• 公開日: 2014/11/12
  • 更新日: 2018/12/13

ナースの原動力、患者さんの言葉は最大の癒し

テーマ:私の癒し

やりがいであり、癒しでもある

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「ありがとう」の言葉

重症病棟勤務ですが、私の勤務病院はそこまで重症な人は来ないような病院です。なので、だいたいの患者さんが状態がよくなって回復されるか、老衰で亡くなられる場合がほとんどです。

そんな病棟に40代の方が入院されました。病名はめずらしいため控えさせていただきますが、呼吸困難に陥り、人工呼吸器管理が必要になるような病気です。入院された時は症状の原因がわからず、病名の診断が付いて転棟されました。転棟された時はまだADL自立で、症状も軽度であり性格もそっけない感じだったため、バイタルと点滴以外ほとんど関わりがありませんでした。

日に日に症状が悪くなり、呼吸困難を訴えるようになりました。呼吸困難時の指示を医師に訪ねると鎮静薬の増量で、患者さんは呼吸困難時はベッド上で暴れるくらい苦しんでいました。その事を伝えても指示は変わらず、少しでも安心できるように呼吸困難時は落ち着くまでそばに寄り添い背中を擦りました。

普段そっけなくあまりしゃべらなかった患者が

「突然息ができなくなって不安なんだ。そばにいてくれてありがとう。」

と話されました。

この仕事はほんとにハードで毎日走り回ってばかりだけど、自分の思いが患者さんに伝わり「ありがとう。」と言われた時に忙しさや辛さがふっとびます。患者さんの言葉が私の癒しです。


●執筆●ゆったん さん
重症病棟勤務
このエッセイは 「ナースエッセイ」 にご応募いただいたものです。
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