【成人】58歳の男性。会社役員。妻と子どもとの3人暮らし。出勤途中の電車内で意識消失し、けいれん発作を起こして搬送された。検査の結果、脳腫瘍の疑いで入院した。半年後、残存腫瘍の増大により意識レベルが低下し、うとうとしていることが多くなった。医師から妻に、余命2、3週と説明された。妻は毎日面会に来ている。看護師に「話しかけても答えないし、何もしてあげられないのがつらい」と涙ぐんでいた。
看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1.「面会は毎日でなくてもいいですよ」
2.「そばにいてあげるだけでいいんですよ」
3.「お世話はすべて看護師がさせていただきますよ」
4.「今の状態ではあまり声をかけないほうがいいですね」
―――以下解答―――
(解答)2
<解説>
1.(×)「何もしてあげられない」と無力感を訴える妻に対して心ない発言である。
2.(○)家族だからこそ、何か特別なことをしなくても、そばにいることに意味があることを伝える必要がある。
3.(×)妻が無力感を感じないように、妻と一緒にケアを行ったり、ケアの一部を妻にまかせるなどの働きかけが必要である。
4.(×)聴覚は最後まで残ると言われている。患者は反応が返せないだけで、妻の声が届いていることを伝える。