編集部セレクション
  • 公開日: 2021/6/7

命を守るための抑制、看護師も必死なのに…

「ラウンジ☆セレクト」は「ラウンジ」で盛り上がった話題と、そこに寄せられたみなさんのご意見を紹介しています。

 今回のトピック 
わかってるんです、家族にとって患者さんが抑制されてるのがイヤなことは。私だって家族がされたらイヤだろうし、好きで患者さんにもしてないです。

別に家族に文句を言われたわけじゃなく、必要なんですか?てあくまで穏やかに聞かれただけ。
だけど、呼吸器管理で気切チューブ抜かれるわけにはいかないんです。たぶんご本人もイヤなんだろうけど、守るものは守らないとホント命にかかわるから!せっかく少し上向きになってきた状態を守るために私達も必死です!!
って叫びたい気持ちでいっぱいの日でした。

ちなみにウチの病棟だと、今回の場合はよっぽど付きっきりになれない限り抑制解除は絶対ないです。
疲れてて、余裕なくて、家族の一言に過剰にショック?を受けてしまった…

 

命を守るための抑制…

■抑制、賛否両論

呼吸器管理の時は、必ず抑制でした。体幹ベルト、手首は痕がつかない程度、すり抜けないように。誰だって好きでやってないですよね。仕方ないと、自分に言い聞かせてましたよ。

しょうがないといえば、冷たい言い方になるかもしれませんが、患者さまへの安楽ではなく安全への対応ですから。

抑制をしたくてする人はいませんが、患者を守る為だけでなく自分たちを守る為、必要な処置と思いましょう。

私たちは何も悪いことしてません。最善ではないかもしれないけれど。

基本的に抑制反対です。その方の人生に責任をもって向き合うことが必要なのではないかと思います。医師ともディスカッションが必要です。

■抑制解除したらどうなる…?ナースの体験談

極力、抑制は避ける方向です。なので点滴の自己抜去で衣服やシーツが血だらけ、というケースはたまにあります。

ご家族がいらっしゃる間だけ外してあげてもいいかもしれません。でも、先輩ナースが家族がいるからと、すっかり忘れていてそのまま帰宅。マーゲンチューブを外されてしまったことがあります。

長く入院されている患者さまとか家族みたいに感じてきて、ミトンとか長くしているとムレるし…と甘い気持ちになってはずしてマーゲン抜かれた事があります…必要性を身にしみて感じました。

呼吸器、酸素吸入を外せない状態に加え、胃カテーテル挿入中、点滴24時間keepでしたが、認知症、精神疾患の方で、家族の付き添いもなかったので、ものの3分ももたずに全て外してしまうので拘束しました。

抑制すり抜けて夜中大暴れした患者さんいます。看護師が暴力も受けました。他の患者さんでも、家族が可哀想だと言うので、家族見守りで解除したら、すぐマーゲンチューブ抜かれました。

■非医療者はイメージが湧かない

抑制をしないことによって重篤な状態や危険な状態になる事を理解できていない家族は多いですね。

家族は自分の家族がそんな事をする訳ないと思っている方が多いのでありのまま事を話します。そうすると状況をわかってくれる家族がほとんどです。

私の父は、2度呼吸器抜管、気切抜管してしまいました。自分の命を守るためのものなのに理解できないので仕方がないと思います。3度目は、もうないからとセデーションをかけ抑制もバッチリお願い致しました。兄弟は、引いてましたがね。

祖父が入院したとき抑制されていました。果たして祖父はこんな風にされてまで生きていたいのかな。と思いながら祖父のこと見ていたのを覚えています。
看護師なってから抑制の必要性だったり、看護師の葛藤だったり理解できて、やっぱり家族は、本当に抑制のイメージやら理解やらってのは乏しいままサインをしてるのかなって思います。

■患者家族に理解してもらえる説明って?

抑制を家族が拒否すれば、家族に付きそってもらえればベストだよね。家族もきっと抑制の必要性がわかると思う。私はやっぱり家族に付きそってほしいと思う。

看護師の人数が限られており常時ついててあげられないことを謝罪し、なるべく外していく気持ちと、今の外せれない現状を伝え、ご家族様がなにも起こらないようにきちんと見ていただけれるのならお外ししますよ? …と伝えています(笑)

急性期であれば、「こうなれば解除できる」と、慢性期であれば、「こういう事象がおこると、このような危険性がある」と、説明しています。

抑制必要?と聞かれたら、管が抜かれてもいいんですか?ベッドから落ちてもいいですか?点滴抜いて出血多量になってもいいですか?との内容をオブラートに包んで家族らにも説明、そして自己暗示し、抑制することに申し訳なさやジレンマを感じる必要はない。

人は病院で死ぬのが当たり前になってから、老衰で死ぬことを忘れた方々が多いのではないでしょうか。これからは人が死ぬということ。を学術的に教育することも大事ではないでしょうか。
人の命を軽視する若者が増えているのも気になります。

■難しい問題…

家族の立場、看護師の立場は全く違うものですもんね。。守りたいものの視点が異なるから、こちらとしても苦しくなる。

必要なんですよね?と聞かれるのと必要なんですか?と聞かれるのではこちらの気持ちもだいぶ違うよなあと思いました。

アタシたちもどうしたら外してあげられるのかカンファレンスや知恵を出しあって極力抑制をしないようにするのも大事だと思います。

命をとるか、患者さんの意思にや尊厳を尊重するとしたらご家族はどちらを選ぶでしょうか。多分ご家族も理解はしているけれど、思わず出た言葉だと思いますよ。

外せないのは分かっていても、外してあげたい。そんな気持ちから「必要あるのか」と言う言葉になってしまったんだと思います。「給料倍にならないかなー」→「なったらいいね」くらいです。

関連トピック:「 抑制について。愚痴です。
イラスト・なしま

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