• 公開日: 2019/2/1
  • 更新日: 2020/3/26

【連載】知りたい! ナースの妊娠

第4回 ナースのための妊娠力アップ大作戦!

妊娠したいときに子どもを授かるためには、妊娠しやすい環境や体づくりが大切。ここでは、生活習慣・セックス・食事・体づくりの4つの項目から具体的な方法を紹介します。

夜勤&疲労回復対策~生活・勤務体制編~

寝始めの90分がカギ

妊娠力をアップするために、生活のリズムを整えること、体や心の疲労を休養によってできる限り減らすことは重要な要素の一つとなります。生活のリズムを整えるためには、先述のように勤務体制を夜勤から外来や日勤に変更してもらうことも視野に入れたほうがよいかもしれません。

しかしどうしても夜勤が外せないナースも多いことでしょう。そんなナースのための睡眠術を小杉医師に聞きました。 小杉医師によると、睡眠で大切なのは量より質。中でも寝始めの90分間は良質な睡眠へのカギを握っているため、特に大切とのこと。日中でも部屋の明るさは遮光カーテンなどでできる限り暗くし、なるべく音の少ない静かな場所で眠りにつきましょう。 良質な睡眠中は別名“若返りホルモン”とも呼ばれている「成長ホルモン(hGH)」が分泌されやすくなります。成長ホルモンはタンパク質の合成を促して子宮はもちろん、体全体の劣化(炎症や高齢化)を修復する働きがあります。

できれば4日に1回!~セックス編~

意外に低い決め打ちセックスの成功率

排卵日付近でのセックスが妊娠しやすいことは知られていますが、じつは排卵日以外のセックスの重要性は意外に知られていません。 原医師によると、女性の体は定期的なセックスで妊娠しやすい体に近づいていきます。セックスを定期的に行うことで、月経周期や排卵が順調に整い、心の安定にもつながるのです。目安としては生理期間を除いて4日に1回程度のセックスが理想。排卵日だけの決め打ちセックスでは、授かる確率は30%程度に過ぎません。

リラックスして楽しむことが大切

また、セックスの際は気持ちをリラックスさせることも重要です。義務感や子づくりのためだけのセックスよりも、カップルで楽しめているセックスのほうが妊娠力がアップします。実際に、長期休暇などお互いがリラックスした環境でのセックスで妊娠するカップルも多いものです。

COLUMN

排卵日前のセックスで女の子、当日は男の子のウソ・ホント よく排卵日の2~3日前のセックスでは女の子、排卵日当日のセックスでは男の子が授かりやすいといわれています。 しかし、原医師によると「精子には、卵子と受精したときに女の子になるX精子と男の子になるY精子がありますが、X精子はY精子に比べて比重が重くスピードがゆっくり、ただし寿命はY精子より長め。さらに女性の膣内のpH(酸性)にも強いという特徴もあります。そのため、X精子はY精子が死んでしまった後も卵子を待っていることができやすいのです。反対にY精子はスピードが速く数も多いのですが、寿命が短いのが弱点。酸性にも弱い精子です。そのため、瞬発力で卵子に向かいます」。 以上のことから排卵日前は女の子、当日は男の子といわれていますが、もちろん、性別はこの要素だけで決定されるものではありません。

忙しいナースもこれで万全!~食事編~

3大栄養素をバランスよく

第1回で紹介したアンケート調査では、食事内容による不妊の心配を挙げている人は少なかったのですが、実は妊娠・出産を考える上で食事はとても大切な要素。ちょっとした食事への気配りで産める体へ近づけることができます。 小杉医師に忙しいナースにも取り入れやすい食事のコツを聞きました。

まず第一に炭水化物・脂質・タンパク質の3大栄養素をバランスよく摂ること。いずれも多すぎても少なすぎてもよくありません。特に女性はダイエットなどにより脂肪を極端に減らすことがありますが、脂肪は妊娠・出産に欠かせないホルモンの原料にもなるものです。さらにダイエットなどでBMI値が18.5未満になると生理が止まることも。

ブロッコリースプラウトに注目!

またストレスは体を酸化させますが、子宮が酸化すれば妊娠力は下がってしまいます。抗酸化作用のある食品を積極的に摂ることがストレス対策になります。お勧めはブロッコリースプラウト。1日1パック程度の量を意識して小まめに食べるとよいでしょう。ちなみにブロッコリースプラウトの抗酸化・解毒作用は、美肌や老化予防効果も期待できます。 ブロッコリーと同じアブラナ科の植物、例えばキャベツや大根などの野菜は、これから妊娠したい女性にぴったりの食材。妊娠時の羊水の濁りを予防し、胎児の障害を防ぐとともに知能の向上にも役立つとされています。週3回程度でもよいので意識的に摂るようにしましょう。

オススメ食材

※(次ページでは、骨盤底筋アップ体操を紹介します。)

関連記事

看護知識

ナース専科で看護知識を”学ぶ”記事ランキング