アメリカでは毎年複数のがん治療薬が開発され、臨床で使われ始めます。ナースはそれぞれの薬の作用・副作用を患者さんに投与する前に勉強するわけですが、今回は実際に市場に出るまでの臨床試験の仕組みと、それにかかわるナースの役割をお話します。
臨床試験の情報は患者さんか主治医から
臨床試験は主に大学付属病院や特定のクリニックを通して行われます。毎年数え切れないほどの臨床試験が行われますが、現在のところすべての臨床試験を一目で見るサイトはまだありません。
なので、臨床試験を希望する患者さんは、主治医から情報を得るか、患者さん自身でリサーチを行います。
その臨床試験が的確であるかは、主治医との相談、臨床試験にかかわっているナースまたはクリニカル・リサーチ・アソシエイトが病理・過去の治療の記録・現在の治療薬・合併症の有無などから検討します。
続いては、ナースの役割について紹介します。
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患者さんをサポートするリサーチナース
臨床試験にかかわるナースをリサーチナースといいます。日本でいうところの治験コーディネーターのような役割をします。
具体的には、リサーチナースは、規制や規定、それぞれの臨床試験のプロトコールを把握し、インフォームドコンセントを行い、患者さんの質問や疑問にいつでも答えられる準備をします。
大きな機関での臨床試験は一人のリサーチナースにつき一つか二つの試験が受け持たされますが、クリニックのリサーチナースの場合、複数の臨床試験を受け持たされるケースが多いようです。
さらに、リサーチナースは採血や、副作用のモニタリング、通院・投薬の日程の調整なども行い、ドクターやほかのナースへの臨床試験の内容についての教育も行います。
がん専門のリサーチナースになるには、抗がん剤投与を実際に行った経験や、ほかの臨床の経験が求められます。詳細かつ明確な知識を必要とされるリサーチナースは今後アメリカでも日本でも必要とされてくるのではないのでしょうか。
※「アメリカで働く! オンコロジーナース」は、今回で終了です。