先輩から直接指導していただいているときよりも、先輩から離れた後に「あのとき、自分はなんて素晴らしい指導を受けていたんだろう」と実感することがあります。
今回は、先輩から学んだことを現在の看護に生かしている、蹴球ママさんのエピソードをご紹介します。
先輩が大切にしていたこと
14年間外来に勤務していた中で、一番厳しかった先輩ナース。
その方は今までにICU,OPE室、血管撮影室、そして救急室と特殊なあらゆる部署を経験して来られ、40代後半で正看護学校に入学し、現在に至る方でした。
救急室の物品配置も、誰が入っても使いやすいようにと隅々にまで気を配り、自分にも厳しく、わからないことはとことん調べ、学習されていて、ノートには切り貼りした資料がびっしり。ちょっとした分厚い本くらいの厚さになっていました。
「患者さんへ対応するときは気配りをする」「5S(整理・整頓・しつけ・掃除・清潔」を大切にされている方でした。
「患者さんにとっては生活の場」
外来から病棟に異動し、感じたのは「介護士まかせ」のことが多いということ。ゴミ集めなども「介護士さんがしてくれるから」と、看護師がやらないことも多くありました。
でも、看護師がそれぞれの受け持ちの部屋の机を少し拭くだけでも、環境は大きく変わります。
自分ができることから少しずつ始めて、病棟をもっと良い環境にしたい…外来で、先輩に口を酸っぱくして言われていた「患者さんにとっては生活の場」という言葉が、自分のものになっていたのだということを、今感じています。
患者さんにとって、病棟は「生活の場」。対応等に追われ、環境整備は助手さんや介護職員にお任せしてしまいがちですが、なぜそのケアが必要なのかについて、自分自身振り返りたいと感じた、蹴球ママさんのエピソードでした。