【老年】Aさん(74歳、男性)は、強い下腹部痛のため救急車で搬入された。Aさんは顔面蒼白で、冷汗をかき、腹部を押さえている。一緒に来た妻は、「夫はいつも尿が出にくい。夜は、3回はトイレに行くのに、昨夜は行かなかった。今朝もポタポタとしか出なかった。便秘はしていない」と話した。Aさんは4年前に脳梗塞になり、重い構音障害があるが理解力に問題はなく、身の回りのことは全部自分でできている。搬入時のAさんは、看護師と視線を合わせることができ、問いかけにはうなずきで答えている。処置を終えたAさんは、治療のため入院した。
Aさんとコミュニケーションをとるうえで適切なのはどれか。2つ選べ。
筆談用の文房具を準備する。
理解を助ける絵カードを準備する。
構音の間違いを直して練習させる。
補聴器や眼鏡の使用状況を妻に確認する。
問いかけはopen-ended question(開かれた質問)にする。
―――以下解答―――
(解答)1,4
<解説>
1.(○)構音障害があることから、筆談は適切である。
2.(×)Aさんは理解力には問題がない。
3.(×)構音障害を治そうとしても限界があり、Aさんにとってストレスとなる。
4.(○)74歳という年齢から、聴覚や視力を補うための方法を用いているかを確認する。
5.(×)構音障害があることから、「はい」「いいえ」で解答できる「閉じられた質問」を主体とする。