エッセイ

ナースのちょっとイイ話

心身の苦痛軽減になった、「小さなケア」とは…

2015/9/5

テーマ:患者さん・その家族からの「忘れられない一言」

亡くなる前の口腔ケア

koku

ターミナルで、最小限の治療を望んだ患者さん

ターミナルステージの患者さんの家族から、その患者さんが亡くなられた直後に言われた言葉が忘れられません。
その患者さんは、最小限の治療を望んでいたため、イレウスでしたがマーゲンチューブの留置は拒否されていました。そのため日に1回は嘔吐をしていました。
便臭のある吐物です。

亡くなる前日に行った「口腔ケア」

亡くなる前日、嘔吐の刺激にならないよう注意しながら、口腔ケアをしましたが、ケア中に嘔吐をしてしましました。
嘔吐したあとはスッキリするようで、嘔吐がおさまった後、再度、丁寧に口腔ケアを行いました。
歯も白くピカピカになりました。「ありがと。さっぱりしたよ」と笑顔で言ってくださいました。
翌日、昼から出勤すると、その患者さんはお亡くなりになり、これから死後の処置に入るところでした。

口腔ケア自体は小さなケアだけど

そこに、奥様が居ました。
奥様は私の顔を見るなり「昨日はありがとうね。口の中が気持ち良くなったって喜んでいたのよ。最後にきれいにしてもらって幸せだったと思います」と、まだ涙も乾いていな顔で、笑顔で声をかけてくれました。
口腔ケアが、こんなにも気持ち良いと思ってもらえたなんて!ナースやってて良かったと思えた一言です。
そして、決して元気になって退院できる方ばかりではない病院。
寝たきりで禁飲食の方にとって、この小さなケアが心身共に苦痛の緩和になっていたと感じました。

●執筆●ムー民 さん

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