第104回看護師国家試験に向けての一斉模試を、ナース専科の国家試験対策アプリ上でおこないました。1月29日の模試問題の一覧を公開します。次回の模試は2月5日におこないますので、看護学生の方はぜひご参加ください。アプリ上で模試に参加すると卒業年別の平均点がご覧いただけます。
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※Android版は2月以降に模試の機能を追加予定です。
1月29日看護師国家試験一斉模試問題
■我が国の平成19年(2007年)の45~54歳の通院者率が最も高いのはどれか。
1.腰痛症2.高脂血症
3.高血圧症
4.胃・十二指腸潰瘍
【正解】3
中年以降の疾患として高血圧症、高脂血症、糖尿病などがあるが、通院者率が最も高いのは高血圧症である。
■状況的危機はどれか。
1.就職2.交通事故
3.定年退職
4.子どもの結婚
【正解】2
状況的危機とは、失業、離婚、別離などの社会的危機や、火災、地震、暴動などの偶発的な危機を含む。予期できないできごとによって身体的・心理社会的に安定した状態が脅かされることをさす。
■VDT(VisualDisplayTerminals)機器の作業で適切なのはどれか。
1.一連続作業時間は2時間を超えないようにする。2.作業と作業の間には5分間の作業休止を設ける。
3.ディスプレイとは40cm以上の視距離が必要である。
4.背もたれのない作業用椅子で背筋を伸ばす姿勢がよい。
【正解】3
1.(×)一連作業時間が1時間を超えないようにする。
2.(×)作業と作業の間に10~15分の作業休止時間を設ける。
3.(○)ディスプレイはおおむね40cm以上離し、この距離で見やすいように必要に応じて眼鏡等で矯正する。
4.(×)椅子は背もたれがあり、しかも傾きを調節できることが望ましい。
2.(×)作業と作業の間に10~15分の作業休止時間を設ける。
3.(○)ディスプレイはおおむね40cm以上離し、この距離で見やすいように必要に応じて眼鏡等で矯正する。
4.(×)椅子は背もたれがあり、しかも傾きを調節できることが望ましい。
■手術後に発症する肺血栓塞栓症で正しいのはどれか。
1.離床数日後の発症が多い。2.発症しても死亡はまれである。
3.高熱をもって発症する。
4.予防のための弾性ストッキングは手術直後から着用する。
【正解】1
1.(○)肺血栓塞栓症は離床後の発症が多い。
2.(×)発症すると死亡率が高い。
3.(×)発熱は伴わない。胸痛や呼吸困難が出現する。
4.(×)手術中より弾性ストッキングを装着し、血液循環の悪化を防ぐ。
2.(×)発症すると死亡率が高い。
3.(×)発熱は伴わない。胸痛や呼吸困難が出現する。
4.(×)手術中より弾性ストッキングを装着し、血液循環の悪化を防ぐ。
■膵臓癌で膵頭十二指腸切除術後1日に挿入されているチューブとその目的の組み合わせで正しいのはどれか。
1.胃管ー栄養補給2.硬膜外チューブー髄圧測定
3.腹腔内ドレーンー腹腔内洗浄
4.中心静脈カテーテルー中心静脈圧測定
【正解】4
1.(×)胃管の目的は、吻合部の減圧による縫合不全の予防、出血の有無の観察、術後の嘔吐や誤嚥の予防などである。
2.(×)硬膜外チューブは術後の疼痛管理を目的として挿入される。
3.(×)腹腔内ドレーンは、腹腔内に貯留した膿汁や血液などの排除に用いられる。
4.(○)膵頭十二指腸切除術は手術侵襲の大きい手術であり、術後は中心静脈圧の情報から循環機能をアセスメントすることもある。中心静脈圧の測定に中心静脈カテーテルは有用である。
2.(×)硬膜外チューブは術後の疼痛管理を目的として挿入される。
3.(×)腹腔内ドレーンは、腹腔内に貯留した膿汁や血液などの排除に用いられる。
4.(○)膵頭十二指腸切除術は手術侵襲の大きい手術であり、術後は中心静脈圧の情報から循環機能をアセスメントすることもある。中心静脈圧の測定に中心静脈カテーテルは有用である。
■嘔気・嘔吐が強く出現する抗悪性腫瘍薬はどれか。
1.シスプラチン2.ブスルファン
3.ブレオマイシン
4.ビンクリスチン
【正解】1
1.(○)シスプラチンは嘔気・嘔吐の副作用が強い。他に腎毒性がある。
2.(×)ブスルファンは骨髄抑制の副作用が強い。
3.(×)ブレオマイシン特有の副作用は肺線維症である。
4.(×)ビンクリスチン特有の副作用は神経毒性(手足のしびれ、麻痺性イレウス)である。
2.(×)ブスルファンは骨髄抑制の副作用が強い。
3.(×)ブレオマイシン特有の副作用は肺線維症である。
4.(×)ビンクリスチン特有の副作用は神経毒性(手足のしびれ、麻痺性イレウス)である。
■ノーマライゼーションの考え方で適切なのはどれか。
1.障害の有無を比較しない社会にする。2.障害のある人が優遇された社会にする。
3.障害のある人は障害のない人に頼らず生活できる。
4.障害の有無にかかわらず地域のなかでともに生活する。
【正解】4
1.(×)傷害の有無の比較が問題ではなく、障害があることによる生活の不自由さを解消する社会にすることが目指される。
2.(×)障害のある人もそうでない人も、対等な関係を生み出すことをめざす。
3.(×)「新しい自立観」は、障害のない人に頼らず生きていくのではなく、「他者の援助を受けながらも主体的・自立的に社会参加すること」をさしている。
4.(○)地域のなかで対等な関係を築きながら共存することが、ノーマライゼーションの考え方である。
2.(×)障害のある人もそうでない人も、対等な関係を生み出すことをめざす。
3.(×)「新しい自立観」は、障害のない人に頼らず生きていくのではなく、「他者の援助を受けながらも主体的・自立的に社会参加すること」をさしている。
4.(○)地域のなかで対等な関係を築きながら共存することが、ノーマライゼーションの考え方である。
■特定疾患治療研究事業の対象疾患はどれか。
1.潰瘍性大腸炎2.慢性骨髄性白血病
3.ヒルシュスプルング病
4.重症急性呼吸器症候群(SARS)
【正解】1
特定疾患治療研究事業は難病患者の医療費の助成制度である。45疾患がこの制度の対象だが、そのひとつに潰瘍性大腸炎がある。
■拘束性換気障害を引き起こす疾患はどれか。
1.喘息2.肺気腫
3.肺線維症
4.慢性気管支炎
【正解】3
拘束性換気障害とは、肺実質の周囲の胸膜や間質、胸郭、筋肉等の異常によって肺が膨らませられなくなった状態で、肺活量比の低下が特徴的である。
■喘息のため吸入用ステロイド薬を使用する患者への説明で適切なのはどれか。
1.吸入前に最後まで息を吐き出してから吸い込む。2.吸入した実感があるまで数回噴霧する。
3.吸入後はうがいをする。
4.発作が起こりそうな時に使用する。
【正解】3
1.(×)最後まで息を吐き出すのは困難である。
2.(×)規定回数以上は噴霧しない。
3.(○)吸入用ステロイドは副作用として免疫抑制があるので、吸入後はうがいを行う。
4.(×)吸入用ステロイドは気道の炎症をとり、発作が起こらないように予防的に用いることが重要である。
2.(×)規定回数以上は噴霧しない。
3.(○)吸入用ステロイドは副作用として免疫抑制があるので、吸入後はうがいを行う。
4.(×)吸入用ステロイドは気道の炎症をとり、発作が起こらないように予防的に用いることが重要である。
■ホルター心電図検査の説明で適切なのはどれか。
1.「普段通り入浴できます」2.「性生活の制限はありません」
3.「胸部に12個電極を貼ります」
4.「皮膚に違和感があれば電極を貼り替えて下さい」
【正解】2
1.(×)ホルター心電図の記録機は衝撃に弱く、耐水性もないため入浴はできない。
2.(○)日常生活下で心電図を24時間装着する。性生活の制限はない。
3.(×)ホルター心電図の誘導は胸部に5カ所である。
4.(×)一度電極を装着したら、24時間後にはずすまで電極を貼り替えられない。
2.(○)日常生活下で心電図を24時間装着する。性生活の制限はない。
3.(×)ホルター心電図の誘導は胸部に5カ所である。
4.(×)一度電極を装着したら、24時間後にはずすまで電極を貼り替えられない。
■冠状動脈造影検査で穿刺に最も多く用いるのはどれか。
1.総頸動脈2.橈骨動脈
3.尺骨動脈
4.鎖骨下動脈
【正解】2
冠動脈造影検査の穿刺は大腿動脈、上腕動脈、橈骨動脈から選択される。このうち橈骨動脈は、穿刺後の止血のための圧迫がしやすいこと、出血が早期に発見できること、臥床安静の時間が短いことから、最近は橈骨動脈を穿刺することが多くなってきている。
■急性心筋梗塞で,緊急に左大腿動脈から経皮的冠状動脈内血栓溶解療法(PTCR)を受けた患者が,2時間後に「あおむけに寝ているから腰が痛い」と訴えた。穿刺部位からの出血はなく,バイタルサインは安定している。正しいアドバイスはどれか
1.膝の屈伸運動を促す。2.穿刺部位の圧迫を除去する。
3.腰部にバスタオルを入れる。
4.ゆっくり側臥位になるよう促す。
【正解】3
1.(×)穿刺部位からの出血の危険性があるため膝の屈伸運動は行わないよう説明する。
2.(×)穿刺後は医師の指示により通常6時間は穿刺部位の圧迫・止血を行い、再出血の防止につとめる。また怒責もかけないように指示する。
3.(○)心臓に負担をかけないように十分注意しながら患者の腰部にバスタオルを入れて安楽な姿勢をとらせる。
4.(×)急性心筋梗塞では原則的に24~48時間は絶対安静である。そのため側臥位にするのも禁忌である。
2.(×)穿刺後は医師の指示により通常6時間は穿刺部位の圧迫・止血を行い、再出血の防止につとめる。また怒責もかけないように指示する。
3.(○)心臓に負担をかけないように十分注意しながら患者の腰部にバスタオルを入れて安楽な姿勢をとらせる。
4.(×)急性心筋梗塞では原則的に24~48時間は絶対安静である。そのため側臥位にするのも禁忌である。
■食道癌術後10日の患者。三分粥食が開始されたが,嚥下時のつかえ感を訴え,未消化の食物を嘔吐した。手術部位に生じている状態で最も考えられるのはどれか。
1.浮腫2.はん痕化
3.縫合不全
4.逆流性食道炎
【正解】1
嚥下時のつかえ感を訴えていることから吻合部の狭窄が考えられる。このうち吻合部浮腫は食事が開始される術後10日前後に発症しやすい。はん痕化も吻合部狭窄の原因になるが、はん痕は術後3週間以降に発症する。
■胃全摘術を予定している患者に,中心静脈カテーテルを挿入した直後から呼吸困難が出現した。最も優先される検査はどれか。
1.心電図2.胸部CT
3.胸部エックス線撮影
4.上部消化管内視鏡検査
【正解】3
中心静脈カテーテル挿入直後に呼吸困難が出現したということから、カテーテルが胸膜や血管を誤穿刺し、気胸や血胸をきたした可能性がある。胸部エックス線によって肺の虚脱や胸腔内への出血等を確認する必要がある。
■大腸内視鏡検査で正しいのはどれか。
1.検査2日前から食物残渣の少ない食事を摂取する。2.検査前日の夕食後から絶飲食とする。
3.検査当日に経口腸洗浄薬を服用する。
4.検査直前に肛門周囲の局所麻酔をする。
【正解】3
1.(×)経口腸管洗浄薬の普及により、以前は必要であった低残渣食の摂取は省略されている。
2.(×)検査前日の夕食は軽めとし、その後は検査まで絶食とする。
3.(○)検査当日に経口腸管洗浄薬1500~2000mlを1時間で服用してもらう。排泄物が黄色から無色透明になったことを確認する。
4.(×)内視鏡の先端に潤滑剤を塗布するが、肛門周囲の局所麻酔は行わない。
2.(×)検査前日の夕食は軽めとし、その後は検査まで絶食とする。
3.(○)検査当日に経口腸管洗浄薬1500~2000mlを1時間で服用してもらう。排泄物が黄色から無色透明になったことを確認する。
4.(×)内視鏡の先端に潤滑剤を塗布するが、肛門周囲の局所麻酔は行わない。
■ICG検査(indocyaninegreentest)の方法で正しいのはどれか。
1.投与量は体表面積によって算出される。2.ICG静脈内注射前と2時間後の2回採血する。
3.採血と採血のあいだに500ml飲水する。
4.ICGを静脈内注射した反対側の静脈から採血する。
【正解】4
ICG検査とは、インドシアニングリーンという色素を使った肝機能の検査である。
■成人の2型糖尿病。身長160cm,体重67.0kg。BMI26.2.事務職をしている。1日の摂取量で適切なのはどれか。
1.蛋白質の摂取量に制限はない。2.糖質によるエネルギー量は全体の40%以下とする。
3.脂質によるエネルギー量は全体の15%未満とする。
4.摂取エネルギー量(kcal)=標準体重(kg)×25(kcal)である。
【正解】4
1.(×)蛋白質の摂取量は腎機能を基準として決める。
2.(×)糖質によるエネルギー量は全体の50~60%とする。
3.(×)脂質によるエネルギー量は全体の20~25%(25%未満)とする。
4.(○)糖尿病患者の適切な1日の摂取エネルギー量は、「標準体重×身体活動量」で求められる。患者は事務職なので、「身体活動量」には25~30(kcal)を入れて計算する。
2.(×)糖質によるエネルギー量は全体の50~60%とする。
3.(×)脂質によるエネルギー量は全体の20~25%(25%未満)とする。
4.(○)糖尿病患者の適切な1日の摂取エネルギー量は、「標準体重×身体活動量」で求められる。患者は事務職なので、「身体活動量」には25~30(kcal)を入れて計算する。
■甲状腺右葉切除術後1日目の患者への説明で適切なのはどれか。
1.「手指は数日しびれます」2.「今日は声を出さないでください」
3.「ネックカラーで首を固定して歩きます」
4.「むせないようにゆっくり食べてください」
【正解】4
1.(×)手指のしびれは低カルシウム血症の症状である。症状が出現したら速やかに報告するよう説明する必要がある。
2.(×)一時的な反回神経の損傷によって、発声が困難になることがある。発声を制限することはあっても、禁止までする必要はない。
3.(×)頸部の安静をはかる必要はあるが、固定までは行わない。
4.(○)一時的な反回神経麻痺や創痛、喉頭浮腫などにより術後1日目は嚥下障害を生じやすい。そのため半流動食や粥食を、ゆっくり摂取するよう伝える。
2.(×)一時的な反回神経の損傷によって、発声が困難になることがある。発声を制限することはあっても、禁止までする必要はない。
3.(×)頸部の安静をはかる必要はあるが、固定までは行わない。
4.(○)一時的な反回神経麻痺や創痛、喉頭浮腫などにより術後1日目は嚥下障害を生じやすい。そのため半流動食や粥食を、ゆっくり摂取するよう伝える。
■連続携行式腹膜透析法(CAPD)で最も適切なのはどれか。
1.入浴はできない。2.スポーツは制限なく行える。
3.低エネルギー食にする必要がある。
4.バッグ交換は通気のよい場所で行う。
【正解】3
1.(×)カテーテル周囲に感染徴候や創がないときは入浴できる。
2.(×)腹筋を圧迫したり、腹部に衝撃を与えるような運動を制限する。
3.(○)腹膜透析の場合は、透析液内に含まれている高濃度のブドウ糖の一部が腹膜を介して体内に吸収されるので、摂取エネルギーの制限が必要である。
4.(×)バッグの交換は感染が発生しない清潔な環境(空気の出入りや人の出入りが少ないなど)で行う必要がある。
2.(×)腹筋を圧迫したり、腹部に衝撃を与えるような運動を制限する。
3.(○)腹膜透析の場合は、透析液内に含まれている高濃度のブドウ糖の一部が腹膜を介して体内に吸収されるので、摂取エネルギーの制限が必要である。
4.(×)バッグの交換は感染が発生しない清潔な環境(空気の出入りや人の出入りが少ないなど)で行う必要がある。
■ベーチェット病にみられる症状はどれか。
1.真珠腫2.粘液水腫
3.はばたき振戦
4.口腔内アフタ性潰瘍
【正解】4
口腔内アフタ性潰瘍はベーチェット病患者のほぼ全例にみられる。円形の有痛性潰瘍で再発しやすい。
■アルツハイマー病で正しいのはどれか。
1.頭部CTで多数の梗塞巣を認める。2.発症年齢が遅いほど知的機能低下が著しい。
3.長期記憶よりも短期記憶の方が長く保たれる。
4.40歳未満の発症を若年性アルツハイマー病という。
【正解】4
1.(×)多数の梗塞巣は多発性脳梗塞の所見である。アルツハイマー病では脳全体の委縮がみられる。
2.(×)発症年齢が早いほど知的機能低下が著しい。
3.(×)長期記憶と短期記憶ともに障害される。
4.(○)40歳未満の発症を若年性アルツハイマー病という。
2.(×)発症年齢が早いほど知的機能低下が著しい。
3.(×)長期記憶と短期記憶ともに障害される。
4.(○)40歳未満の発症を若年性アルツハイマー病という。
■S状結腸切除後に最も起こりやすいのはどれか。
1.悪性貧血2.排尿障害
3.アカラシア
4.ダンピング症候群
【正解】2
1.(×)悪性貧血は、胃全摘術後のビタミンB12の吸収障害などが原因になって起こる。
2.(○)S状結腸を切除したり周囲のリンパ節を郭清する際に骨盤神経を損傷することがあり、排尿障害の原因になる。
3.(×)アカラシアとは、食道下部の平滑筋を支配するアウエルバッハ神経叢の変性等で、噴門括約筋の弛緩不全を生じた状態である。
4.(×)ダンピング症候群とは、胃切除により胃の貯留機能が低下し、充分に消化されない高張な食物が急激に小腸に流れ込むことで起こる。
2.(○)S状結腸を切除したり周囲のリンパ節を郭清する際に骨盤神経を損傷することがあり、排尿障害の原因になる。
3.(×)アカラシアとは、食道下部の平滑筋を支配するアウエルバッハ神経叢の変性等で、噴門括約筋の弛緩不全を生じた状態である。
4.(×)ダンピング症候群とは、胃切除により胃の貯留機能が低下し、充分に消化されない高張な食物が急激に小腸に流れ込むことで起こる。
■経尿道的前立腺切除術後1日の患者。尿流出は順調であるにも関わらず「尿が出ない」と膀胱留置カテーテルの違和感を強く訴えた。対応で適切なのはどれか。
1.鎮痛剤を使用する。2.持続膀胱洗浄の速度を速める。
3.膀胱留置カテーテルを抜去する。
4.細い膀胱留置カテーテルに入れ替える。
【正解】1
膀胱留置カテーテルの違和感は、カテーテルの刺激による膀胱けいれんである可能性が高い。膀胱けいれんでは強い疼痛を伴う場合があるため、鎮痛剤を用いて対応する。
■ダグラス窩穿刺で適切なのはどれか。
1.あらかじめ外陰部を剃毛する。2.膀胱内に尿をためて検査する。
3.砕石位で行う。
4.腰椎麻酔下で行う。
【正解】3
1.(×)ダグラス窩穿刺は膣鏡を挿入し、膣壁を十分に消毒して穿刺する。そのため外陰部の剃毛は必要ない。
2.(×)事前に排尿をさせて膀胱内を空にしてから実施する。膀胱内に尿があると、ダグラス窩が圧迫されて穿刺しにくくなる。
3.(○)
4.(×)ダグラス窩穿刺は経膣的に実施されるため、腰椎麻酔は行わない。
2.(×)事前に排尿をさせて膀胱内を空にしてから実施する。膀胱内に尿があると、ダグラス窩が圧迫されて穿刺しにくくなる。
3.(○)
4.(×)ダグラス窩穿刺は経膣的に実施されるため、腰椎麻酔は行わない。
■45歳の女性。2ヶ月前から咳そうと喀痰が出現した。最近,倦怠感も強くなったため受診した。胸部エックス線写真で左肺上葉に異常陰影を認め,精査と治療とを目的に入院した。
検査の結果,左肺上葉の腺癌と診断され,開胸左肺上葉切除術が予定された。術前肺機能検査結果は%肺活量70%,1秒率85%であった。手術前の呼吸練習で適切なのはどれか。
1.短速呼吸2.胸式呼吸
3.口すぼめ呼吸
4.間欠的陽圧呼吸(IPPB)
【正解】4
肺活量が70%で拘束性換気障害を示しているため、肺を膨張させて肺活量を増やすような呼吸訓練が必要になる。
1.(×)短速呼吸は肺を膨張させる練習ではないため適切ではない。
2.(×)呼吸運動の80%を横隔膜が担っているため、腹式呼吸の練習の方が望ましい。
3.(×)口すぼめ呼吸は、呼気時に気道の内圧を維持して気道が虚脱しないようにする呼吸法であり、肺を膨張させるための訓練ではない。
4.(○)間欠的陽圧呼吸は、器械換気装置から吸気時に5~20cmH2O程度の陽圧が肺に送り込まれるため、気管支や肺胞を拡張させる効果がある。
1.(×)短速呼吸は肺を膨張させる練習ではないため適切ではない。
2.(×)呼吸運動の80%を横隔膜が担っているため、腹式呼吸の練習の方が望ましい。
3.(×)口すぼめ呼吸は、呼気時に気道の内圧を維持して気道が虚脱しないようにする呼吸法であり、肺を膨張させるための訓練ではない。
4.(○)間欠的陽圧呼吸は、器械換気装置から吸気時に5~20cmH2O程度の陽圧が肺に送り込まれるため、気管支や肺胞を拡張させる効果がある。
■45歳の女性。2ヶ月前から咳そうと喀痰が出現した。最近,倦怠感も強くなったため受診した。胸部エックス線写真で左肺上葉に異常陰影を認め,精査と治療とを目的に入院した。
左肺上葉切除術後2日目,右肺下葉で呼吸音が聴取されない。体温37.4℃。呼吸は浅表性で25/分,血圧164/96mmHg。鼻カニューレで3L/分の酸素吸入を行い,経皮的動脈血酸素飽和度86%。胸腔ドレーンは-10cmH2Oで低圧持続吸引してる。痰がからんでいるため喀出を促したが「痛くてそれどころではない」と顔をしかめた。対応で最も適切なのはどれか。
1.酸素投与量を増やす。2.去痰薬の吸入を行う。
3.気管支鏡による気管内吸引の準備をする。
4.胸腔ドレーン吸引圧を上げる。
【正解】3
1.(×)経皮的動脈血酸素飽和度が低下しているため酸素投与量を増やす必要性があるが、その判断は医師が行う。
2.(×)低酸素血症の原因は、痰が気管支につまったことによる無気肺であると考えられ、去痰剤の吸入は必要だが、その判断は医師が行う。
3.(○)無気肺を改善するには気管支鏡による気管内吸引が必要であり、しかも緊急度が高いため、その準備を行うことは重要である。
4.(×)無気肺は胸腔ドレーンの吸引圧を上昇させても改善は見込めない。また圧の調整については医師が判断する。
2.(×)低酸素血症の原因は、痰が気管支につまったことによる無気肺であると考えられ、去痰剤の吸入は必要だが、その判断は医師が行う。
3.(○)無気肺を改善するには気管支鏡による気管内吸引が必要であり、しかも緊急度が高いため、その準備を行うことは重要である。
4.(×)無気肺は胸腔ドレーンの吸引圧を上昇させても改善は見込めない。また圧の調整については医師が判断する。
■63歳の男性。妻と2人暮らし。肝機能異常を指摘されていたが、自覚症状がなく積極的な治療を受けていなかった。最近、倦怠感があり受診したところ肝機能データが悪化しており、腹腔鏡検査と肝生検のため入院することになった。慢性心房細動のためにβ遮断薬、血栓予防のために低用量アスピリンを内服している。
腹腔鏡検査についての説明で正しいのはどれか。
1.アスピリンの内服を中止する。2.検査当日の朝は流動食を摂取する。
3.気管挿管し全身麻酔下で行う。
4.穿刺針から生理食塩水を注入して腹部を膨らませる。
【正解】1
1.(○)アスピリンは抗血小板薬である。内服継続により術中の出血量の増加や止血の遅延が考えられるため、中止する。
2.(×)検査当日は絶飲食である。
3.(×)腹腔鏡検査は局所麻酔で行う。
4.(×)腹腔鏡検査では腹腔内に2~3Lの医療用炭酸ガスを注入する。
2.(×)検査当日は絶飲食である。
3.(×)腹腔鏡検査は局所麻酔で行う。
4.(×)腹腔鏡検査では腹腔内に2~3Lの医療用炭酸ガスを注入する。
■63歳の男性。妻と2人暮らし。肝機能異常を指摘されていたが、自覚症状がなく積極的な治療を受けていなかった。最近、倦怠感があり受診したところ肝機能データが悪化しており、腹腔鏡検査と肝生検のため入院することになった。慢性心房細動のためにβ遮断薬、血栓予防のために低用量アスピリンを内服している。
精査の結果、肝硬変と食道静脈瘤が認められ、内視鏡的硬化塞栓療法が必要となった。医師から説明を受けた患者は「病気が悪くなっていくようだ。これから必要な治療についてたくさん話されてもついていけない。何のためにこの治療が必要なのかもう一度教えて下さい」と看護師に尋ねた。内視鏡的硬化塞栓療法の目的で正しいのはどれか。
1.腹水貯留の予防2.食道狭窄部の拡張
3.食道静脈瘤の出血予防
4.肝硬変部への薬剤の注入
【正解】3
肝硬変で肝臓が硬くなると、血液が門脈を経て肝臓に入りにくくなる。血液は別の経路(短絡)を経て静脈系に戻ろうとする。短絡路の血液が増加して、食道・胃静脈が拡張して瘤状になったものを食道・胃静脈瘤という。内視鏡的硬化塞栓療法は静脈瘤に硬化剤を注入して出血を防ぐ方法である。
■63歳の男性。妻と2人暮らし。肝機能異常を指摘されていたが、自覚症状がなく積極的な治療を受けていなかった。最近、倦怠感があり受診したところ肝機能データが悪化しており、腹腔鏡検査と肝生検のため入院することになった。慢性心房細動のためにβ遮断薬、血栓予防のために低用量アスピリンを内服している。
内視鏡的硬化塞栓療法が実施され帰室した。悪心と前胸部痛はなくバイタルサインは安定している。帰室後24時間の対応で適切なのはどれか。
1.終了直後から粘膜保護薬を内服する。2.安静度の制限はない。
3.経鼻胃管から処置部に抗菌薬を注入する。
4.翌朝から常食を開始する。
【正解】1
1.(○)終了直後より粘膜保護剤を用いる。
2.(×)治療当日は床上安静である。
3.(×)抗菌薬は経静脈的に投与する。
4.(×)治療当日は絶飲食とする。異常がなければ翌日より流動食を開始し、徐々に常食へと近づける。
2.(×)治療当日は床上安静である。
3.(×)抗菌薬は経静脈的に投与する。
4.(×)治療当日は絶飲食とする。異常がなければ翌日より流動食を開始し、徐々に常食へと近づける。
■34歳の男性。運送会社で配達を担当している。6ヶ月前の職場の健康診断で、血圧142/90mmHg、尿蛋白(2+)、尿潜血(2+)を指摘されたが放置していた。1週前、風邪症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgAが高値のため精査が必要となり入院した。
経皮的腎生検を行うことになった。説明で適切なのはどれか。
1.「左右交互に横向きになって両方の腎臓に針を刺します」2.「針を刺すときは深呼吸を繰り返して下さい」
3.「検査2時間後に止血が確認できたら歩いてもかまいません」
4.「検査後2週間は重い物を運ぶ仕事は控えて下さい」
【正解】4
1.(×)経皮的腎生検は腹臥位で左腎を穿刺し、組織を採取する。
2.(×)穿刺時は、針先が腎臓に到達したら患者に息を止めてもらう。
3.(×)検査終了後に圧迫止血を行い、6~12時間くらいは仰臥位で安静を保持する。その後12~24時間は安静が必要である。
4.(○)腹圧をかけることで再出血を起こす危険性があるので、激しい運動や腹圧のかかる運動は2~3週間避ける。
2.(×)穿刺時は、針先が腎臓に到達したら患者に息を止めてもらう。
3.(×)検査終了後に圧迫止血を行い、6~12時間くらいは仰臥位で安静を保持する。その後12~24時間は安静が必要である。
4.(○)腹圧をかけることで再出血を起こす危険性があるので、激しい運動や腹圧のかかる運動は2~3週間避ける。
■34歳の男性。運送会社で配達を担当している。6ヶ月前の職場の健康診断で、血圧142/90mmHg、尿蛋白(2+)、尿潜血(2+)を指摘されたが放置していた。1週前、風邪症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgAが高値のため精査が必要となり入院した。
検査の結果、IgA腎症と診断され昼間だけの勤務に変更した。塩分1日7g以下の食事制限と3ヶ月ごとの定期受診が指示された。塩辛いものが好きで外食の多い患者は「塩気がなくて食べた気がしない」と減塩食に物足りなさを感じている。対応で適切なのはどれか
1.「酸味や香味を利用するといいでしょう」2.「各食事で均等に食塩を摂取しましょう」
3.「市販のレトルト食品は塩分が少ないので活用するとよいです」
4.「料理は人肌程度の温度にすると塩味をよく感じることができます」
【正解】1
1.(○)減塩のポイントとして酸味や香味を利用する方法がある。
2.(×)食塩はひとつの料理に重点的に使用する方が満足感を得られる。
3.(×)市販のレトルト食品は塩分量が多いので使わない方がよい。
4.(×)冷たい方が塩味を感じやすい。温かいと感じやすくなるのは甘味である。
2.(×)食塩はひとつの料理に重点的に使用する方が満足感を得られる。
3.(×)市販のレトルト食品は塩分量が多いので使わない方がよい。
4.(×)冷たい方が塩味を感じやすい。温かいと感じやすくなるのは甘味である。
■34歳の男性。運送会社で配達を担当している。6ヶ月前の職場の健康診断で、血圧142/90mmHg、尿蛋白(2+)、尿潜血(2+)を指摘されたが放置していた。1週前、風邪症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgAが高値のため精査が必要となり入院した。
仕事が忙しくなり、退院後は一度も受診せずに2年が経過した。2ヶ月前から疲れやすくなったが、仕事のせいだと思い放置していた。1週間前から息切れ、食欲不振、および浮腫が出現し、昨日から眠気と嘔気および嘔吐とがあり外来を受診した。体温36.5℃。脈拍数98/分。血圧238/112mmHg。血液検査で尿素窒素100mg/dl、クレアチニン12.0mg/dl、Hb7.1g/dl。胸部エックス線写真で心拡大と肺うっ血とが認められ入院した。
直ちに行われるのはどれか。
1.輸血2.血液透析
3.利尿薬の内服
4.胸腔ドレナージ
【正解】2
1.(×)貧血の原因は、腎臓から分泌される造血ホルモン(エリスロポエチン)の不足と考えられる。輸血ではなくエリスロポエチンの投与によって対応する。
2.(○)血液透析の適応は、クレアチニン8mg/dl、尿素窒素100mg/dl以上である。患者はこの基準を満たしているほか、心拡大と肺うっ血がみられ、体内に水分がたまりすぎている。ただちに血液透析を行う必要がある。
3.(×)利尿薬の投与だけでは体外に水分や老廃物を排泄させることはできない。
4.(×)胸腔ドレーンは胸腔に貯留した液体や気体を排除するものである。肺うっ血は胸腔内に液体がたまったわけではないので、胸腔ドレーンの適応にはならない。
2.(○)血液透析の適応は、クレアチニン8mg/dl、尿素窒素100mg/dl以上である。患者はこの基準を満たしているほか、心拡大と肺うっ血がみられ、体内に水分がたまりすぎている。ただちに血液透析を行う必要がある。
3.(×)利尿薬の投与だけでは体外に水分や老廃物を排泄させることはできない。
4.(×)胸腔ドレーンは胸腔に貯留した液体や気体を排除するものである。肺うっ血は胸腔内に液体がたまったわけではないので、胸腔ドレーンの適応にはならない。
■55歳の男性。会社員。自家用車で通勤し,仕事ではパーソナルコンピュータを常時使用している。突然,左眼の視野欠損を生じ,眼科を受診した。診察の結果,左眼裂孔原性網膜剥離のため手術が必要であり,3日後に入院するよう説明された。
予定どおり入院し,翌日に手術が行われた。手術後は患部の安静のため,うつむき姿勢がとられた。患者は「頸部に痛みがあり,どうしたらよいか」と苦痛を訴えた。対応で最も適切なのはどれか。
1.鎮痛薬を使用する。2.2時間ごとに体位を変換する。
3.頸部をネックカラーで固定する。
4.安楽枕で腰部と頸部の負担を軽減する。
【正解】4
1.(×)同一体位による痛みなので、鎮痛剤は根本的な解決にはならない。
2.(×)腹臥位を保つことで、眼内に注入したガスが網膜を修復する。体位変換をしてしまうと治療の効果がなくなってしまう。
3.(×)ネックカラーを装着すると、座位や立位のときに、頭をうつぶせ姿勢に保つことができなくなってしまう。
4.(○)安楽枕の使用のほか、湿布や温罨法、マッサージなどが有効である。
2.(×)腹臥位を保つことで、眼内に注入したガスが網膜を修復する。体位変換をしてしまうと治療の効果がなくなってしまう。
3.(×)ネックカラーを装着すると、座位や立位のときに、頭をうつぶせ姿勢に保つことができなくなってしまう。
4.(○)安楽枕の使用のほか、湿布や温罨法、マッサージなどが有効である。
■55歳の男性。会社員。自家用車で通勤し,仕事ではパーソナルコンピュータを常時使用している。突然,左眼の視野欠損を生じ,眼科を受診した。診察の結果,左眼裂孔原性網膜剥離のため手術が必要であり,3日後に入院するよう説明された。
手術後10日に軽快退院することになった。退院前の説明で適切なのはどれか。
1.「再発の危険はありません」2.「夜はうつぶせで休みましょう」
3.「日中はサングラスが必要です」
4.「眼帯を装着する必要はありません」
【正解】4
1.(×)網膜が元の位置に戻っても、きちんと癒着するまでに2~3ヶ月かかり、その間に再発の危険がある。
2.(×)うつぶせで休む必要はない。
3.(×)太陽の光の影響はない。
4.(○)眼帯で眼を守る必要はない。
2.(×)うつぶせで休む必要はない。
3.(×)太陽の光の影響はない。
4.(○)眼帯で眼を守る必要はない。
■58歳の男性。会社役員。妻と子どもとの3人暮らし。出勤途中の電車内で意識消失し、けいれん発作を起こして搬送された。検査の結果、脳腫瘍の疑いで入院した。
入院後、頭痛と嘔吐があり、頭蓋内圧亢進症状が認められた。起こりやすいのはどれか。
1.徐脈2.体温低下
3.血圧低下
4.呼吸数増加
【正解】1
脳圧亢進時に起こりやすい症状は、徐脈、高熱、嘔吐、血圧の上昇、呼吸数減少などである。いずれも体温調節の中枢である間脳や、呼吸・循環・嘔吐中枢のある延髄が圧迫されて起こる症状である。
■加齢による変化で性差が最も顕著なのはどれか。
1.聴力2.筋力
3.骨塩量
4.認知機能
【正解】3
1.(×)聴力は高音域で落ち、男性の方が中高音域における聴力障害の報告もあるが性差は顕著とはいえない。
2.(×)骨格筋量は思春期以降、男性はテストステロン、女性はエストロゲンの影響を受ける。
3.(○)女性は閉経後、エストロゲン欠乏による骨のカルシウム減少と骨塩量減少のため、骨粗しょう症が起こりやすいので性差が最も顕著である。
4.(×)エストロゲン作用の不足で、障害が加速されるというデータもあるが顕著とはいえない。
2.(×)骨格筋量は思春期以降、男性はテストステロン、女性はエストロゲンの影響を受ける。
3.(○)女性は閉経後、エストロゲン欠乏による骨のカルシウム減少と骨塩量減少のため、骨粗しょう症が起こりやすいので性差が最も顕著である。
4.(×)エストロゲン作用の不足で、障害が加速されるというデータもあるが顕著とはいえない。
■50歳の男性。事務職。飲酒は缶ビールを350ml/日。特定健康審査でLDLコレステロール156mg/dl、HDLコレステロール35mg/dl、中性脂肪200mg/dl。他の検査項目に異常はない。 食事指導で適切なのはどれか。
1.飲酒の禁止2.食物繊維摂取の推奨
3.動物性脂肪摂取の推奨
4.植物性蛋白質摂取の制限
【正解】2
1.(×)アルコールはエネルギー源として燃焼されやすいため残された糖や脂肪酸が中性脂肪に合成されるので控えたほうがよい。
2.(○)食物繊維は食品中に含まれるコレステロールの吸収を抑え、植物性食品がLDLコレステロールを下げるため、摂取の推奨は指導として適切である。
3.(×)動物性脂肪に含まれる飽和脂肪酸はLDLコレステロールを増やすので摂取の推奨は不適切である。
4.(×)植物性蛋白質の大豆油、ゴマ油などはLDLコレステロールを下げ、オリーブ油、ナタネ油はHDLコレステロールの低下を防ぐので、制限することは不適切である。
2.(○)食物繊維は食品中に含まれるコレステロールの吸収を抑え、植物性食品がLDLコレステロールを下げるため、摂取の推奨は指導として適切である。
3.(×)動物性脂肪に含まれる飽和脂肪酸はLDLコレステロールを増やすので摂取の推奨は不適切である。
4.(×)植物性蛋白質の大豆油、ゴマ油などはLDLコレステロールを下げ、オリーブ油、ナタネ油はHDLコレステロールの低下を防ぐので、制限することは不適切である。
■成人女性の普通歩行(分速60~70m程度)20分程度と同等の身体活動量はどれか。
1.ストレッチングを10分2.アイロンがけを15分
3.ジョギングを15分
4.屋内の掃除を20分
【正解】4
1.(×)普通歩行は3メッツと考えられ、運動エネルギーは0.063(Kcal/Kg/分)。ストレッチでは20分程度で同程度と考えられる。
2.(×)アイロンがけでは0.0471~0.0499(Kcal/Kg/分)。20分程度で同程度と考えられる。
3.(×)ジョギングは0.1384(Kcal/Kg/分)。10分程度で同程度と考えられる。
4.(○)屋内の掃除だと0.0676(Kcal/Kg/分)。20分程度で同程度である。
2.(×)アイロンがけでは0.0471~0.0499(Kcal/Kg/分)。20分程度で同程度と考えられる。
3.(×)ジョギングは0.1384(Kcal/Kg/分)。10分程度で同程度と考えられる。
4.(○)屋内の掃除だと0.0676(Kcal/Kg/分)。20分程度で同程度である。
■Mooreの提唱した手術後の回復過程の第1相(異化期)の生体反応はどれか。
1.尿量の増加2.血糖値の上昇
3.脂肪組織の修復
4.腸蠕動運動の再開
【正解】2
1.(×)循環系が安定し、利尿が出現するのは第2相(転換相)である。
2.(○)第1相(異化期)は術後から数日間続き、内分泌反応が活発になる。糖の供給を促進し、糖新生が亢進する。
3.(×)筋たんぱく質の合成が進むとともに脂肪が蓄積されていくのは第4相(脂肪蓄積期)である。
4.(×)腸蠕動運動が再開するのは第2相である。
2.(○)第1相(異化期)は術後から数日間続き、内分泌反応が活発になる。糖の供給を促進し、糖新生が亢進する。
3.(×)筋たんぱく質の合成が進むとともに脂肪が蓄積されていくのは第4相(脂肪蓄積期)である。
4.(×)腸蠕動運動が再開するのは第2相である。
■肺活量の低下は著しくないが、1秒率が低下するのはどれか。
1.肺塞栓症2.肺線維症
3.気管支喘息
4.重症筋無力症
5.過換気症候群
【正解】3
1.(×)静脈系に生じた血栓や脂肪塊などが遊離し血流によって肺動脈を閉塞した状態であるため、換気障害ではない。
2.(×)肺繊維症は、間質性肺炎が慢性化したもので、拘束性換気障害である。肺実質や間質の障害のために肺が完全に膨らまないので、十分に空気を吸うことができない。一秒率は低下しないが肺活量は低下する。
3.(○)気管支喘息は閉塞性換気障害で、分泌物や気道の攣縮により気道が狭くなるために、空気を十分に吐き出せなくなる。肺活量低下は著しくないが、一秒率は低下する。
4.(×)拘束性換気障害(%肺活量80%以下、1秒率70%以上)のひとつであり、呼吸筋力の低下によって起こる。
5.(×)不安や興奮などの心因が誘引となり、発作性に過換気となり、呼吸性アルカローシスを起こし、呼吸困難やめまい、意識レベルの低下をおこしたりするが、器質的な障害はない。
2.(×)肺繊維症は、間質性肺炎が慢性化したもので、拘束性換気障害である。肺実質や間質の障害のために肺が完全に膨らまないので、十分に空気を吸うことができない。一秒率は低下しないが肺活量は低下する。
3.(○)気管支喘息は閉塞性換気障害で、分泌物や気道の攣縮により気道が狭くなるために、空気を十分に吐き出せなくなる。肺活量低下は著しくないが、一秒率は低下する。
4.(×)拘束性換気障害(%肺活量80%以下、1秒率70%以上)のひとつであり、呼吸筋力の低下によって起こる。
5.(×)不安や興奮などの心因が誘引となり、発作性に過換気となり、呼吸性アルカローシスを起こし、呼吸困難やめまい、意識レベルの低下をおこしたりするが、器質的な障害はない。
■48歳の男性。電気製品の販売員。労作時の息切れと易疲労感とを主訴に来院し、拡張型心筋症と診断され入院となった。入院時の脈拍112/分。血圧98/82mmHg。起坐呼吸をしている。最も起こりやすいのはどれか。
1.膿胸2.血性泡沫痰
3.下肢静脈瘤
4.心タンポナーデ
【正解】2
1.(×)膿胸とは胸膜の炎症により、胸腔内に膿性の胸水がたまった状態であり、拡張型心筋症の症状ではない。
2.(○)この患者は症状から考えて拡張型心筋症の症状であるうっ血性心不全(左心不全)を起こしている。うっ血性心不全では、心拍出量の低下とともに左房内圧の急激な上昇により、毛細動脈圧も上昇するために細胞内液が増加する。急性左心不全では、それが急激に上昇するため赤血球も漏出し、ピンク色(血性)の泡沫状の痰が起こる。
3.(×)下肢静脈瘤は、ほとんど老化が原因で、下肢の静脈が拡張し血液が滞ることでおきる。
4.(×)心担タンポナーデは、心嚢内や縦隔に体液が貯留し、心臓が十分に拡張できず、血液循環が行えなくなり心不全に陥る。原因は大動脈解離や外傷などである。
2.(○)この患者は症状から考えて拡張型心筋症の症状であるうっ血性心不全(左心不全)を起こしている。うっ血性心不全では、心拍出量の低下とともに左房内圧の急激な上昇により、毛細動脈圧も上昇するために細胞内液が増加する。急性左心不全では、それが急激に上昇するため赤血球も漏出し、ピンク色(血性)の泡沫状の痰が起こる。
3.(×)下肢静脈瘤は、ほとんど老化が原因で、下肢の静脈が拡張し血液が滞ることでおきる。
4.(×)心担タンポナーデは、心嚢内や縦隔に体液が貯留し、心臓が十分に拡張できず、血液循環が行えなくなり心不全に陥る。原因は大動脈解離や外傷などである。
■62歳の男性。妻との2人暮らし。55歳から高血圧で内服治療中。朝の散歩を日課としていたが、2日前から歩行時に右下肢がもつれる感じがあった。今朝の散歩時、立位がとれない状態になったため、妻に伴われて救急外来を受診した。頭部CTで左硬膜下血腫が脳実質を圧迫しており、緊急手術目的で入院した。入院時、意識は清明。体温36.7℃。呼吸数16/分。脈拍66/分血圧140/70mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度〈Sp02〉97%。瞳孔両側2mm、対光反射は正常。頭痛と嘔吐とはなく、全身状態も安定していた。
手術開始が2時間後と決まった。意識状態に変化はない。手術が開始されるまでに最も出現しやすい症状はどれか。
1.頭痛2.頻脈
3.体温上昇
4.左下肢のしびれ
【正解】1
1.(○)この患者の場合、2日前より徐々に症状が現れており、慢性硬膜下血腫と思われる。慢性硬膜下血腫とは、なんらかの軽微な頭部外傷後、慢性期に硬膜と脳の隙間に血腫が溜まって、脳を圧迫する。症状は、頭痛、片麻痺(歩行障害)、精神症状などが見られる。入院時は無症状だったが、徐々に症状が現れるとすれば、頭痛がもっとも考えられる。
2.(×)現在のバイタルサインのデータから考えて、頻脈になる可能性は少ない。
3.(×)体温中枢を障害する所見や感染の徴候などもない。手術前であり、体温が上昇する可能性は少ない。
4.(×)左硬膜下血腫が確認されているため、左下肢にしびれが出現することはない。また、手術までに急激に出欠が広がり、右脳を圧迫するとは考えにくい。
2.(×)現在のバイタルサインのデータから考えて、頻脈になる可能性は少ない。
3.(×)体温中枢を障害する所見や感染の徴候などもない。手術前であり、体温が上昇する可能性は少ない。
4.(×)左硬膜下血腫が確認されているため、左下肢にしびれが出現することはない。また、手術までに急激に出欠が広がり、右脳を圧迫するとは考えにくい。
■62歳の男性。妻との2人暮らし。55歳から高血圧で内服治療中。朝の散歩を日課としていたが、2日前から歩行時に右下肢がもつれる感じがあった。今朝の散歩時、立位がとれない状態になったため、妻に伴われて救急外来を受診した。頭部CTで左硬膜下血腫が脳実質を圧迫しており、緊急手術目的で入院した。入院時、意識は清明。体温36.7℃。呼吸数16/分。脈拍66/分血圧140/70mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度〈Sp02〉97%。瞳孔両側2mm、対光反射は正常。頭痛と嘔吐とはなく、全身状態も安定していた。
左穿頭血腫洗浄ドレナ一ジ術が施行され帰棟した。術直後の観察では、意識は刺激しなくても覚醒しているが、いまひとつはっきりしない状態である。頭痛と嘔吐とはない。体温36.7℃。呼吸数20/分。脈拍82/分。血圧190/90mmHg。 経皮的動脈血酸素飽和度〈Sp02〉99パーセント。硬膜下ドレーンから少量の排液がみられる。術直後のアセスメントで正しいのはどれか。
1.血圧を下げる必要がある。2.意識レベルはJCS2-10である。
3.ベッドの30度挙上が必要である。
4.頭蓋内圧亢進症状が出現している。
【正解】1
1.(○)術後管理で大切なことは、血圧を適正な値に維持することである。術直後は麻酔や術中出血の影響で循環動態は不安定になる。この患者は高血圧症もあり血圧が高い。血圧上昇は再出血を起こすこともあるため、血圧を下げる必要がある。
2.(×)JCS(ジャパン・コーマ・スケール)によると、この患者の意識レベルは1-1である。
3.(×)ドレナージ中に頭を動かす(高さを変える)ことにより、頭蓋内圧が変化したり、急激に排液が流出する可能性もあるため、医師による調整が必要である。
4.(×)頭蓋内圧亢進の症状は、頭痛や嘔吐、意識障害、瞳孔不同などがあるが、この患者にはみられていない。
2.(×)JCS(ジャパン・コーマ・スケール)によると、この患者の意識レベルは1-1である。
3.(×)ドレナージ中に頭を動かす(高さを変える)ことにより、頭蓋内圧が変化したり、急激に排液が流出する可能性もあるため、医師による調整が必要である。
4.(×)頭蓋内圧亢進の症状は、頭痛や嘔吐、意識障害、瞳孔不同などがあるが、この患者にはみられていない。
■58歳の男性。下腹部痛と下血とで来院した。Hb4.8g/dlで緊急入院し輸血を行うこととなった。輸血時の看護で正しいのはどれか。
1.小児用点滴セットを用いる。2.交差試験の結果は医師や看護師が複数で確認する。
3.アレルギー反応を観察するために開始後3分間は側にいる。
4.輸血後3日以内は輸血後移植片対宿主病発症に注意する。
【正解】2
1.(×)輸血時は必ず輸血セットを用いる。輸血セットは170μmのナイロンメッシュフィルタがついており、大凝集塊を排除できる。また針は18~20Gを使用する。
2.(○)交差試験の結果に限らず、患者の名前や血液型、血液製造番号、有効期限など、輸血本体と伝票などを照合し、医療従事者2名以上で確認する。
3.(×)輸血開始直後より5分間は患者のそばを離れず厳重に観察し、15分後に再度アレルギー反応などがないかを観察する。その後適宜(何もなくても1時間毎に)観察し異常の早期発見に努める。
4.(×)輸血後移植片対宿主病は、輸血後1~2週間後に起こる。
2.(○)交差試験の結果に限らず、患者の名前や血液型、血液製造番号、有効期限など、輸血本体と伝票などを照合し、医療従事者2名以上で確認する。
3.(×)輸血開始直後より5分間は患者のそばを離れず厳重に観察し、15分後に再度アレルギー反応などがないかを観察する。その後適宜(何もなくても1時間毎に)観察し異常の早期発見に努める。
4.(×)輸血後移植片対宿主病は、輸血後1~2週間後に起こる。
■50歳の男性。出張の多い会社員。右真珠腫性中耳炎で鼓室形成術を受けた。術後経過は順調で耳痛はない。退院に向けた生活指導で適切なのはどれか。
1.洗髪時は耳栓を使用する。2.飛行機の利用は問題ない。
3.耳垢はこまめに除去する。
4.食事は流動食にする。
【正解】1
1.(○)耳の中に水が入らないように耳栓などの工夫をするように指導するので正解。
2.(×)飛行機は気圧の変化で鼓膜に負担がかかるため、なるべく避けるように指導する。
3.(×)耳垢は通院時に医師が除去するので自分ではとらないように指導する。
4.(×)食事は術後1日目より普通食を食べてもよいので間違い。
2.(×)飛行機は気圧の変化で鼓膜に負担がかかるため、なるべく避けるように指導する。
3.(×)耳垢は通院時に医師が除去するので自分ではとらないように指導する。
4.(×)食事は術後1日目より普通食を食べてもよいので間違い。
■42歳の男性。会社員。2年前から単身赴任で働いている。朝食は食べず、昼食は社員食堂、夕食は惣菜や弁当を購入し自宅で食べている。週に1度は同僚と外食する。自宅での夕食時には焼酎をロックで2、3杯、就寝前にはウイスキーをロックで2杯程度飲む習慣がある。
同僚と飲食した翌朝、腹痛と嘔気とで目が覚めた。通常の二日酔いとは異なる強い心窩部痛があったため受診した。意識は清明で呼吸困難はない。急性膵炎と診断され入院することとなった。高値が予測される血液検査デー夕はどれか。
1.カルシウム2.アルブミン
3.アミラーゼ
4.αーフェトプロテイン
【正解】3
1.(×)急性膵炎は種々の原因により膵酵素が活性化され、膵組織を自己消化している。原因の一つとして、上皮正体機能亢進症があり、それは膵外分泌酵素のうち脂質代謝に関与する酵素が高脂質血症化に伴い、カルシウムイオンが活性化され、すなわち高カルシウム血症により膵管内結石を生じることになる。また、重症化した場合、膵組織壊死により遊離した脂肪とカルシウムが結合し、カルシウムが消費されるため、低カルシウムになる。 いわゆる急性膵炎の原因として高カルシウム血症が挙げられるが、重症化した場合にはむしろ低カルシウム血症となる。
2.(×)肝臓で生成され、血清タンパク質として栄養状態の指標となり、高値の場合脱水症が疑われる。
3.(○)膵臓で生成される消化酵素で、急性膵炎、慢性膵炎でも高値になる。
4.(×)肝細胞癌の腫瘍マーカーである。
2.(×)肝臓で生成され、血清タンパク質として栄養状態の指標となり、高値の場合脱水症が疑われる。
3.(○)膵臓で生成される消化酵素で、急性膵炎、慢性膵炎でも高値になる。
4.(×)肝細胞癌の腫瘍マーカーである。
■42歳の男性。会社員。2年前から単身赴任で働いている。朝食は食べず、昼食は社員食堂、夕食は惣菜や弁当を購入し自宅で食べている。週に1度は同僚と外食する。自宅での夕食時には焼酎をロックで2、3杯、就寝前にはウイスキーをロックで2杯程度飲む習慣がある。
入院後10日、順調に回復し、薬物療法として蛋白分解酵素阻害薬が内服処方され退院することとなった。退院後の生活指導で適切なのはどれか。
1.低脂肪食とする。2.低蛋白食とする。
3.体調によって服薬調整をする。
4.週に1度は飲酒をしない日を設ける。
【正解】1
1.(○)退院指導としては、アミラーゼ、リパーゼの上昇を抑えるため、低脂肪食をすすめる。脂質はとくに膵液分泌を促進するので厳重に制限する。
2.(×)急性期においては、蛋白質の摂取は禁止するが、症状の回復とともに慎重に増やしていき、最終的には十分な蛋白質摂取を促す。
3.(×)内服薬は糖代謝調整、消化吸収酵素など長期的に内服が必要な場合が多く、体調次第で安易に調整すべきでない。
4.(×)禁酒、禁煙は原則で、コーヒー、香辛料など刺激物は避けるべきである。
2.(×)急性期においては、蛋白質の摂取は禁止するが、症状の回復とともに慎重に増やしていき、最終的には十分な蛋白質摂取を促す。
3.(×)内服薬は糖代謝調整、消化吸収酵素など長期的に内服が必要な場合が多く、体調次第で安易に調整すべきでない。
4.(×)禁酒、禁煙は原則で、コーヒー、香辛料など刺激物は避けるべきである。
■42歳の男性。会社員。2年前から単身赴任で働いている。朝食は食べず、昼食は社員食堂、夕食は惣菜や弁当を購入し自宅で食べている。週に1度は同僚と外食する。自宅での夕食時には焼酎をロックで2、3杯、就寝前にはウイスキーをロックで2杯程度飲む習慣がある。
入院時の看護で適切なのはどれか。2つ選べ。
1.温罨法の実施2.水分出納の把握
3.腸蠕動音の聴診
4.仰臥位安静の保持
5.モルヒネによる鎮痛効果の観察
【正解】2,3
1.(×)急性膵炎の基本は、疼痛緩和、全身合併症予防、二次感染症予防で、温罨法も疼痛緩和の効果はあるが適応ではない。
2.(○)急性期は絶飲食で絶対安静なので、水分出納は厳重に把握する必要がある。
3.(○)腸蠕動は胃液、膵液の分泌などが促進される可能性があるので把握は必要である。
4.(×)安静は必要であるが、仰臥位を保持するまではない。
5.(×)腹痛に対する鎮痛対策は必要であるが、麻薬を使用すると腸蠕動緩満にするなどの作用があり、非麻薬性鎮痛剤の使用が勧められる。
2.(○)急性期は絶飲食で絶対安静なので、水分出納は厳重に把握する必要がある。
3.(○)腸蠕動は胃液、膵液の分泌などが促進される可能性があるので把握は必要である。
4.(×)安静は必要であるが、仰臥位を保持するまではない。
5.(×)腹痛に対する鎮痛対策は必要であるが、麻薬を使用すると腸蠕動緩満にするなどの作用があり、非麻薬性鎮痛剤の使用が勧められる。
■36歳の男性。妻と2歳の娘との3人暮らし。急性骨髄性白血病の診断で、中心静脈カテーテルが挿入され、寛解導入療法が開始された。妻は入院時に「娘が自分のそばを離れたがらず、夫の付き添いができない」と話した。
3歳年上の兄とヒト白血球抗原〈HLA〉が適合したため、血緑者間骨髄移植が検討された。ドナーとなる兄への説明で適切なのはどれか。
1.兄が免疫抑制薬を内服する。2.全身麻酔下で骨髄液を採取する。
3.骨髄液採取部位は翌日までドレーンを挿入する。
4.兄の退院の目安は患者に生着が確認されるころである。
【正解】2
1.(×)ドナーは前処置として自己血採血を行うこと、体調を整えておくことが事前説明されます。
2.(○)骨髄液の採取は全身麻酔下で腸骨から行われます。
3.(×)骨髄採取部位は同じ皮膚の穴から何回も針を刺しますが、自然にふさがります。そのため、ドレーンをいれることはありません。
4.(×)ドナーは骨髄採取後翌日より歩行できて次の日には退院できます。通常2~3日間の入院となる。
2.(○)骨髄液の採取は全身麻酔下で腸骨から行われます。
3.(×)骨髄採取部位は同じ皮膚の穴から何回も針を刺しますが、自然にふさがります。そのため、ドレーンをいれることはありません。
4.(×)ドナーは骨髄採取後翌日より歩行できて次の日には退院できます。通常2~3日間の入院となる。
■食道癌根治術後の患者で正しいのはどれか。
1.ダンビング症状は起こらない。2.食後に逆流誤嚥の危険性はない。
3.呼吸機能低下によって息切れが生じやすい。
4.反回神経麻痺によって構音障害が生じやすい。
【正解】3
1.(×)胃を食道の代用することで、胃が小さくなり食物の通過が早くなり、ダンピング症候群様症状を起こしやすくなる。
2.(×)食道と胃の間にある逆流防止機構である噴門を切除することで、逆流症状を起こしやすくなる。
3.(○)術式によっては開胸する場合もあり、切開創の痛みから痰がだせずに肺炎や呼吸がしずらくなり肺炎や無気肺を起こしやすい。
4.(×)リンパ節郭清の場合に、反回神経を損傷し、嗄声や誤嚥などの症状がでる。
2.(×)食道と胃の間にある逆流防止機構である噴門を切除することで、逆流症状を起こしやすくなる。
3.(○)術式によっては開胸する場合もあり、切開創の痛みから痰がだせずに肺炎や呼吸がしずらくなり肺炎や無気肺を起こしやすい。
4.(×)リンパ節郭清の場合に、反回神経を損傷し、嗄声や誤嚥などの症状がでる。
■60歳の男性。会社役員。10年前にC型肝炎と診断され通院治療を続けている。1ヶ月前の定期受診で肝細胞癌を指摘されTAE〈肝動脈塞線療法〉を受けることとなった。
TAEの説明で適切なのはどれか。2つ選べ。
1.腹部を穿刺して行う。2.治療後5~6時間穿刺部を圧迫する。
3.治療後1日は絶食である。
4.治療後に発熱することがある。
5.治療ではエタノールを使用する。
【正解】2,4
1.(×)TAEは、主に大腿動脈を通して動脈内に塞栓物質を注入し、一定期間流れを止めて出血を止めたり病変部を治癒させたりする方法であるため、穿刺部は腹部ではない。
2.(○)動脈を穿刺するため、止血を確実に行う必要がある。穿刺した側の下肢は特に屈曲させないように砂嚢などで固定することもある。
3.(×)特に食事制限はなく、治療後問題なければ夕食より可能である。
4.(○)造影剤など薬剤に対する反応熱として、発熱する場合があるので観察は必要である。
5.(×)エタノールは蛋白凝固作用を持ち、最大3cm以下の腫瘍に限局的に行う局所療法で、TAEと併用する場合もあるが、TAE単独の場合には使用しない。麻酔薬、塞栓用薬、鎮痛剤を使用する。
2.(○)動脈を穿刺するため、止血を確実に行う必要がある。穿刺した側の下肢は特に屈曲させないように砂嚢などで固定することもある。
3.(×)特に食事制限はなく、治療後問題なければ夕食より可能である。
4.(○)造影剤など薬剤に対する反応熱として、発熱する場合があるので観察は必要である。
5.(×)エタノールは蛋白凝固作用を持ち、最大3cm以下の腫瘍に限局的に行う局所療法で、TAEと併用する場合もあるが、TAE単独の場合には使用しない。麻酔薬、塞栓用薬、鎮痛剤を使用する。
■60歳の男性。会社役員。10年前にC型肝炎と診断され通院治療を続けている。1ヶ月前の定期受診で肝細胞癌を指摘されTAE〈肝動脈塞線療法〉を受けることとなった。
治療前の血液検査ではアルブミン2.8g/dl、AST〈GOT〉123IU/l、ALT〈GPT〉130IU/l、プロトロンビン活性〈PT%〉58%(基準80~120)であった。
TAE後の状態で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.プロトロンビン活性が改善する。2.血栓が発生する危険性がある。
3.止血しづらい可能性がある。
4.蛋白質合成機能が改善する。
5.ALT値が改善する。
【正解】2,3
1.(×)正常値より低いプロトロンビン値は、TAE後はさらに下がる可能性が高い。
2.(○)動脈内に造影剤、抗癌剤、塞栓物質を注入するため、その塞栓剤は血管内で溶けるのですが、血栓の危険性は高くなる。穿刺部の圧迫の合併症として、下肢虚血や大腿静脈の長時間圧迫により、下肢うっ血から血栓が形成できる可能性がある。
3.(○)プロトロンビン値が低いということで、止血が困難なことが予測される。
4.(×)アルブミンが低値であることから、TAE後にさらに蛋白合成機能は改善できない。
5.(×)通常でも一過性に肝機能悪化がみられることから、TAE前からALT高値であるため、さらに上昇する可能性が高い。通常は、治療後7~10日程度で、治療前の数値に回復することはある。
2.(○)動脈内に造影剤、抗癌剤、塞栓物質を注入するため、その塞栓剤は血管内で溶けるのですが、血栓の危険性は高くなる。穿刺部の圧迫の合併症として、下肢虚血や大腿静脈の長時間圧迫により、下肢うっ血から血栓が形成できる可能性がある。
3.(○)プロトロンビン値が低いということで、止血が困難なことが予測される。
4.(×)アルブミンが低値であることから、TAE後にさらに蛋白合成機能は改善できない。
5.(×)通常でも一過性に肝機能悪化がみられることから、TAE前からALT高値であるため、さらに上昇する可能性が高い。通常は、治療後7~10日程度で、治療前の数値に回復することはある。
■心拍出量が増加しているにもかかわらず心不全に至るのはどれか。
1.高血圧2.心筋梗塞
3.拡張型心筋症
4.甲状腺機能亢進症
【正解】4
1.(×)本態性の高血圧の場合、高血圧性心疾患では左室拡張障害を起こし、後負荷不適合に伴う心不全を起こすことがある。徐々に起こるうっ血性心不全を起こしやすい、心拍の増加は特徴的ではなく他の危険因子も絡んでくる。
2.(×)心筋の壊死組織により血液酵素が心筋から逸脱し、不整脈、心原性ショック、心不全を起こすことがあり、心拍数の増加とは限らない。
3.(×)左心系の心不全徴候を示し、心拍出量の減少、全身臓器の血流低下と同時にうっ血性心不全を起こし呼吸困難に陥ることがある。心機能低下が進むと心室頻拍などの不整脈を起こすことがある。
4.(○)頻脈、心筋収縮機能の亢進、循環血液量の増加、末梢血管抵抗の低下により心拍組織の代謝が亢進し、必要な心拍出量が増加して高拍出性心不全を起こす。
2.(×)心筋の壊死組織により血液酵素が心筋から逸脱し、不整脈、心原性ショック、心不全を起こすことがあり、心拍数の増加とは限らない。
3.(×)左心系の心不全徴候を示し、心拍出量の減少、全身臓器の血流低下と同時にうっ血性心不全を起こし呼吸困難に陥ることがある。心機能低下が進むと心室頻拍などの不整脈を起こすことがある。
4.(○)頻脈、心筋収縮機能の亢進、循環血液量の増加、末梢血管抵抗の低下により心拍組織の代謝が亢進し、必要な心拍出量が増加して高拍出性心不全を起こす。
■網膜剥離を起こした患者の訴えはどれか。
1.「目が乾く」2.「物が二重に見える」
3.「明るいところがすごくまぶしい」
4.「眼の中にカーテンが引かれた感じ」
【正解】4
1.(×)ドライアイが考えられる
。
2.(×)乱視が考えられる 。
3.(×)散瞳している状態である 。
4.(○)網膜は、カメラにたとえるとフィルムのような役割を果たしているため、視力低下が起きる。
2.(×)乱視が考えられる 。
3.(×)散瞳している状態である 。
4.(○)網膜は、カメラにたとえるとフィルムのような役割を果たしているため、視力低下が起きる。
■気管支鏡検査で正しいのはどれか。
1.咽喉頭麻酔は上部消化管内視鏡と同様に行う。2.検査の4時間前まで飲水は可能である。
3.前投薬として鎮咳薬を投与する。
4.検査中に問題がなければ合併症の発症はない。
【正解】2
1.(×)咽喉頭麻酔は、検査直前に局所麻酔を咽喉頭に噴霧する。上部消化管内視鏡の時は、ゼリー状の麻酔薬(キシロカインビスカスなど)を咽喉に数分間溜めた後、飲み込む。その後、スプレーで咽頭部に追加麻酔する。
2.(○)気管支鏡検査の数時間前から絶飲食とする。
3.(×)前投薬は、分泌物や迷走神経の緊張を抑えるため、アトロピンの使用が一般的である。
4.(×)肺・気管支からの出血や気胸、発熱などの可能性はある。
2.(○)気管支鏡検査の数時間前から絶飲食とする。
3.(×)前投薬は、分泌物や迷走神経の緊張を抑えるため、アトロピンの使用が一般的である。
4.(×)肺・気管支からの出血や気胸、発熱などの可能性はある。
■同種骨髄移植で正しいのはどれか
1.提供者とのABO式血液型の一致が条件である。2.手術室において全身麻酔下で移植される。
3.免疫抑制剤を用いる。
4.骨髄生着後は感染の危険性がなくなる。
【正解】3
1.(×)白血球抗原であるHLAの一致が条件である。
2.(×)無菌室で輸血の要領で移植される。
3.(○)GVHD(移植片対宿主病)を予防するために移植後6ヶ月はシクロスポリンなどの免疫抑制剤を投与する。
4.(×)生着後もGVHDの予防のため、免疫抑制剤を使用する。そのため感染の危険性はつづく。
2.(×)無菌室で輸血の要領で移植される。
3.(○)GVHD(移植片対宿主病)を予防するために移植後6ヶ月はシクロスポリンなどの免疫抑制剤を投与する。
4.(×)生着後もGVHDの予防のため、免疫抑制剤を使用する。そのため感染の危険性はつづく。
■53歳の男性。営業職の会社員。喉頭癌の診断を受けた。医師から、声帯への浸潤と両側の頸部リンパ節転移とがあり、治療法として喉頭全摘術、放射線照射および化学療法があることが説明された。翌週、妻と再度受診し治療方針を決めることとなった。
術後10日。瘻孔がないことが確認され食事が開始された。本人と妻は「気管孔が開いたままで食事することの注意点を、退院までにしっかり聞いておきたい」と話した。助言で適切なのはどれか。2つ選べ。
1.「汁物はストローで吸うと良いでしょう」2.「飲み込むときに鼻をつまむと鼻への逆流が防げます」
3.「麺類は軟らかいので今までと同じように食べられます」
4.「匂いがわかりにくくなるので味が異なって感じるかもしれません」
5.「飲み込みに時間がかかるので、1日6回の分割食にする必要があります」
【正解】2,4
1.(×)喉頭摘出術後は、鼻や口の呼吸の出入りがなくなる。吸うことができないため、ストローは使えない。
2.(○)一口が多いと鼻腔へ逆流しやすくなる。飲み込む時に鼻をつまむと逆流を防止することができる。
3.(×)麺類をすすることができなくなる。
4.(○)鼻腔内の空気の出入りがなくなり、においを嗅ぐことができなくなるため、味覚が低下するおそれがある。
5.(×)胃の貯留機能は問題ないため分割食にする必要はない。
2.(○)一口が多いと鼻腔へ逆流しやすくなる。飲み込む時に鼻をつまむと逆流を防止することができる。
3.(×)麺類をすすることができなくなる。
4.(○)鼻腔内の空気の出入りがなくなり、においを嗅ぐことができなくなるため、味覚が低下するおそれがある。
5.(×)胃の貯留機能は問題ないため分割食にする必要はない。
■開心術後1日、心タンポナーデの徴候はどれか。2つ選べ。
1.脈圧増加2.血圧上昇
3.尿量増加
4.中心静脈圧上昇
5.胸部エックス線写真での心拡大像
【正解】4,5
1.(×)心嚢液貯留により心嚢腔内圧が著明に上昇した結果、特に右心系の拡張期充満が著明に制限されるため、血液を十分に拍出できなくなり、脈圧は減少する。
2.(×)心タンポナーデになると、心拍出量は低下するため、血圧は低下する。
3.(×)心タンポナーデになり、血圧低下が起こるとショック状態になり、尿量は減少する。
4.(○)心タンポナーデが起きると、右室拡張期圧があがり、中心静脈圧が上昇する。
5.(○)心タンポナーデは、心臓と心臓を覆う心外膜の間に心嚢液がたまるため、心拡大像がみられる。
2.(×)心タンポナーデになると、心拍出量は低下するため、血圧は低下する。
3.(×)心タンポナーデになり、血圧低下が起こるとショック状態になり、尿量は減少する。
4.(○)心タンポナーデが起きると、右室拡張期圧があがり、中心静脈圧が上昇する。
5.(○)心タンポナーデは、心臓と心臓を覆う心外膜の間に心嚢液がたまるため、心拡大像がみられる。
■中枢性嗅覚障害の原因となるのはどれか。2つ選べ。
1.小脳出血2.被殻出血
3.慢性副鼻腔炎
4.頭部外傷後遺症
5.Alzheimer〈アルツハイマー〉病
【正解】4,5
1.(×)小脳出血後は歩行が困難になる。
2.(×)被殻出血では、片麻痺になる。
3.(×)嗅粘膜や嗅神経が障害されて起こる嗅覚障害を、末梢性嗅覚障害といい、慢性副鼻腔炎が該当する。
4.(○)嗅神経より中枢の異常で生じる嗅覚障害を中枢性嗅覚障害と言い、頭部外傷後後遺症が該当する。
5.(○)嗅神経より中枢の異常で生じる嗅覚障害を中枢性嗅覚障害と言い、アルツハイマー病が該当する。
2.(×)被殻出血では、片麻痺になる。
3.(×)嗅粘膜や嗅神経が障害されて起こる嗅覚障害を、末梢性嗅覚障害といい、慢性副鼻腔炎が該当する。
4.(○)嗅神経より中枢の異常で生じる嗅覚障害を中枢性嗅覚障害と言い、頭部外傷後後遺症が該当する。
5.(○)嗅神経より中枢の異常で生じる嗅覚障害を中枢性嗅覚障害と言い、アルツハイマー病が該当する。