新年度から看護師になる皆さん!なかには一人暮らしをスタートする人もいるのではないのでしょうか。新たな生活がはじまるときは少なからず不安もありますよね。ここでははじめての一人暮らしで必要なものや新生活をスタートさせるまでの流れ、はじめての1人暮らしで注意するポイントを紹介します。
目次
【事前準備編】一人暮らしでやることリスト
はじめての一人暮らしで事前に準備すべきことは次のとおりです。
1〜3月は新生活を始める人が増えます。不動産屋や引越し業者にとってハイシーズンとなるため、事前準備はなるべく早く取り掛かりましょう。とはいえ秋以降は国家試験の準備で忙しくなるため、就職先が決まったらスキマ時間を活用して少しずつ準備してくださいね。
お部屋探し
お部屋探しの流れと確認すべきポイントを解説します。
お部屋探しの流れ
お部屋さがしの流れは次の5ステップです。
- エリアを絞る
- お部屋の条件を決める
- ネットや不動産者でお部屋を探す
- 内見する
- 契約する
お部屋探しの条件が定まっていないと、目移りしたり不動産屋でぴったりの物件を紹介してもらえなかったりするため、効率が悪くなってしまいます。まず住むエリア、家賃、間取りなど希望の条件を決めましょう。
次に、物件情報だけではお部屋の細かな状態がわからないため、気になる物件が見つかったら内見することをおすすめします。遠方に引っ越す予定で内見に行けない場合は、オンライン内見ができる物件をチェックしてみてください。
内見で確認すべきポイント
内見で確認すべき点は以下のとおりです。看護師ならではのポイントも紹介するので参考にしてください。
- 近くに24時間営業の店があるか
- 外からの騒音や隣人の生活音が聞こえないか
- 夜間の騒音や防犯面は心配ないか
- 日当たりは良いか
- 携帯の通信環境に問題がないか
- 部屋に汚れや設備の破損がないか
- コンセントの数と場所は問題ないか
夜勤がはじまると生活が不規則になるため、周辺に24時間営業しているコンビニ、スーパー、コインランドリーなどがあると重宝します。車通勤の人は近くに24時間営業のガソリンスタンドがあるかもチェックしておきましょう。また夜間の帰宅や、日中に睡眠を取ることもあるため、防犯面や騒音を確認することもおすすめです。
引越し前に確認すること
お部屋が決まったら、引越し前に以下の点を確認しておきましょう。病院の寮で一人暮らしをはじめる人も同じくチェックしたいポイントです。
- 入居可能日の確認
- 配置したい家具の場所とサイズ
- コンセントの位置
- 必要な照明器具の数やサイズ
まず必ず確認すべきことは入居可能日です。明確な日程が決まらないと引越し業者の手配ができないので、早いうちに不動産の方や管理会社に確認しましょう。
また、家具や家電はできる限り引越し前に購入し、引越し当日に搬入するとスムーズに新生活をスタートできます。そのためには、引越し前に大まかに家具家電の設置場所を決めて、サイズ感を確認しておくことが必要です。コンセントの位置も家電の設置場所に関係するので、チェックしておきましょう。
引越し業者の選定
引越し業者の選定は、次の3ステップです。
- 相見積もりをとる
- 料金とサービス内容を比較
- 2〜3社にしぼり訪問見積もりをとる
引越し業者には大手や地域密着型の会社があり、それぞれ料金やサービス内容が異なります。複数の業者に見積もりを依頼し、料金やサービス内容を比較しましょう。相見積もりは一括見積もりサイトがおすすめです。いくつかの業者にしぼったら、荷物の量を伝え具体的な値段やサービスを確認してください。
引越し料金は、混雑しやすい時期を避けると安くなる傾向にあるようです。費用をおさえたい人は3月上旬や平日を選ぶと良いでしょう。大手引越し会社のなかには、料金目安のカレンダーを公開しているところもあるので確認してみてくださいね。
ライフラインの申し込み
以下の表に、必要なライフラインの申し込みと手続き時期の目安をまとめました。
手続き時期の目安 | 立ち会い | |
---|---|---|
電気 | 引っ越しの1~2週間前 | 不要 |
水道 | 引っ越しの3~4日前 | 不要 |
ガス | 引っ越しの1~2週間前 | 必要 |
インターネット回線 | 引越しの1カ月前〜 | 不要 |
ライフラインは電話やインターネット、郵送で申し込みできます。各業者の申し込み方法は、ホームページなどで確認してください。引越し当日に使用できるよう、電気や水道の申し込みは必ず事前にすませておきましょう。
ガスの開通には立ち会いが必要です。引越しシーズンになると業者が混み合うこともあるため、開通の立ち会い日を予約しておくと安心でしょう。また、ガスと電気は業者によってお得なセットプランもあるため、申し込むときは一度料金内容について確認することをおすすめします。
ネット回線の開通は時間がかかる場合があるため、利用したい人は早めに申し込みましょう。賃貸物件や寮のなかには、利用できるネット回線が決まっている場合やネット回線完備の物件もあるため、契約前の確認が大切です。
荷造り
荷造りは意外と時間がかかるので、余裕をもって始めておくと良いでしょう。新たに買い揃えるものなどは、初めての一人暮らしで必要なものリストを参考にしてみてください。
用途や収納場所ごとにグループわけしてから荷造りするとスムーズです。現状使っていないものから梱包していきましょう。
【引越直後編】一人暮らしでやることリスト
ここからは引越し当日にやることと、翌日以降にやることをそれぞれまとめました
引越し当日にやること
鍵を受け取りお部屋に入ったら、はじめにライフラインを確認してください。手違いなどで使えない場合は、早めに問い合わせたほうが良いからです。
つぎにお部屋の状態をチェックします。内見時になかったキズや汚れ、設備の不備があればすぐに不動産屋に問い合わせましょう。退去時のトラブルを防ぐため、荷物を入れる前の部屋を写真に残しておくこともおすすめです。
そのほか荷物の搬入前に掃除しておくと、荷物が届いてからスムーズに設置できます。また、当日は引越し作業と片付けでバタバタするため、寝る場所や食事を事前に確保をしておくと安心ですよ。
引越し翌日以降にやること
引越し翌日以降で早めにやるといいことは、住所変更などの手続きや生活必需品の買い出しなどです。
各種手続き
以下の表に、引越し後に必要な手続きをまとめました。
手続きが必要なもの | 手続き先 |
---|---|
住民票 | 転入先の市町村の窓口 ※一部オンライン手続きが可能 |
マイナンバーカード | 転入先の市町村の窓口 |
運転免許証 | 転入先の警察署や運転免許更新センターの窓口 |
郵送物の転送サービス | 最寄りの郵便局窓口・郵送・インターネット |
銀行口座・クレジットカード | 窓口・インターネット・電話 |
携帯電話 | 窓口・インターネット・電話 |
仕事が始まると忙しくなるため、手続きに行く時間が取れない場合もあります。引越しにともなう手続きは、なるべく入職日前までにすませておきましょう。転居届と免許証などの身分証明書を最初に変更しておくと、他の手続きがスムーズにできます。
銀行口座やクレジット、携帯電話の住所変更は会社により申し込み方法が異なります。詳細は会社のホームページなどで確認してください。
ちなみに看護師免許は本籍地で登録されるため、本籍を他県に移さないかぎり住所変更は不要です。ただし看護師免許の登録済証明書の送付先には注意が必要です。看護師免許は申請から受け取りまで日にちがかかるため、就職先の病院から「登録済証明」の提出を求められる場合があります。必要な人は免許申請時の登録済証明はがきに記載する住所を、引越し先の住所にしておきましょう。
生活必需品の買い出し
生活必需品を買うときは、3つのポイントをおさえておきましょう。
- 最低限の生活必需品は仕事が始まる前にそろえておく
- その他の生活必需品は徐々に買い足していく
- インテリアなどこだわりがあるものは時間をかけてじっくり選ぶ
必要最低限の日用品、食品などは、仕事が始まる前の時間があるうちにそろえておきましょう。ただし急いで買い揃えようとすると、不要なものまで買ってしまう恐れがあります。今すぐに必要なもの以外は徐々に買い足していくのがおすすめです。とくにインテリア用品や便利グッズなどは、新生活にある程度慣れてきたタイミングでゆっくり探していくとよいでしょう。
はじめての一人暮らしで必要なものリスト
ここからははじめての一人暮らしで必要なものを解説します。
引っ越しまでに準備するもの
引越しまでに準備するものとは、引越し初日で必要なものや引越し日に搬入したほうが良いものです。引越し前に準備するものをリストにまとめました。
引越しまでに準備するものリスト | |
---|---|
生活家電 |
☐ 冷蔵庫 ☐ 洗濯機 ☐ 電子レンジ ☐ 掃除機 ☐ 照明 ☐ エアコン ☐ テレビ |
家具 |
☐ カーテン ☐ 寝具一式 ☐ テーブル |
引越し当日に使う日用品 |
☐ トイレットペーパー ☐ シャンプー・リンス・ボディーソープ ☐ 歯ブラシ・歯磨き粉 ☐ 洗面用具 ☐ タオル類 |
引越し作業に使う道具 |
☐ ごみ袋 ☐ 掃除用具 ☐ 工具類(ドライバーなど) ☐ ハサミ・カッター |
家具や家電は引越し日に搬入してもらうと移動の手間が省けるため、引越し前に購入しておくか引越し日に配達してもらうのがおすすめです。引越し当日はバタバタするため、当日に使う最低限の日用品は事前に準備しておきましょう。照明器具やエアコン、テレビは必要に応じてそろえてください。
引越し後にそろえるもの
いざ生活してみると、こまごまとしたものがそろっておらず困るものです。引越し後にそろえるものをまとめたので、必要に応じて準備してください。
引越し後にそろえるものリスト | |
---|---|
キッチン用品 |
☐ コンロ ☐ 調理器具 ☐ 調味料類 ☐ 食器 |
バス・トイレ・洗面 |
☐ 掃除用具 ☐ バスマット ☐ シャワーカーテン (ユニットバスの場合) |
洗濯用品 |
☐ 洗剤 ☐ ハンガー ☐ 物干し ☐ 洗濯ばさみ |
日用品 |
☐ ゴミ箱 ☐ ティッシュペーパー ☐ 収納ボックス |
看護師の一人暮らしであると便利なもの
ここでは看護師ならではの一人暮らしにあると便利なものを紹介します。
遮光カーテン
夜勤が始まると日中に睡眠をとることもあります。外の光が睡眠の妨げにならないように、入居時から遮光カーテンにしておくことをおすすめします。
時短家電
看護師は忙しく不規則な生活になりがちなため、時短家電があると一人暮らしの生活も楽になります。洗濯乾燥機や電気調理鍋、ケトルなど、予算や必要頻度にあわせて取り入れてみてください。
すぐに食べられる食材
社会人1年目は慣れないことも多く、帰宅後は疲れて何もしたくない日もあるかもしれません。準備せずに食べられる食材や、調理が簡単なものをいくつかストックしておくと買いに行く手間も省けますよ。
看護師のはじめての一人暮らしの注意点
ここでは看護師ならではの一人暮らしの注意点を紹介します。
寮と賃貸の選択
就職先の病院に寮がある場合は、寮と賃貸のどちらを選ぶか迷う人もいるでしょう。そこで寮と賃貸、それぞれのメリットとデメリットをまとめました。比較して自分にあうほうを選んでみてください。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
賃貸 |
住みたい場所を選べる 好きな物件が選べる ペット可の物件もある |
初期費用がかかる 寮より家賃が高め |
寮 |
職場から近い 家賃が安い 防犯面で安心 |
救急車の音が気になる プライバシーが保ちにくい 入居の条件やルールがある |
賃貸は自由度が高いのがメリットですが、費用がかかるのがデメリットです。賃貸は敷金や礼金がかかる物件が多いため、とくに初期費用が高額になりがちです。一方、病院の寮は家賃が安く、通勤や防犯面で安心できるのがメリットです。
ただし職場との距離が近いため、サイレンの音が気になる人や、職場の人との距離が近く嫌だと感じる人もいるようです。また独身限定などの入居条件がある場合や、部外者の立ち入り禁止などのルールが決まっている場合もあります。
防犯対策
看護師は夜勤がある職場がほとんどです。2交代夜勤では一晩家を空けることになり、3交代勤務の職場では、夜間に外出したり帰宅したりすることもあるでしょう。また、入職後すぐは日勤でも帰宅が遅くなることもあるかもしれません。そのため防犯面で安心できる部屋を選ぶことが大切です。
費用
家賃に光熱費、食費など、一人暮らしはなにかとお金がかかります。2022年 病院看護・助産実態調査 報告書によると、看護師の平均初任給は26〜27万円とされていますが、社会保険料などが差し引かれ手取り額は21万円程度です。
夜勤がはじまるまでは夜勤手当もつかないため、一人暮らしにかかる費用を支払うと、自由に使えるお金が少なくなることも。新生活を始める前に、働きだしたらどのぐらい収入があり、一人暮らしの費用がいくらかかるのか把握し、やりくりできるよう月の予算を決めておくとよいでしょう。
一人暮らしが不安なあなたへプチアドバイス
新生活ははじめての一人暮らしとはじめての仕事で不安も多いですよね。生活していけるのか、さみしくないのか、仕事は大丈夫なのかなど、あれこれ考えてしまうものです。はじめての環境に戸惑い、新人看護師として余裕がない毎日になるのも当たり前です。もし不安になったときは、次のポイントを意識して一人暮らしを楽しんでくださいね。
すべて完璧にやろうとしない
慣れない仕事に疲れ、家に帰ったら何もしたくない日もあるでしょう。最初から仕事も一人暮らしも完璧を求めすぎると余計に疲れてしまいます。仕事でへとへとな日は、洗濯物がたまってもコンビニご飯になってもOK!ときには家事をお休みして、ゆっくり身体を休めましょう。
たまには自分にご褒美を
はじめての仕事と一人暮らしは、上手くいかないことやさみしくなることもあります。頑張りすぎずに、たまには自分を労わる時間を作ってください。ご褒美に好きな物を買うでもよし、休日に趣味に没頭する時間を作るでもよし、自分へのご褒美を忘れないでください。
困ったときには人に頼って
困ったときにはひとりで頑張りすぎずに、人に頼りましょう。体調をくずしたときには、家族や友人に頼る、仕事で落ち込んだ日は同期に話を聞いてもらうなど、新生活は周りの人に助けてもらいながら自分のペースで慣れていってください。
有意義な新生活をスタートさせよう!
はじめての一人暮らしは、お部屋探しから引越し、手続きまでやることがたくさんあります。看護師として働きだすと戸惑いもあり忙しくなるため、なるべく入職前に生活環境を整えておくと安心です。はじめての一人暮らしの準備としてやるべきことを確認し、早めに取り掛かりましょう。
【こちらもチェック!】基礎看護技術を学ぼう
入職後は覚えなければならないことも多く、自己学習も必要になります。ただどのように自分で勉強すればいいのか迷ってしまう人もいるでしょう。ナース専科では、看護知識やキャリアなど看護師さんに役立つ情報を日々発信しています。以下では、新人看護師が知っておきたい基礎看護技術について、図や画像を使いながら目的、根拠、手順、手技のコツまで詳しく解説しまとめています。ぜひご活用ください!
参考
厚生労働省:資格申請案内(2023年12月26日)
日本看護協会:2022年 病院看護・助産実態調査 報告書(2023年12月26日閲覧)