• 公開日: 2014/1/6
  • 更新日: 2020/3/26

【連載】月刊 小林光恵新聞

月刊 小林光恵新聞【第11号】アイスクリーム専門店を次の院内出店候補に!

看護師、出版社編集者を経てフリーの著述家に。看護の経験を活かした作品を中心にリリースしている。『おたんこナース(原著、小学館)』、『ドラマ・ナースマン(原案小説、角川書店)』『エンゼルメイクQ&A(医学書院)』など。
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今月は、アイスクリーム専門店を次の院内出店候補に!と、「突撃! ナースの帰省⑪」をお送りします。

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小林光恵の視点

病院内に大手コーヒーチェーンの出店がはじまったのは10年くらい前からでしょうか。

ドトール、スタバ、タリーズあたりのいずれかが入っているところが増えている気がします。

私がときどき受診する大学病院には、スタバとタリーズの二つが入っており、会計の計算ができあがるまでの待ち時間などによく利用しています。番号札をもらったら、電光掲示板でだいたいの待ち時間を予測して、コーヒーショップのほかに銀行のATMや売店にも寄ったりするので、とても混んでいて待ち時間が少なくなくても、最近はストレスを感じることはありません。

また、コーヒーの香りがただよう中、患者やその家族や病院職員がまざってコーヒーを買う光景には穏やかな空気に包まれていて心和みます。

医療施設へのコーヒーショップの出店は、

  1. 患者の療養環境の向上
  2. 職員の福利厚生

がおもな目的だと思われますが、その二つを達成していると言っていいでしょう。

ただ、コーヒーショップの利用者の割合としては、

  1. a 入院患者のみなさん
  2. b 外来の患者さんたち
  3. c 患者さんのご家族・関係者のみなさん
  4. d 職員

と、分けて考えると、aの入院患者のみなさんは、病状や年齢や嗜好などの関係で、ほかのb・c・dの方たちに比べて少なめなのではなかいと想像するのです。

aのみなさまの利用の割合がb・c・dより多くなるのではないかと考えているものが、アイスクリームです。

次のような言葉はスタッフステーションでよく聞かれますね。

「アイスクリームだけ3口ほど召し上がったそうです」

「アイスなら喉をとおりそうだ、とおっしゃったようで」

アイスクリームは、子どもから高齢者まで好きな人が多く、療養するようになって好きになった人という人もいますね。

また、子どものころに制限されたなどの記憶から「思う存分食べてみたい」というあこがれのような思いを抱いている場合もあるでしょう。ダイエットにもおおむね禁断の食べ物です。ですから好きな人にとっては制限付きの食べ物という印象が強いかもしれません。

そんなアイスクリームを活用して、「アイスクリーム療法」を考案・実践している医師がいます。 介護老人保健施設で、入所の高齢者にアイスモナカをおやつや代用食に活用してADLのアップにつながったなどの調査結果を「アイスクリーム療法を試みて」と題してネット上にアップしている介護福祉士の方がいます。今後は、医療・介護分野におけるアイスクリームの活用がさらに話題になっていくのかもしれません。

目下、アイスクリームは売店で売っています。それも、需要に応じて種類も豊富ですね。

しかし、やはり、売店のコーヒーとコーヒーショップのそれとが違うように、専門店のアイクリームにはその味わいがあるのです。

面会に来た人に車椅子を押してもらい、アイスクリームショップに行って、いろんな種類の中から選び、コーンで食べることもできる楽しさ。あるいは、ベッド上でメニューを見て選び、好きなのを注文できるたのしさ(病室に配達してくれるシステムあればうれしい)。

ごく少量でも注文ができるグラム売りや、ジェラードも選べたらなおうれしいですね。

ネット検索してみると、実は世界的大手チェーン、サーティワンアイスクリームが2013年6月に病院に初出店しています。他の病院でも、ぜひ検討してみてほしいです。

イラスト

突撃! ナースの帰省⑪

帰省。帰郷。里帰り。

この三つの言葉を、私は同義語としてアバウトに使用してきましたが、意味合いにかなり違いがあるようですね。

広辞苑 第六版を確認してみると、次のような解説がされています。

【帰省】

故郷に帰って、父母の安否を問うこと。故郷に帰ること。〈夏の季語〉。正岡子規、筆まかせ「本年夏期―してー昨年と変わりたるものゝ著きものをあぐれば。」「帰省ラッシュ」

【帰郷】

故郷へ帰ること。「正月には―する」

【里帰り】

  1. 結婚後、新婦が初めて生家に行く儀式。婚礼後、3日目または5日目に行うところが多い。さとびらき。
  2. 他家に奉公する者が生家へ一時的に帰ること。さとくだり。
  3. 結婚している女性が実家へ一時帰ること。

というわけで、このコラムのタイトルの「ナースの里帰り」は、響きがいいように思い命名したのですが、適当ではないので、いまさらで恐縮ですが今回からは「ナースの帰省」に変更したいと思います。おさわがせすることをお詫び申し上げます。

帰省の「省」には「省みる、よく見る」という意味があります。もともとは、親元を離れている子どもが、故郷に帰って両親の安否をたしかめることが「帰省」だったようです。

その本来の意味の帰省を実践している方を、今回のイラストではご紹介したいと思います。お母様が入所している施設を訪ねる形の帰省。考えてみれば、現在、少なくない形の帰省かもしれませんね。

また、高齢者が入所する施設に勤務している場合には、その勤務先に入所者のご家族が帰省するということもあるわけですね。

突撃! ナースの帰省⑪イラスト


いかがでしたか? 来月号もお楽しみに!

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