編集部セレクション
  • 公開日: 2021/5/24

ラシックス20mg投与、毎朝静注かルートキープか

「ラウンジ☆セレクト」は「ラウンジ」で盛り上がった話題と、そこに寄せられたみなさんのご意見を紹介しています。

 今回のトピック 
心不全で浮腫もあり、医師からは毎朝ラシックス静注20mgの処方がでていました。そして毎朝針を刺されあざだらけになる患者様をみて、そして先輩看護師がラシックスをものすごい速さで入れていて、学校で薬は違ったものの静注ではゆっくり入れていたというイメージがあったのでびっくりしました。
質問は毎朝静注するのでなくルートキープして患者様への負担を軽減できないのかと、ラシックスをそんなに早い速度で入れてもいいものなのか。という二点です。
調べてもどうしてもわからなかったことがあったので助言をもらえたらと思います。

 

ラシックス投与は、静注かルートキープか

■基本は抜き差し?

毎日の静脈注射で問題無ければ、基本は抜き差しなのではないでしょうか。投与経路をロックで維持すると、常時体内と針が繋がっている訳ですので、感染源が増えることになります。

朝一度ならキープはあまりしないです。

ラシックスのみならルートキープはしません。

ラシックスのワンショットだけならラインキープよりもリスクが軽いと思います。

■ルートキープのデメリットは?

3日毎にサーフロいれかえして、ヘパリンを流す方が青く、苦痛ではないでしょうか?

患者のためにはラインキープの方がいいですが、高齢であればラインを自己抜去の恐れもあり、そうなると抜き差しの方が良いという判断も出来ます。

青あざの多さを考えると内服薬で、ワーファリンなど抗凝固薬を内服していたりしませんか?出血傾向がある人にルートキープをすることのほうが、患者様の安楽よりもリスクの方が高い気がします。

キープした場合ヘパ生をその都度しようしなければならないので、心不全の患者には不適切と考えます。

心不全で浮腫もあるのに、ルートキープするということはINを増やすことになるから心負荷がふえてしまいますよね?

心不全の状態がどの程度なのか分からないですが、ルートからivすると、生食などで押してあげないとルート内のラシックスの薬液が血管内に入りきらないので、そうするとその少量の生食すらも体内に入れたくないのか?…とも考えられますし…

キープすると1日2回は生食のフラッシュが必要で血管への負担が増し現在よりもアザたらけになると思います。

■ラシックスの投与スピードは?

薬剤の特性から、ラシックスをすごいスピードで入れてはだめです。十分な観察を行えない速度の投与に危険は有ると思います。必要以上にゆっくり過ぎても、その間患者様は針を刺されたままなので苦痛になると思いますが。

ラシックス20mgですよね?2ccのアンプルですよね?3秒でのIVは普通だと思います。毎分4mgというのは大量投与の場合を言っているはずです。

ラシックスの静注速度がどれぐらいだったのかわかりませんが、おそらく2ccの薬剤ですよね。私が実施する限り、3~5秒程度だと思います。

■ケースバイケースの対応を!

静脈注射の難しい患者様や穿刺に苦痛のある患者様ではロックで維持させて貰った方が苦痛が少ないこともあると思うので、その場合はうちでは患者様・スタッフ間で話しあい決定しています。

食事はされてるんでしょうか?血管があるのであればIVでしますが、内服薬に変えることもありなんかな?

当院では持続で輸液を点滴している患者にラシックスを入れる際は、ほぼ全例点滴内に入れます。薬剤師さんがワンショットより持続の方が効果がある、と言ってました。

患者さんの痛みなどに対する苦痛の軽減は重要ですが、ルートキープで感染のリスクは高くなります。菌血症になった場合は、致命的にもなりますし、ここは、患者さんの状態と照らし合わせて、考える必要がありますね。

青あざだらけというのは、止血が不十分だからだと思います。止血ベルトやテープ固定で済ませてないでしょうか?やはり人間の手で5分の圧迫止血が原則と思います。

持続点滴中の患者さんでも側菅からショットする場合があります。その患者さんの状態で天秤にかけてリスクの少ない方を取り入れるべきですね。

関連トピック:「 ラシックス20mg静注について
イラスト・なしま

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