• 公開日: 2017/7/21
  • 更新日: 2020/3/26

【連載】日本一若い!? 訪問看護師の挑戦

第53回 タブレット端末が在宅医療を変える

今年7月から、タブレット型訪問看護運営システムを導入したケアプロ。iPadを使いこなすカッコよさだけでなく、効率的で確実なケアのサポートツールとして大活躍している。


クラウド型新システムの可能性は無限大

iPadを活用したタブレット型訪問看護運営システムを導入したことによって、看護スタッフ・事務スタッフともに1時間ほど時間を短縮することができている。ということは、この1時間を活用して、利用者宅をもう1件増やすこともできるのだ。

これまで利用者宅でカルテに記入していた看護記録をステーションに戻ってパソコンに入力。サービス算定も同様の手間をかけていた。

それが、クラウド型の新システムの導入によって、利用者宅でバイタルや看護記録などのデータを入力し送信すれば、訪問の実績となってサービス算定もできる。パスワードで情報を管理しているので、パスワードを入力すればスタッフ全員が情報を確認できるのだ。

いつでもどこでも作業ができるのは非常に効率的だ。夜間に緊急で訪問看護を依頼された場合、以前ならステーションに寄って利用者カルテで情報をチェックする必要があったが、iPad内の情報を検索すれば対応できるようになったことはありがたい。

利用者さまにも大好評の新システム

しかも、褥瘡など治療の過程を撮影することで、経時的に確認できるプログラムがある。これは褥瘡ケアだけでなく、さまざまなケースに活用可能だ。

たとえば、新人が単独で訪問した際、判断できかねる時にステーションに常駐するサポートスタッフへ画像を送信すれば、すぐさま電話で画像を確認しながらアドバイスを受けられる。

単に業務の効率化を目指すだけでなく、新卒訪問看護師を積極的に採用しているケアプロにとって、後方支援ツールとして非常に優れていると考える。iPadを使いこなしている新卒訪問看護師・小瀬はこう話していた。

「ネット検索で薬剤を確認したり、地図検索できるのはとても便利ですね。歌を使ったリハビリの時にサイトから取ってきた曲をその場で流すと、利用者さまも興味を持ってくださって、とても好評ですよ」

このような新システムを導入している事業所は、全国でもわずか1%程度だという。

ケアプロでは新システムの導入効果と課題について論文にまとめ、11月に開催される在宅看護学会で発表する予定だ。

ケアプロのケースを広くお知らせすることで、新しい訪問看護の形を示すことができればと考えている。

看護師がiPadを使用している写真

iPadの利用料は月6,000円

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