【精神】62歳の男性。仕事柄、海外への出張が多い。元来責任感が強く、家庭や会社での信頼も厚かった。東南アジアから10日前に帰国してから全身の倦怠感を訴えていた。本日、午後9時ごろ突如手の震えが出現し「昨年死んだはずの友人が部屋に来ている」と大声で叫びだしたため、家族に伴われて救急外来を受診した。体温36.5℃。脈拍72/分。血圧124/76mmHg。眼球結膜に黄染が認められ、血液検査が実施された。診察室ではうつろな表情で落ち着きがない様子であるが、興奮することはない。
外来での対応で最も優先度が高いのはどれか。
1.頭部CT
2.腰椎穿刺
3.隔離室への保護
4.抗精神病薬の投与
―――以下解答―――
(解答)1
<解説>
1.(○)脳出血、脳梗塞、脳腫瘍など一次性脳機能障害と二次性脳機能障害による精神症状の鑑別のため、頭部CT検査の優先度が高い。
2.(×)髄膜炎、くも膜下出血、多発性硬化症などの鑑別のために、腰椎穿刺が必要になってくる。
3.(×)現在興奮はなく、隔離室への保護は精神保健指定医の指示がなければ行うことはできない。
4.(×)抗精神病薬は医師の診断後、指示があり投与する。