編集部セレクション
  • 公開日: 2021/10/1

褥瘡ケア、イソジンの使い方はコレで良いの?

「ラウンジ☆セレクト」は「ラウンジ」で盛り上がった話題と、そこに寄せられたみなさんのご意見を紹介しています。

 今回のトピック 
療養型の小さな病院に勤めているんですが、褥創の処置でイソジン消毒した後に生食で洗い流し、指示の軟膏を塗布という方法をしています。消毒したのに洗い流すって変だと思うのですが、理由はイソジンは皮膚に残っていると良くないと医者の指示なんだそうです。
イソジンが皮膚に良くないのは調べて分かったのですが、イソジン消毒して洗い流すなら生食で洗い流すだけじゃダメなんでしょうか?
同じような処置の方法とられている方いらっしゃいませんか?

 

イソジンの使い方、これで正しいの?

■昔は同じようにしていました。

18年ぐらい前にしてましたよ。イソジンが長時間皮膚に残っているとダメージが大きいからイソジン消毒して2分ぐらいまって生食洗浄して軟骨塗布という指示が当時は全てでてました。

だいぶ昔(17~18年前)にその方法で褥創処置していましたが、今は石鹸でよく洗い、微温湯で洗い流しています。

■今はイソジンを使わない?

イソジンを使用すると皮膚の再生に必要なタンパク質を殺してしまう、ということで褥瘡にはイソジンを使わないのが一般的だと思ってました。

認定看護士の話ではイソジンは皮膚組織の形成を妨げるとかで、イソジンを使ってる所は殆どないです。弱酸性の泡石鹸で不良肉芽を洗い流し、ドレッシング剤を使っています。

褥創そのものが感染を疑うものでなければ、イソジン消毒は不必要かと思います。

褥瘡は基本的に洗浄は微温湯で十分と思います。最近はイソジン消毒はしないですね。皮膚の細胞が壊れるとも。

■イソジンを使うなら…

クリィティカルコロナリゼーションという言葉をご存知でしょうか?菌が増殖し治癒を遅らせたり悪化させそうな状態です。その時に、一時的にも菌数を減らす消毒イソジンを使います。

イソジン綿球で表面をこすりながら微温湯を流します。(痛いと言われても)こすることで表面の雑菌や分泌物・今まで付いていた軟膏等が取れ、同時に流す事で菌の繁殖を防げます。その後、清潔ガーゼで優しく水分を拭き、状態により軟膏+ガーゼだったり、ドレッシング材だったり。最後は皮膚への負担が少ないので、防水フィルムで保護しています。

イソジン消毒で褥瘡ケアを行う場合は、イソジン消毒液を十分に乾燥させないと消毒効果が発揮しないので、十分に乾燥させてからガーゼ、カテリープ保護しています。褥瘡部位を石鹸で泡立てて洗浄(石鹸を十分に洗い流す)→消毒or軟骨+カテリープorガーゼ保護、という風に行っています。

イソジンの付着自体は良好な皮膚の形成を妨げかねないから、消毒後に生食洗浄し死菌を洗い流して軟膏処置の手順は今のところ手技的に新しいものと思われます。

■みなさんの職場での褥瘡ケアって…?

微温湯か正食で洗い流します。消毒はしていません。

瘡の周りの浸出液などの汚れに微温湯で流した後、優しく泡立っているビオレなどで洗い、先にクリーニングしてある下用タオルや滅菌してないガーゼで優しく泡を押さえとり、瘡、瘡周囲を微温湯で流します。水分は、瘡も、瘡周囲もソフトに押し拭き取ります。そして、医師の塗布剤またはハイドロサイトADなど使用となります。洗浄方法は、表皮剥離から、筋層まで統一です。

最近大学から外来にきている医師達の指示は「石けん洗浄+軟膏+ガーゼ保護」もしくは「石けん洗浄+カテリープ」でした。

コラージュフルフルとか、ビオレで洗ってから微温湯で、洗い流します。そして、指定された軟膏を塗布ですかね。デクビ処置ではイソジンは使用しません。

基本は洗浄であり、消毒が不要なケースがほとんどでしょう。ただし、「イソジンは絶対使わない」「イソジンは古い」というのもありません。

日本褥瘡そう学会で調べて見てください。DESING-Rでの処置、評価が、スタンダードです

日本褥瘡学会でのDESIGNアルゴリズムを使用してはいかが?洗浄は水道水でいいですよ。コストの無駄

関連トピック:「 イソジン消毒した後に生食で洗い流す
イラスト・なしま

関連記事