• 公開日: 2014/1/28
  • 更新日: 2020/3/26

【連載】看護師 国家試験対策・過去問

2008年度(第97回)看護師国家試験 過去問題 午後51

【成人】34歳の男性。運送会社で配達を担当している。6ヶ月前の職場の健康診断で、血圧142/90mmHg、尿蛋白(2+)、尿潜血(2+)を指摘されたが放置していた。1週前、風邪症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgAが高値のため精査が必要となり入院した。仕事が忙しくなり、退院後は一度も受診せずに2年が経過した。2ヶ月前から疲れやすくなったが、仕事のせいだと思い放置していた。1週間前から息切れ、食欲不振、および浮腫が出現し、昨日から眠気と嘔気および嘔吐とがあり外来を受診した。体温36.5℃。脈拍数98/分。血圧238/112mmHg。血液検査で尿素窒素100mg/dl、クレアチニン12.0mg/dl、Hb7.1g/dl。胸部エックス線写真で心拡大と肺うっ血とが認められ入院した。

直ちに行われるのはどれか。

1.輸血

2.血液透析

3.利尿薬の内服

4.胸腔ドレナージ















―――以下解答―――

(解答) 2 

<解説>

1.(×)貧血の原因は、腎臓から分泌される造血ホルモン(エリスロポエチン)の不足と考えられる。輸血ではなくエリスロポエチンの投与によって対応する。

2.(○)血液透析の適応は、クレアチニン8mg/dl、尿素窒素100mg/dl以上である。患者はこの基準を満たしているほか、心拡大と肺うっ血がみられ、体内に水分がたまりすぎている。ただちに血液透析を行う必要がある。

3.(×)利尿薬の投与だけでは体外に水分や老廃物を排泄させることはできない。

4.(×)胸腔ドレーンは胸腔に貯留した液体や気体を排除するものである。肺うっ血は胸腔内に液体がたまったわけではないので、胸腔ドレーンの適応にはならない。

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