【成人】48歳の男性。職場の健康診断で大腸癌が疑われ来院した。検査の結果、下部直腸に腫瘍があり、低位前方切除術が施行された。術前に自覚症状はなく、入院や手術は初めての経験であった。後順調に経過し翌日には離床が可能となった。歩行訓練を促したが、患者は創部の痛みを訴え拒否している。術後の痛みに対しては、硬膜外チューブから持続的に鎮痛剤が投与されている。
対応で適切なのはどれか。
1.痛みがある間は歩行できないと説明する
2.歩行訓練を1日延期することを提案する
3.痛みを気にしないで歩くように説明する
4.鎮痛剤を追加使用して歩行を促す
―――以下解答―――
(解答)4
<解説>
1.2.(×)痛みを伴っても、呼吸器・消化器合併症を予防するために早期離床を開始することが必要である。
3.(×)疼痛は術後24時間がピークであり、気にしないで歩くことは難しい。鎮痛剤による鎮痛が必要である。
4.(○)痛みによって離床が遅れることは術後回復にとって有効ではない。十分な鎮痛をはかり、離床を進ませることが重要である。