エッセイ

30代看護師が安心して定年を迎えるために必要なお金の準備とは?

2020/5/4

30代は様々な面でお金の心配が絶えない年代です。目の前に結婚・出産・育児・マイホーム購入といった出費が多いライフイベントが控えている上に、老後資金の準備も気になるところ…

今回は30代看護師がライフイベントを乗り越えて安心して定年を迎えるためのお金の準備について解説します。

 

30代はライフイベントの支出が多い!

30代では多くのライフイベントを迎えがちです。主なライフイベントに伴う出費を見てみましょう。

■結婚にかかる平均的な費用
【461.8万円】*1
これは婚約~結婚式~ハネムーンにかかる平均的な費用です。 結婚式は夫婦の予算やこだわりに応じて金額が大きく変わります。 晩婚化が進んでおり、日本人の平均初婚年齢は男性31.1歳、女性29.4歳です。*2 30代での初婚が当たり前になってきています。

■平均的な出産費用
【50.6万円】*3
これは出産の際に医療機関で必要となる費用です。 新生児を迎えるための準備には別の費用がかかります。 第一子出産時の母親の平均年齢は30.7歳です。 結婚同様に30代での第一子出産が当たり前になってきました。*4

■平均的な育児費用
【2,683~4,218万円】*5
大学卒業までの22年間の子供の生活費と教育にかかる費用の平均です。 どこまで進学するかや、進学先によっても、金額は大きく変わります。 一度に大金を準備する必要はありませんが、計画的に準備を進めなければなりません。

■マイホーム購入にかかる平均的な費用*6
マイホームは新築か中古、住宅の種類によって以下のように平均的な費用が変わります。 【マンション:4,437万円】 【中古マンション:2,983万円】 【土地付き注文住宅:4,113万円】 【中古戸建:2,473万円】 大金が必要となるので住宅ローンを利用するのが通常です。

 

定年後までに貯めておきたい金額は?

「老後2,000万円」という言葉が以前話題になりました。 これは金融庁の報告書で夫婦の老後資金に2,000万円が必要であるとされたものです。家族構成や生活水準、持ち家の有無、厚生年金により必要な老後資金は変わってきますが、一つの目安にしておくと良い数字でしょう。

老後資金は資産運用で準備しましょう。資産運用とは、資産(現金・株式・不動産など)を管理し、増やしていくことです。資産運用の基本は「長期運用」であり、運用期間を長く取れる30代看護師はとても有利と言えます。また、分散投資・積立投資も資産運用ではとても大切です。「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」は国が推奨する資産運用方法です。 老後資金準備での活用を検討してみましょう。

 

ライフステージ別、貯蓄額の平均と中央値*7

同年代の人たちがどれくらい貯蓄しているのか気になりますよね。 しかし、なかなか話題にする機会はないでしょう。30代の貯蓄額の平均と中央値をご紹介します。

■30代単身世帯の貯蓄
【平均額:327万円】【中央値:40万円】
約半数の30代単身世帯の貯蓄額が中央値の40万円以下であることがわかります。その中でも39.7%が貯蓄ゼロ世帯です。一方で平均額は327万円であり、30代単身世帯は格差が大きいことがわかります。しっかり貯めている人と、すべて使ってしまい全く貯めていない人に分かれているのです。

■30代二人以上世帯の貯蓄
【平均額:660万円】【中央値:382万円】
同じ30代でも二人以上世帯の場合は平均額、中央値ともに金額が大きくなっています。貯蓄ゼロ世帯も17.5%とグッと減っており、ライフイベントに備えた貯蓄を進める世帯が多いことがわかります。

一部の飛び抜けた世帯が平均額を押し上げている可能性もありますので、参考程度にしておくのが良いかもしれません。

 

お金まわりの状況を整理しておきましょう

お金の準備を始める前に必要なのが「整理」です。
ライフイベントごとの費用を紹介しましたが、すべての準備が必要なわけではありません。自分の状況に当てはめて、何歳までにいくら準備しておきたいか紙に書き出してみましょう。

老後資金も同様です。
そもそも生涯現役として働き続けられた場合、老後資金は必要ありません。 自分が何歳まで働くつもりで、年金はいくらもらえて、不足する生活費のためにいくら貯めておきたいかを把握しておきましょう。

自分の毎月の収支が把握できていない人はこの機会を逃さずに家計簿をつけてみましょう。毎月の支出をしっかり把握できないと貯蓄の計画が立てられません。毎月いくら貯蓄に回すと、ライフイベントに必要なお金を準備できるか計算してみましょう。最近は便利な家計簿アプリもありますので活用してみてくださいね。

 

「ライフイベントに備える貯蓄」と「老後を見据えた資産運用」を同時に行う

ライフイベントに備えた貯蓄と同時進行で老後を見据えた資産運用も行わなければなりません。なぜなら、資産運用は早く始めるほど有利になるからです。また、ライフイベントに備える貯蓄と老後資金は別の口座や資産で管理しましょう。資産運用にはリスクがつきものです。使う時期や金額が決まっているライフイベントに備える貯蓄はしっかりと確保しましょう。まだまだ時間がある老後資金は金融商品を利用し、リターンを狙うのがおすすめです。

定年を先延ばしにできるキャリアプランを考える

30代看護師が安心して老後を迎えるための最大の準備は、「定年を先延ばしにできるキャリアプラン」を考えることです。労働による収入が確保できていれば数千万円の老後資金は必要ありません。定年後におすすめのキャリアプランをご紹介しますので参考にしてみてください。

■管理職
管理職には看護師として長年働いて培った知識や経験、そして職場の信頼が必要です。所属部署だけでなく病院経営も視野に入れた働き方が求められます。 現場でカラダを動かすことよりも、看護師を統括・育成し職場環境の改善や管理することがメインとなるので体力面での負担は小さいです。 管理職を目指す場合は同じ職場で働き続けるほうが有利と言えるでしょう。

■教員
看護師として培った知識や経験を大学や専門学校で活かすキャリアプランもあります。教育だけでなく自身の専門領域に関する研究や社会貢献も業務の一環です。看護教員の求人には一定の臨床経験や学歴が求められる場合があるので準備していきましょう。

■高齢者施設
デイサービスや老人ホームなどの高齢者施設は定年後の看護師の求人が多いです。高齢者と年代の近い看護師はコミュニケーションが取りやすく重宝されます。病棟ほど体力を要する職場は少ないですが、おむつ交換や食事介助といった基本的な介助を行う体力は必要です。

他にも60歳以上の求人は探してみると意外と見つかります。 年齢に関わらず働き続けられるキャリアプランを想定して情報収集してみましょう。

 

参考文献

*1 ゼクシィ.”相場から自己負担金、支払い時期まで分かる【「結婚式のお金」基礎知識】”(参照 2020-3-20)
*2 厚生労働省.”平均初婚年齢”(参照 2020-3-20)
*3 国民健康保険中央会.”正常分娩分の平均的な出産費用について(平成28年度)”(参照 2020-3-20)
*4 内閣府.”出生数、合計特殊出生率の推移”(参照 2020-3-20)
*5 mattoco Life.”子育て費用は総額でどれくらいかかるのか”(参照 2020-3-20)
*6 住宅金融支援機構.” 2018年度 フラット35利用者調査”(参照 2020-3-20)
*7 金融広報中央委員会.”家計の金融行動に関する世論調査”(参照 2020-3-20)

この記事を書いたのは

看護師FP:しまづ 看護師として働く中で、お金の知識がないと時に自分や大切な家族の生活を脅かすことを実感し、ファイナンシャルプランナーの資格も取得。みなさんのお財布の健康を守るお手伝いをさせていただきます!

イラスト・まえかわしお

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