テーマ:結婚・出産・介護…それでもNsを続けた理由
主人の病気
夫がガンと診断されて
新人ナースの時に、主人が精巣がんと診断。
しかも7,5㎝で 転移も可能性が大きいステージⅢと説明を受けて本当に目の前が真っ暗になりました。
自分で無くてやはり伴侶の がん宣告は 受け入れがたいものがあります。
短期間で腫瘍が急激に大きくなったと主人が医師に説明しているのを聞いていて、その事に気が付かなかった自分を責め、また手術で切除したけれどその後の定期的な検査や抗がん剤治療を拒んでいる主人に対して、そして必要性を説明しても受け入れてもらえない事に対して、妻として看護師として情けない自分。
先輩の一言で…
仕事に追われていて、主人に構わなかった事に対する後悔。
子どもがいない私たちなので、たった一人の大切な家族である主人が心配で心配で…泣いてばかり。
それでも歯を食いしばって看護師を続けていたら、先輩が声をかけて下さり、そして私の思いを聞いてくださいました。
そこで先輩の一言『それは、あなたの思いでしょう。先ずはご主人の気持ちを受け止めてあげてみるのが大切』と話してくださいました。
自分こそ正義と思っていた私が 先輩のアドバイスで 我に返り主人の気持ちを確かめました。
『毎月検査して自分はがん患者と不安を持ったまま生活したくない。忘れて生活したい。抗がん剤治療もしたくない。』と。
検査や治療の必要の理解を患者さんに伝えている看護師の私ですが苦しいけれど主人を受け入れました。
そして、主人との時間も大切に持ちながら看護師の仕事も頑張りました。
私を救ってくれたあの一言
生きる気力も無い自分を仕事は私の支えにもなってくれました。
あれから、6年。主人は、がんで有ることをすっかり忘れて生活、つまり生存しています。
あのときの痛み辛さは和らぎつつある毎日。
正解は、分からないけれどあのときの先輩の一言で、私は救われたし仕事にも結局、支えられたと思います。
●執筆●さくら
さん
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