コラム
  • 公開日: 2019/3/26

【連載】ナースの転職知恵袋

【看護師のリアル転職体験談 63】内科の一般病棟から、回復リハ専門の病院へ転職

1.職員同士の人間関係に加え、患者さん対応に疲れてしまい、転職を決意

看護師の転職理由というと、人間関係が上位によくきています。私も例にもれず、人間関係が転職理由なのですが、私の場合は職員同士の人間関係の他に、患者さんとの人間関係に疲れてしまった、というのが大きな理由でした。

もともと地方から上京して今の地域に住んでいるため、地域出身の方と根本的に合わないと感じてしまうことが、少なくありません。
ズケズケと赤の他人である私のプライベートについて探索してくる患者さんの多さに嫌になってしまい、「もうこんなことで悩む生活を終わりにしたい」と、転職を決意しました。

2.前の病院を退職してから、新しい病院に転職するまでの流れ

生まれ育った場所で就職することも珍しくない地域のため、周囲には「患者さんとの人間関係に疲れた」とは言いづらいと感じていました。そのため、あえて周囲には全く違う理由で転職したい、と伝えることにしたのですが、やはり一筋縄ではいきませんでした。

STEP1:「退職以外の方法を考えろ」と云われてしまい…

退職したい気持ちがあることを、私はまず仲の良い主任へ伝えることにしました。すると主任は「なぜ退職するの?退職はあくまで最終手段だから、まずは退職以外の方法を一緒に考えよう」と言われてしまいました。

患者さんの土地柄が嫌だから退職したいのに、それ以外の方法なんて何も思いつきません。しかし、地元出身の主任へそれを伝えるわけにはいかず…。結局話し合いは平行線のまま、ただ時間だけが過ぎて行きました。

STEP2:プリセプターをつけられそうになり、「もう無理」と伝える

主任から退職の許可がおりないまま、気が付けば3ヶ月ほど時間が過ぎていました。そうこうしている間に新入職の話が出ており、私はもう看護師歴10年以上たっているにも関わらず、なぜかプリセプターをやらされそうになっていました。

「プリセプターなんてやらされたら、さらに1年間は辞められない」そう思った私は、申し訳ないと思いながらも、主任ではなく事務長へ、辞めたいという意思をつたえました。すると事務長は驚いて、師長や部長へ報告。

「なぜ突然、事務長へ言ったのか」とお叱りをうけましたが、退職の意思を直接伝えることで、少しずつですが退職話を進めることができました。師長からは「これから主任とか、肩書きをもってほしかったのに」とも言われましたが、粘り強く交渉を続け、結局その年の8月いっぱいでの退職許可をもらうことができました。

STEP3:転職サイトで聞いたお話に…

退職日が決まったことで、私はすぐに転職サイトへ登録しました。すると、転職サイトの担当者さんから、驚くべき情報を聞くことができました。なんでも、私が当時勤めていた病院は、幅広い救急患者さんを受け入れる病院なので、そういったくせの強い患者さんが多い傾向にあるとのこと。

そのため、同じ地域でもある程度救急患者さんを絞っている病院であれば、今回私が感じたようなことはおきないのではないか、というのです。これまで地域全体がこういった傾向にあると思い込んでいた私にとって、この話しはまさに目から鱗!早速私はこれまでの病院と同等の規模の病院を何件か見学させていただきました。

紹介していただいた病院の中には、これまでの病院と同じ印象を持つところもあり「本当に病院が違うと、患者層も変わるの?」と疑問に感じたこともありました。しかし、一般病院に限定せずさまざまな病院を見学することで、「本当に病院が違うだけで、患者さんの印象って違うんだ」と感じたんです。そして私は、特に患者さんの印象が良かったある病院へ採用試験を受けることにしました。

STEP4:未経験だったけど「働きたい」と素直に感じた職場

印象の良かった病院、それは、それまで私が未経験だった「回復期リハ」の専門病院でした。その病院では、どの患者さんもみなさん前向きで「少しでも良くなろう」と頑張っていらっしゃいました。こちらが口を酸っぱくして「甘いものはひかえてください」「水分制限があります」と伝えても、これまでは多くの患者さんが指導に対して聞く耳を持ってくれませんでした。

しかしこの職場では、患者さんご自身のセルフケア能力があり、看護師としての指導にもやりがいが見出せそうだと感じました。私は迷わずその病院での就職を決め、試験対策を万端におこないました。そしてその1ヶ月後、その病院での新たな一歩を踏み出すことができました。

3.転職してみて感じたこと

一番強く感じているのは、同じ地域でも、病院を変えることでここまで患者層が変わるのか、ということ。今の病院では、同じ患者さんとの関係についての悩みでも、指導方法についてなど、看護師本来の悩みを持つようになりました。地域柄だから仕方ないと諦めていましたが、そうではないということを、今回の転職でたくさん学ばせてもらいました。
私のように、患者さん関係で悩んでいる人は、転職も一つの手段だと思います!

4.転職してみて「良かったこと・悪かったこと」まとめ

今回の転職を通じて良かったこと、悪かったことは以下のようなことだと思います。

◎良かったこと(1):働く環境が劇的に良くなった

今の病院では、患者さんとの関係にくわえ、職員同士も職種の垣根を超えて連携しているため、とても仕事がしやすいです。医師も同じ土俵にたってアドバイスをしてくださるため、リハビリについてどんどん勉強し、みなさんと同じ土俵でお話したいという気持ちになります。こんなに前向きに考えられるようになったことに、感謝しています。

仕事内容について、聞きたいこともどんどん聞くことができますし、私が本来やりたかった、仕事内容そのものについて悩むことができています。

◎良かったこと(2):休日が増え、プライベートの時間を多く取れるようになった

回復期リハなので、急性期に比べて急変も少なく、仕事もほぼ定時に終えることができています。それにくわえ、月に10日は休みが確保されているので、休日が格段に増え、プライベートの時間も多く取れるようになりました。
今は仕事終わりにホットヨガへ行くのが、私にとって一番の楽しみです!

△悪かったこと:通勤時間が長くなった

今回の転職で唯一悪いのが、通勤時間が長くなったということです。距離としては前職とあまり変わりないのですが、今の職場は地域でも悪評高い渋滞スポットを通らないといけないため、混んでいると1時間ほど通勤に時間がかかってしまうんです。

もう少し近い、あるいは渋滞さえしなければ、文句のない職場なんですが、この点はもう仕方ないと諦めています。

5.転職の時が、給料交渉できる唯一のチャンス!絶対にすべき!!

通勤距離にくわえてもう一つ、私が唯一後悔していること。それが、給料交渉をしなかったことです。私とほぼ同時期に入職した方は、給料交渉をして、私よりもお給料が1万円も高いんです…!

この話しを聞いたとき、初めは「聞かなければよかった!」と思いましたが、よく考えてみると、「私も交渉すれば、上がったのでは?」という疑問に変わりました。私はもうできませんが、もしみなさんがこれから転職しようと考えていらっしゃるのならば、ダメ元でも必ず給料交渉はすべきです。

一度入職してしまったら、もう二度とその形態を崩すことはできません。
何事も、はじめが肝心です。ぜひみなさんには、私のような後悔はしないようにしていただけたらと思います。

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