【老年】90歳の男性。1人暮らし。肺癌末期で病状の説明はされている。食欲不振と呼吸困難とで1週前に入院し、酸素2l/分と塩酸モルヒネを投与したが、食事がとれなくなり傾眠状態が続いていた。本日朝、脈拍100/分、血圧80/46mmHg、動脈血酸素飽和度(SpO2)85%となった。患者の意識が少し戻り「水が飲みたい」と言った。対応で適切なのはどれか。
1.点滴静脈内注射を開始する。
2.弟(家族)とともに水を口から飲ませる。
3.看護師が吸引しながら水を飲ませる。
4.誤嚥のリスクがあるので水は控えるように説明する。
―――以下解答―――
(解答) 2
<解説>
1.(×)終末期に静脈内へ水分を投与すると、浮腫や胸水貯留など患者の苦痛を増強させかねない。また患者の口渇を軽減させる効果もうすい。
2.(○)家族とともに患者の望みをかなえることは、患者と家族双方にとって満足感が得られる。湿らせたガーゼやハンカチを患者の口にあて、少しずつ水分が摂取できるように援助する。
3.(×)吸引は患者にとって苦痛が大きいため、誤嚥や窒息のリスクが高い以外は用いないようにする。
4.(×)誤嚥に注意しながら少量の水分を飲ませるのは問題ない。