記録を見る時間はなく、ほとんど送られたことを基に動くので、すべて送ります。
まだまだ未熟なので…
何が大切なのかまだ理解できていないため細かく伝えている。
情報の整理がうまくできていないという部分もある。
先輩から詳しい状況について、突っ込まれることがあるため、変わったことがあったときは全て伝えている。
全て伝えないと不安だから
後から「聞いていない」など言われる事があるため、細かく話すようにしている。
申し送りありきな現状
紙カルテである事、出勤しても誰もカルテを開かない、患者情報は全て申し送り頼みが普通になっている事。
病棟の風潮に合わせ、事細かに申し送っています。自分も、電子カルテの台数が充分に無いことから、業務前に情報収集が出来ないため、事細かな申し送りをもらっています。
病棟の習慣、業務に入る前に細かくカルテを見る時間がない、記録にすべて書いてない
記録にかいても読んでいない場合があるため。
病棟の特性上申し送り必須
脳外科ICUのためあらゆるリスクがあるため全身状態と画像,ラボ,全てを申し送る必要があるため。
認知症病棟の為、あったことが次に繋がるから
認知症病棟のため、その日の勤務帯の様子が重要と考えるため
確実な申し送りのために
大切なところだけを申し送るのは大事ですが自分にとって必要なことと他の人たちが必要と思うことが異なると漏れや急変の恐れがあるので怖いからたくさん申し送ってしまう
複数人で仕事にあたるので起きたことは全て送る。もちろん簡潔に
ある程度の出来事を伝えないと共通理解ができず、情報共有できない。共通理解してもらうためには長くてもある程度送らないといけないと思う。
ケアの質を保つには、必要なことだと思うので全て伝えたくなる。
申し送り後に『これはどういうこと?』など、聞き直させる時間がもったいないと思う。
しっかりあったことを伝えておけば、その後の業務にすんなりつけると思っているから。
申し送り廃止の傾向
申し送り廃止は既に始まっている
申し送りは無く、全て記録が基本だが、交代時にまだ記録が終わっていない部分を申し送っている。
カルテに入力したものは省く。記入できていないものは受け持ち患者フリーシートに書き口頭では送らない
基本申し送りはない方向でやってきるため記録に書いていることは詳しくは見てください、としている。
書けていないことのみで上手くいくように改善中。
申し送り廃止でも、臨機応変な申し送りは必要か
申し送り廃止の方向のため、基本申し送りはせず分からないことや口頭で伝えておきたいことだけを申し送りしてます。
異常があったとき、継続的なケアが必要な事があった時
特に急変があった場合等は一連の流れを簡潔に。医師から受けた直近の指示も含めて送る。申し送りは万全ではないので、記録にはさらに丁寧に書いておく。
申し送りは伝言ゲームと一緒で、伝言しているうちに変換されてしまうことがある。違うように伝わるならないほうがいい。申し送りの時間よりも、カンファレンスを行い、意見の交換をしたほうが良い。
イラスト・まえかわしお