外国人患者さんに英語で対応できる? アメリカの医療現場で実際に使われている、患者さんにもすんなり伝わる簡単な医療英語をマスターしよう!
患者さんに一番近い存在の看護師は、「今日はどうされましたか?」から始め、症状を聞いて患者さんに起こっている健康問題の把握を行います。外国人の患者さんに対してもコミュニケーションを通して主観的情報を収集し、客観的情報と合わせて全身状態を把握することが必要ですね。
そこで、これだけは知っておきたい! 呼吸器症状の聴取に必要なフレーズを紹介します。
症状の把握には、OLDCARTを用いて問診を行います。
OLDCARTとは、Onset(発症)、Location(症状のある部位)、Duration(症状のある持続時間)、Character(症状の性質)、Aggravating/Alleviating factor(増悪/軽減要因)、Radiation(症状の広がり)、Timing (症状がいつ起こるのか)の頭文字をとった症状のアセスメントツールです。
前回に続き、以下の事例にそって呼吸器症状の把握に必要なフレーズを紹介します。
事例:60歳女性・1週間前から湿性咳嗽と鼻水が出現し、市販薬で様子を見ていたが改善しなかった。2~3日前から労作時の息れと呼吸困難が出現し、右胸が痛くなりはじめたため来院した。
本日のフレーズ
「何かで咳がひどくなることはありますか? 例えば、寝ているときや仕事中はどうでしょうか。
何かで咳が楽になることはありますか? 例えば、横になったり、水分をとったりはどうでしょうか」
咳について詳しく尋ねていきます。咳の増悪・軽減要因(Aggravating/Alleviating factor)について確認しましょう。「夜に咳がひどくなって眠れない」と言う人も少なくはありません。質問だけではなく、患者さんが答えやすいように「例えば……はどうでしょうか?」と具体的な例も加えられるといいでしょう。