【老年】85歳の女性。6年前にアルツハイマー型認知症と診断され、自宅で生活していた。呼吸器疾患の既往はない。4日前から発熱し肺炎と診断され入院した。
入院時の所見で最も可能性が高いのはどれか。
顔面に著明な浮腫
粗い断続性副雑音(水泡音)
高調性連続性複雑音(笛様音)
胸郭の前後径と左右径とがほぼ等しい
―――以下解答―――
(解答)2
<解説>
1.(×)顔面の著明な浮腫は、ネフローゼ症候群や腎不全などでみられる。
2.(○)断続性複雑音(水泡音)は気道内に貯留した分泌物のなかを空気が通り抜ける「ブツブツ」という音であり、肺炎・慢性気管支炎・気管支拡張症などでみられる。
3.(×)連続性複雑音(笛声音)は、気道狭窄によるピーピー、ヒューヒューという高い音であり、主に気管支喘息の際に聴取される。
4.(×)胸郭は通常、前後径より左右径の方が大きい。前後径・左右径が等しくなるのは肺気腫患者に特徴的である。