• 公開日: 2014/1/6
  • 更新日: 2020/3/26

【連載】ナースに英語は必要かしら?

第3回 英語教育の落とし穴

国際化の時代、看護師にも英語は必要でしょうか? 移住者や観光客が増えているから、というのはもちろん、実はそれ以上に、看護師に英語が必要なワケがあるのです。看護師と英語の深ーい関係を、英語教育の現状に触れながら、解き明かしていきます。


語力=知力の勘違い

「英語ができたらかっこいい」「英語ができたらもてる」「英語ができたらすごい」など、英語はいつからこうした憧れの対象となったのでしょうか?

世界の4人に1人が使用する英語は、世界の共通言語という枠を超え、今やよりよい高等教育を受けるための門番となりつつあります。

「英語ができないと希望の学校に入れない」

こうした受験生にのしかかる教育現場の現状が、「英語ができる=優秀」という方程式を生み出したのかもしれません。

しかし、ここで注意すべきは、“英語が話せることと、その人の知力は無関係である”ということです。

日本語で書かれた算数ができなければ、英語で書かれた同じ問題も解けるはずがないように、英語力と問題解決力は全くの別物です。英語というのは、あくまで言語であり、言語とは自分のアイデアや意見、技術や能力を表現する意思伝達の手段です。 
<!–readmore–>


語力・知力の基盤は母国語

過熱する英語教育で一番怖いのは、「早ければ早いほどいい」という親の気持ちの押し付けから、母国語の獲得と英語の学習を混同し、日本語も英語も中途半端になることです。

これは、可能性を広げるどころか、住むところも働くところも非常に制限する結果を招きかねません。

英語は、確かに将来の可能性を広げてくれるかもしれません。しかし、この可能性は私たちが日本人として第一言語である日本語、そして基礎教養という知識の基盤を身に付けて、初めて成り立つものであることを忘れてはいけません。

次回は、英語ビジネスと挫折についてです。

関連記事