【精神】Aさん(47歳、男性)は、統合失調症で20年間精神科病院に入院している。父親はすでに亡くなっており、80歳になる母親は病気がちのため、面会は年に1回程度である。Aさんは看護師の声かけに応じて、月に1回の病棟レクリエーションや週に2回の作業療法に参加している。それ以外の時間はほとんど病室のベッド上で寝て過ごしている。発病以来、薬物療法を続けており、時々飲み忘れることはあるが、ほぼ自己管理できている。病状は安定していることから、退院の話が出るようになった。Aさんは、これまで1人暮らしの経験はなく、自宅への退院を希望している。母親は電話で、「帰ってくるのはいいけれど、自分も体がつらくて、息子の世話までできない。日中、息子が出掛ける場所があるとよいのですが」と話している。
Aさんに勧める社会資源として適しているのはどれか。2つ選べ。
1.福祉ホーム
2.精神科デイケア
3.ショートステイ
4.ホームヘルプサービス
5.公共職業安定所(ハローワーク)
―――以下解答―――
(解答)2,4
<解説>
1.(×)福祉ホームとは、単独で生活する力はあるが、家庭の問題などで住宅が確保しにくい場合の住居である。Aさんはまだリハビリテーションが必要な段階なので不適切である。
2.(○)精神科デイケアとは、通院による精神科リハビリテーションのことである。Aさんはリハが必要な段階で、日中の生活の場を確保することもできるので適切である。
3.(×)ショートステイとは、介護者の都合で介護できないときに、精神障害者を一時的に保護する施設のことである。
4.(○)ホームヘルプサービスとは、訪問介護とも呼ばれ、生活に援助の必要な在宅障害者などに介護を行うことである。
5.(×)Aさんは仕事ができる段階ではないので、公共職業安定所は不適切である。