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先日職場で、注入食を実施する前の胃管がきちんと挿入されているか確認する項目に「胃液が確認できること」を必須としました。
気泡音は確認しており、胃液もシリンジで吸引できる方は確認してから注入食を始めていましたが、必ずしも胃液が確認できる患者ばかりではないと思います。
それでも毎食時に確認し、胃液が確認できなければ主治医、または当直医(休日・夜間)に報告して、医師が「注入して良い」と判断すれば注入できることと決まりました。
しかし、誤挿入も問題になって死亡したケースがニュースになっている昨今、そうしたルールに変わり、看護師で確認できなかったことを医師に報告し、それでも医師が診察もせず許可を出すことについて納得できません。
体位を変えたり、空気を入れたり、いろいろ工夫はしていますが、胃液確認できる方法はあるでしょうか?
胃管挿入位置の確認事項
■胃管挿入確認で苦戦することは多い
胃液じゃなくて、前回注入した、栄養液が出てくる人も居るし、全く引けない患者も確かに居ます。
胃壁に先が、くっついてしまっているのか、入れた空気も引けない時もあります。
カテーテルの先が、詰まりやすくなっている時にも、音は弱く、何も引けないという時もあります。
私も、時々、ホントに大丈夫なのだろうかと、不安になる時があります。
■胃管挿入確認が難しい場合の対応
胃液や前の栄養剤が吸引されないときは、栄養剤の注入の前に、白湯をシリンジで入れて咳き込まなければ栄養剤を注入することが、病棟の決まりです。
聴診も中心部一ヶ所でなく左右も聞いて胃の辺りが一番いい音であることを確認します。カテーテルにも印をつけているので抜けてきていないことも確認します。
いろいろな文献を調べれば、注入食の開始前の胃液分泌の促進につながる援助が見つかるはずです。たとえば、先に書いた嗅覚以外でも、リラックスできる音楽を聴かせるとか…。
胃液分泌の機序について理解できていますか?
脳相→胃相→腸相って知っていますか?
「脳相」を例にあげると、注入食前に嗅覚による刺激を与えること(迷走神経の刺激)で胃液の分泌が促進されるということなのですが…。
■何よりも安全第一
何か確信があるまでは、注入しない事にしています。
例え、きちんと挿入されていても、患者の状態によっては、逆流して、肺にドバドバ栄養液が、入ってしまう事もあります。
嘔吐する要因を、しっかりと情報収集したり、顔色や、バイタルサインのチェックも、欠かせません。
医師は、そのような観察条項も、チェックし、必要なら、診察するべきだと思います。
確実に先端が胃に入ってると分からない時は、必ず医師のオーダーでレントゲンを撮ります。
それが1番確実ではないでしょうか?
私は、朝に、注入する事が多いので、延食のまま、日勤帯に送ります。
それは、当直医に、診察してもらって、指示もらいます。
日勤帯で、レントゲンを撮るなりして、安全が確認されてから、注入しても、大差無いので、安全策として、行いません。
夕方の時でしたら、当直医の判断で、輸液の指示が出る事も、禁薬の指示が出る事もあります。
業務を行うことは、大事なことだとは思いますが、人様の命を守っていくためには、安全策が、第一ではないかと思います。
代替策が、無いわけではないことだと思います。
■患者さんへの負担も考えて
関わる以上患者に負担がかからないように接していかないといけませんね。頑張ります…。
注入食は病棟の特色によっては日々必要な看護技術のひとつですが、どの手技も神経を研ぎ澄まして実施しないといけないなと改めて思いました。
最終手段はレントゲンでの確認ですか。どのくらいの頻度なのでしょうか。定期的な交換のときの撮影は必要不可欠としても。
患者さんのカラダは機械ではないのですから、もう少し「よりそった」看護の視点から出来ることはないのでしょうか。
■マニュアル作りは慎重に
出来ない事をマニュアルにしたことが、悪かったのでは?と思ってしまいました。
なので、作った側が悪いのでは?と思ってしまいます。
出来ないマニュアルを作り、暗黙の了解でスルーすることが習慣化してしまうことは、良くないと思います。
そうすると、マニュアルは守らなくても良いという暗黙の了解が作られるからです。
関連トピック:「
経管栄養での胃液確認
」
イラスト・なしま