テーマ:患者さんと「通じ合えた」と思えた看護ができたとき
思春期の困難さ
インスリンの自己中断、暴飲暴食に…
1型糖尿病の中学2年の男児。小学生の時に診断され、以降自己血糖測定、インスリン注射を行っていました。
しかし中学に入学してしばらくして思春期に入り、暴飲暴食を繰り返し、インスリン注射などもやめてしまいました。
またそれが原因で親ともけんかをし、親とはいっさい口をきかなくなり、親もどう接したらよいのかわからずにいたとのことです。
うるさいと言われても。無視をされ続けても。
そんなある日、重度の糖尿病性ケトアシドーシスで運ばれてきて即緊急入院となりました。
こちらが話しかけても首をたてにふったり、横にふる程度。
病識がないのならそれを説明して理解をしてもらい、注射を続けるよう説明もできますが、今回は病識もあるだけに、それでは解決になりません。
なんとか彼の心を開きたいと思い、うるさいと言われても、無視をされ続けてもベッドサイドへ足を運び続けました。
話すことがない時はテレビを一緒にみるだけの空気や時間を共有するだけの時もありました。しかし実際、彼は思いを話してくれたこともなく、これが看護になっているのか、あっているのかもわかりませんでした。
彼が代わったきっかけは、私の〇〇!?
そんなある日、私がその時病棟で流行していたインフルエンザにかかり、5日ほど休みを余儀なくされてしまいました。
ようやく解除され、次に出勤した時、彼はなんと自己で測定や注射を行っていました。
なぜ自分でしようと思ったのか聞くと「○○さん(私)が全然きてくれなくなったから見捨てられたと思った。これからは帰っても自分でがんばる」と言ってくれた時は涙がでるくらい、嬉しかったです。