【成人】Aさん(50歳、女性)は右乳癌と診断され、手術を受けるために入院した。Aさんは夫を3年前に腎臓癌で亡くしたが、貸しビル業を引き継いでおり、経済的な問題はない。趣味はテニスである。Aさんに右乳房温存腫瘍摘出術と腋窩リンパ節郭清が行われ、腋窩部にドレーンが挿入された。Aさんは、病室に戻ったころより患側上肢のだるさを訴えている。ドレーンを挿入したAさんへの対応で適切なのはどれか。
1.ドレーンは水封式吸引装置に接続する。
2.積極的な上肢回旋運動でドレーンからの排液を促す。
3.ドレーン抜去時まで刺入部のガーゼ交換は行わない。
4.ドレーンを抜去した翌日から全身のシャワー浴は可能である。
―――以下解答―――
(解答) 4
<解説>
1.(×)胸腔内をドレナージするときは水封式吸引装置を用いるが、乳房温存腫瘍摘出術後のドレーンは皮下に挿入されるため、水封式ドレーンは必要ない。
2.(×)腋窩リンパ節を郭清しているため、腋窩の安静が必要である。上肢は内転位を保つ。
3.(×)ドレーン挿入部の感染徴候がないか観察するため、毎日ガーゼ交換を行う。
4.(○)ドレーン抜去部をフィルムドレッシング材で密封すれば、全身のシャワー浴は可能である。