【成人】53歳の男性。営業職の会社員。喉頭癌の診断を受けた。医師から、声帯への浸潤と両側の頸部リンパ節転移とがあり、治療法として喉頭全摘術、放射線照射および化学療法があることが説明された。翌週、妻と再度受診し治療方針を決めることとなった。患者は妻に伴われ受診し、病状から手術療法が勧められた。「手術で声が出なくなるなんて、どうしたらよいのだろう。仕事はできなくなるし」と不安そうである。妻は「夫は最近ふさぎ込み、よく眠れないようです。がんのことも、今の夫の状態も心配です」と話した。
夫婦への対応で最も適切なのはどれか。
1.「この際思い切りも大切ですよ」
2.「奥さんはもっとご主人を励ましてください」
3.「手術のことはしばらく考えないようにしましょう」
4.「補助具で発声できますから前向きに捉えてみましょう」
―――以下解答―――
(解答)4
<解説>
1.(×)患者の悲しみや不安を受け止めていないので適切ではない。
2.(×)励ましでは不安は緩和されないと思われる。
3.(×)現実からの逃避を促す働きかけである。不安をむやみに長引かせるだけなので適切ではない。
4.(○)術後は声が出なくなるという不安に対し、人工喉頭という補助具により対処できるという方法を伝え、希望をもたせているため適切である。