みなさんは、海外の看護師事情を覗いてみたいと思ったことはありませんか? 日本と海外の看護の違いに興味がある、海外で活躍する看護師をめざしたいという人は少なくないようです。そこで、自身の経験と調査をもとに、アメリカの医療や看護師に関するトピックをお伝えします!
休憩時間はなかなか取れないもの?
今回は、休憩時間のおはなしです。
日勤帯の休憩時間は、2つのグループ(前半・後半)に分かれて、11:30~13:30 の間に交代で1時間ずつ取るのが、日本では一般的ではないでしょうか?
仕事が終わらず休憩になかなか入れない、患者さんの昼食が重なるこの時間に、看護師がフロアから半数近くいなくなって手が足りない、という経験をしたことがあるのではないでしょうか。
今回は、アメリカの看護師の休憩の取り方をご紹介します。
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看護師:患者の比率を徹底して守る休憩時間の仕組み
こちらに、日本とは異なる休憩時間の特徴をまとめました。
- 休憩1時間は、15分・30分・15分の3回に分けて取る。
- 休憩は、グループに分けず、個人単位で取る。
- チャージナース(病棟責任者)が看護師の状況をみて休憩時間を判断する。
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病院によっては、“ブレイク ナース”(break nurse)という職種も存在する。
これは病棟ナースが休憩に入るための申し送り受けを専門とした職種。
この方法は、「患者の安全を第一に考え、看護師 : 患者比率を徹底して守る」という考えからきています。
そしてもう1つ、アメリカでは、患者さんの安全と質の高いサービスを提供するために、まずサービスを提供する看護師の心身の健康保持に重点が置かれます。常に過度のストレスにさらされる看護師の確実な休憩時間の確保は、患者さんの安全と同じくらい重要に捉えられているのです。
労働環境からみると、やはり日本はかなり自己犠牲に頼り、遅れているように思います。日本にもこうした認識が早く浸透するといいですね。
次回は、「申し送り」のおはなしです。