【母性】30歳の経産婦。妊娠41週5日。規則的な陣痛が発来し、午前10時に入院した。入院時診察で、子宮底長32cm、腹囲88cm、血圧112/70mmHg、尿蛋白(-)、分娩監視装置を装着した結果、4~5分間欠の陣痛がみられ、胎児心拍基線は140bpmであった。午後1時、淡緑色の羊水の流出がみられた。午後2時、体重3,050gの児を娩出した。1分後のアプガースコアは6点で口鼻腔吸引が行われた。5分後のアプガースコアは9点であった。
児に起こりうるのはどれか。
1.上気道閉塞
2.低酸素性虚血性脳症
3.胎便吸引症候群(MAS)
4.呼吸窮迫症候群(RDS)
―――以下解答―――
(解答)3
<解説>
1.(×)上気道閉塞とは咽頭の閉塞が原因の無呼吸である。5分後のアプガースコアが9点であることから考えにくい。
2.(×)低酸素性虚血性脳症とは、低酸素と虚血による脳細胞の障害をさす。5分後のアプガースコアが9点であることから考えにくい。
3.(○)羊水混濁があることから、胎便吸引症候群が最も起こりうると考えられる。
4.(×)呼吸窮迫症候群は肺の未熟性に由来する呼吸障害である。在胎週数が短い場合や低体重であるほどリスクが高い。本事例の場合は、正期産で体重も正常範囲なので問題はない。