今回のエールは、緩和ケアチームで患者さんの心のケアに携わっている臨床心理士の鈴木雅子さんから。臨床心理士からみる、ナースの職場の現状と、ストレスフルな環境の中での上手な人間関係の作り方を紹介します。
働く人の悩み
どの仕事にも辛いことや悩みは色々ありますが、大体は『仕事の内容』と『人間関係』に分けられます。
「ミスして叱られた」「自分の仕事に自信がない」「仕事が面白くない」といった悩みは、知識や技術を学んだり、経験を重ねてスキルアップしていく中で解決可能かもしれませんし、解決に向けた目標設定も比較的しやすいものです。
では『人間関係』の問題はどうでしょうか? これは必ず”相手”がいるのが厄介で、解決策を見いだせず、悶々としていることが多そうです。
ナースのお仕事
病院の看護師と共に働いていると、何だかとても「大変そう」に見えます。生命を預かる医療者としての責任、医師をサポートする気配りとマネジメント力、立ち仕事や力仕事で体力勝負、夜勤による不規則な生活リズム……。こうした合間に新しい知識や技術の習得が求められます。
ハードワークの上に、患者には”優しく””献身的に”といった役割期待。「話しやすい」ポジションにいる看護師は、患者への精神的サポートの中心的役割を担いますし、苦情対応の窓口にもなります。
時に母性的に、時に毅然と対応できる人間力が求められるでしょう。看護職は肉体労働・知識労働、そして感情労働なのです。ただでさえストレスフルな状況に人間関係の問題が重なれば、心身とも疲れ切ってしまうことも時に仕方ない事かもしれません。
※次ページは、人間関係を良好にするためのアドバイスです。