コラム
  • 公開日: 2019/7/5

【連載】ナースの転職知恵袋

【看護師のリアル転職体験談 72】外科病院から精神科病院へ

1.病院買収に伴い転職

もともと地元の小さい会社で働いていました。看護師の免許を取得したのは30歳を過ぎてからです。結婚をして引っ越しをしなければならず、仕事を辞めたのですが、それから転職をするのにとても苦労しました。夫の理解が得られたこともあり、看護師の学校に通うことを決心しました。まだ子供がいなかったので、特に大きな問題はありませんでした。

その後、実習をした病院にそのまま就職をして3年間働きました。忙しかったせいでしょうか、3年間はあっという間に過ぎたように感じます。それから出産をして、外来に復帰をしたのですが、間もなくして、夫が実家の家業を継ぐことになり、その手伝いをするために、退職することになりました。

夫の実家で同居生活が始まりました。義理の両親の家に移り住むかたちでしたし、両親はとても元気でしたから、なかなか私自身の居場所が作りにくく、それならば、と看護師の仕事を探すことにしたのです。義理の両親も快く賛成してくれました。

そして、私が仕事をする間は、子供の面倒を義母がみてくれることになったのです。そうすると、保育所を探す手間もいりませんし、送り迎えの時間を心配する必要もありません。子供が病気のとき、どちらが仕事を休むかで夫と揉めることもないのです。

そして何より外来でなく、病棟の仕事を探すことができるのが嬉しいことでした。外来の仕事は事務的なものか、医者のアシスタント的な仕事が多く、もっと自分の頭で考える仕事がしたいと思いました。

そして、見つけた職場が個人経営の外科病院でした。希望通りに病棟に配属されました。両親のおかげで、夜勤も残業も存分にできました。子供が小さい頃はよく風邪をひくものですが、保育園に通っていると、お互いに移し合うせいか、いつも風邪をひいていたような気がします。両親に見てもらうことで風邪をひくことも少なくなりましたし、例え病気でも、義母が子供の面倒をみてくれるおかげで、心配が少なくなりました。

仕事は順調に運んでいたのですが、しばらくすると、病院が大きな脳外科病院に吸収合併されることになりました。一旦、全員が解雇されることになったのです。希望者は面接によって継続雇用が可能という話でしたが、脳外科であることと、立場的に弱くなるかもしれないと思ったので、継続の希望は出さずに、そのまま解雇される道を選びました。

2.前の医院を退職してから、新しい医院に転職するまでの流れ

STEP1:退職する

働いていた小さい外科病院が大きめの脳外科病院に吸収合併されることになり、脳外科への勤務は希望ではなかったため、退職することになりました。

STEP2:ハローワークに通う

ハローワークで失業保険の手続きをしたり、新しい就職先を探したりしました。しばらくハローワークに通って求人を探しましたが、紹介してくるところはクリニックか、遠くの病院ばかりでした。

できたら病棟で働きたいという希望があったことと、どこも自分の希望とは合わなかったため、家の近くにある精神科の病院に自分で問い合わせてみたところ、面接の運びとなったのです。精神科は実習でしか経験のない分野でしたが、チャレンジしてみると、なかなかやりがいがあり、気に入っています。

STEP3:見学そして面接、採用

まず、転職に向けて見学をしたいという意向を伝えると、快く了承をしてくれました。新しい病院で、規模は小さめでしたが、感じが良い印象を受けました。その後、改めて面接を行い、後日に採用の報告をいただき、すぐに仕事を始めました。

3.転職してみて感じたこと

ハローワークではなかなか自分の希望する条件の就職先が見つかりませんでした。なるべく家から近い病院を探していたので、思い切って、近所の病院に直接電話をしてみました。求人の広告が出ていないようでも、見学や面接にたどり着くことはできるようです。

ただし、自分で直接話をすると、給料や休日といった細かい待遇についてはなかなか質問しにくいものです。今回は最終的には病院側の人がある程度のことを提示してくれたのですが、そのような計らいがなければ、内容は知らないままに就職していたかもしれません。

そういった点から考えると、転職エージェントを利用するのも一つの方法だと思います。直接聞きにくいことはエージェントを通して質問すれば良いのです。もし、また転職することになったら、次はエージェントを利用しようと思いました。

また、私の場合は両親との同居ですから、子供のことを考える必要がありません。両親の援助がなければ、3交代はまず無理だったと思います。その場合は、日勤のみで仕事を探していたことでしょう。そうすると、仕事はどうしても限られてしまいます。もっと看護師の働きやすい環境が整えば、看護師の免許を持っているのに、仕事をしていないという人の数がもっと減るのに…と思いました。

4.転職してみて「良かったこと・悪かったこと」まとめ

◎良かったこと(1):自宅から近い

転職先は自宅の近くだったので、通勤時間が短くなりました。電車の時刻表を気にしなくて良いのは助かります。夜勤入りや準夜勤後などは車で送ってもらえますし、自転車で10分の距離ですから、夜勤明けや準夜勤前には歩いて通っています。

◎良かったこと(2):希望する病棟に配属された

できたら外来やパートは避けたかったので、正職員として病棟で働くことができたことは嬉しいことです。看護師のキャリアにもつながりますし、次に転職する時にも有利だと思います。

◎良かったこと(3):残業が少ない

残業がほとんどないので、予定を立てやすいです。それほど疲れることもないので、仕事終わりに、一人で買い物に出かけたりもできます。

△悪かったこと(1):スタッフの休みでかり出されることがある

誰かが急に休みになると、病院から近く、同居しているということで、だいたい私に電話がかかります。携帯にかかるので、出ないわけにもいきません。実際に何も予定がないときにはNOとも言えずに、仕方なく仕事にでることになります。小さい病院はギリギリの人数の雇用といいますし、ある程度は仕方がないのでしょうか。

△悪かったこと(2):給料が思ったより少ない

思ったより給料が少ないのでがっかりしました。どのように給料を算出しているのか知らないのですが、機会があれば尋ねてみたいです。やはり、働く前に事前に給料面や待遇についてはきちんと聞いておくべきだったと反省しています。

5.自分で求人に応募すると待遇面について質問しにくい

今回の転職は、勤務先の病院が吸収されたことによるものでした。自分から望んだ転職ではありませんでしたが、実際に転職をしてみると、いろいろな職場の良い所、悪い所が見えてくるものだと思いました。

また、今回はハローワークに希望する転職先がなく、自分で近所の病院に電話をしてみることから始まりました。求人を出している病院は求人募集の紙が貼ってあるものですが、それがなくても面接をしてもらうことは可能なようです。ただし、詳しい待遇について自分から質問がしにくい状況になってしまいます。

実際に、給料が思っていたほどもらえなくてがっかりしました。もし、また転職しなければならなくなったら、次は転職エージェントを利用するつもりです。そして待遇面についてきちんと確認したいと思いました。

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