【成人】Aさん(65歳、男性)は、右下葉の肺癌(T3N2M0)と診断され、抗癌化学療法(シスプラチン+エトポシド)1クール4日間を4クール行うことになった。入院時のAさんは、体温36.2℃、呼吸数18/分、脈拍72/分、血圧124/74mmHgであった。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉は98%で、咳嗽が時々みられるが、痰の喀出はなく、胸部の聴診にて副雑音はない。Aさんの血液検査の結果は、白血球5,600/μlアルブミン3.7g/dl、CRP0.3mg/dlであった。Aさんは20歳のころから毎日20本の煙草(たばこ)を吸っていたが、60歳のときに禁煙した。
Aさんの入院時の状態で正しいのはどれか。
1.喫煙指数(ブリンクマン指数)は60である。
2.肺炎の徴候がみられる。
3.低栄養の可能性がある。
4.リンパ節転移がある。
―――以下解答―――
(解答)4
<解説>
1.(×)喫煙指数は800(毎日20本×40年)である。
2.(×)白血球数やCRPなど感染を示す検査データは正常であり、体温や呼吸状態、胸部の聴診にも異常はみられない。肺炎の徴候はないと判断する。
3.(×)アルブミンは3.7g/dlで、低栄養(3.0g/dl以下)ではない。
4.(○)TNM分類で、リンパ節転移を示す[N]が[2]なので、リンパ節転移があると判断する。