前回に引き続き、ALSを発症した利用者さんのケースをご紹介します。
1日2回訪問することも
現在、Aさんは人工呼吸器を装着しているため、ケアプロの訪問看護を週6日受けている。装着した当初は、2人暮らしの高齢の妻が機械に対する不安を訴え、1日2回訪問することもあった。
また東京女子医科大学病院から退院したばかりの頃は、口元に運べば食事もできていたが、今は中心静脈栄養に頼っている。在宅療養を整えるためには、介護する家族とともにさまざまな医療スタッフの介入が必要となる。
生活と体を見守る訪問看護師
まずは大学病院入院時の主治医と、地域で診察する近所のかかりつけ医。難病指定を受けているので、地域の保健師も介入している。ケアマネジャーがいて、生活援助のヘルパーとともに障害部分を担うヘルパーも入っている。
ちょっと前に、利用者さんの肺に痰が詰まり過ぎて酸素濃度が低下するトラブルになったことがある。そこでケアプロの訪問看護師が、妻やヘルパーに痰の吸引指導をしたのだ。生活と体を見守る訪問看護師は、利用者さんの在宅療養を支える医療チームの中心にあることを実感したのである。