【成人】Aさん(28歳、女性)は、サーフィンが趣味で休日は海岸にいることが多い。Aさんは数か月前から前胸部や腕に皮疹がみられ、日焼け後の疲労も強くなり、先月からサーフィンに行くことができなくなっていた。また数週間前から関節痛、微熱、倦怠感があり、2日前から39℃台の発熱が続いたため受診した。血液検査等の結果、全身性エリテマトーデス〈SLE〉を疑われ、緊急入院になった。入院した翌朝、Aさんの倦怠感はさらに強まり、顔面の浮腫が増強し、尿蛋白3+が認められた。Aさんが両膝と足関節の痛みや、歩行時の息切れがすると訴えたので、排尿はベッドサイドで行い、それ以外は安静にするように指示された。血液検査の結果は白血球3,000/μL、血小板11万/μL、溶血性貧血が認められ、酸素投与が1L/分で開始された。
Aさんの診断に必要と考えられる検査はどれか。
1.膀胱鏡
2.腎生検
3.関節鏡
4.骨髄穿刺
―――以下解答―――
(解答) 2
<解説>
1.(×)エリテマトーデスは膀胱への病変は出現しない。
2.(○)エリテマトーデスでは、自己抗体が腎臓の組織に結合して炎症が引き起こされ、タンパク尿が出現する「ループス腎炎」が特徴的である。腎生検で病変の程度を確認する。
3.(×)関節症状も出現するが、関節鏡で関節内部を確認することはない。
4.(×)骨髄への影響はないため、骨髄穿刺は実施しない。