• 公開日: 2014/1/27
  • 更新日: 2020/3/26

【連載】看護師 国家試験対策・過去問

2010年度(第99回)看護師国家試験 過去問題 午前101

【成人】60歳の男性。会社役員。10年前にC型肝炎と診断され通院治療を続けている。1ヶ月前の定期受診で肝細胞癌を指摘されTAE〈肝動脈塞線療法〉を受けることとなった。治療前の血液検査ではアルブミン2.8g/dl、AST〈GOT〉123IU/l、ALT〈GPT〉130IU/l、プロトロンビン活性〈PT%〉58%(基準80~120)であった。

TAE後に起こりうることは何か。2つ選べ。

1.プロトロンビン活性が改善する。

2.血栓が発生する危険性がある。

3.止血しづらい可能性がある。

4.蛋白質合成機能が改善する。

5.ALT値が改善する。















―――以下解答―――

(解答)2.3  

<解説>

1.(×)正常値より低いプロトロンビン値は、TAE後はさらに下がる可能性が高い。

2.(○)動脈内に造影剤、抗癌剤、塞栓物質を注入するため、その塞栓剤は血管内で溶けるのですが、血栓の危険性は高くなる。穿刺部の圧迫の合併症として、下肢虚血や大腿静脈の長時間圧迫により、下肢うっ血から血栓が形成できる可能性がある。

3.(○)プロトロンビン値が低いということで、止血が困難なことが予測される。

4.(×)アルブミンが低値であることから、TAE後にさらに蛋白合成機能は改善できない。

5.(×)通常でも一過性に肝機能悪化がみられることから、TAE前からALT高値であるため、さらに上昇する可能性が高い。通常は、治療後7~10日程度で、治療前の数値に回復することはある。

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