【成人】54歳の女性。激しい頭痛と嘔吐の後、意識を消失したため搬入された。呼吸数12/分、不規則。脈拍50/分。血圧210/120mmHg。瞳孔不同がみられる。考えられるのはどれか。
1.一過性脳虚血
2.脳ヘルニア
3.てんかん
4.片頭痛
―――以下解答―――
(解答)2
<解説>
1.(×)一過性脳虚血発作は脳血管障害の1つ。脳の一部への血流が障害された結果起きる一時的な脳機能障害である。めまい、しびれ、意識障害など突然起こり、急激に悪化する。神経症状は多くは1時間以内に長くても24時間以内に消失する。
2.(○)脳ヘルニアは、一般的な脳圧亢進症状である頭痛、吐き気、意識障害が生じる。次に中脳の圧迫により動眼神経麻痺が生じて、散瞳を生じる。
3.(×)てんかんは種種の病因によってもたらされる慢性の脳疾患であり、大脳ニューロンの過剰な放電から由来する反復性の発作(てんかん発作)を主徴とする。てんかん発作に伴う主な症状は、強直性、間代性などの不随意運動、つまり痙攣である。大半の発作は一過性であり、数分~十数分程度で回復するのが一般的である。
4.(×)片頭痛は、体の知覚の変化、激しい頭痛、吐き気といった症状によって特徴付けられる神経学的症候群である。典型的な片頭痛の症状は片側性(頭の半分に影響を及ぼす)で、拍動を伴って4時間から72時間持続する。症状には吐き気、嘔吐、羞明、音声恐怖などがある。