最終回では、人とのつながりを作っていくことの大切さについて、お話します。
自分の職業にかかわるネットワークを築く
ソーシャルネットワーキングもありますが、私がここでお話しするのはプロフェッショナルのネットワーキングのことです。プロフェッショナルというとお堅い印象がありますが、幼馴染や友人同士の日常の他愛のない会話ができるプライベートネットワークと、自分の職業にかかわるネットワークの両方を早いうちから築いていくことをお奨めしたいです。
アメリカでは就職の際、推薦人が必須
私も年を重ねるまでは公式なネットワーキングはしていませんでした。季節の挨拶や、友人たちのイベント、転職や昇進時には連絡を取って近況を伝えたりする程度でした。日本で就職をするときには履歴書がメインだと思いますが、就職をアメリカでするには推薦人を履歴書とともに提出し、就職先が推薦人にコンタクトを取ることがあります。
推薦人は複数必要で、直接あなたがかかわった人たちが好まれます。例として、以前の教師・講師であったり、同僚であったり、クラスメートであったりと、普段の自分を知って評価してくれる人たちが推薦人になります。このようなときに、推薦人がいないという場合、そこでつまずいてしまいます。
そして、もし推薦人がやはり努力家で肩書きを持つ人がいれば、それはそれで履歴書の見栄えが良くなります。つまりあなたがネットワーキングをしている人たちの肩書きもあなたの力の一部になる可能性があるわけです。
ネットワークを介して仕事が広がることもある
そして、プロフェッショナルなソーシャルネットワーキングサイトLinkedInでもネットワークの中から、仕事を紹介されたり紹介したりということが行われています。ネットワークを築くためには出会いを大切にすることも必要です。ナースでありプロのスピーカーであるドナ・カーディロ氏は、ナースたちに”名刺を持ちなさい”とアドバイスをします。
面白い話ができ、気の合う人と出会ったとしても連絡先の交換がなければ、出会いがあってもその先が続かないというのです。”あの人、そういえば OOが得意だって言っていたなぁ”とか、”このような人材を探しているんだけれど……”、”こういう看護研究がしたいけれど……”というときに、名刺を交換していることで意外なチャンスが巡ってきたり、手助けが見つかることもあるのです。
ナースに名刺なんて……と、私も以前は思っていましたが、今はいつでも数枚は持ち歩くようにしています。管理職でなくてもいいのです。普通のナースでも持っていて構わないのです。そして、どこかで突然の出会いがあったときに手渡してみましょう。この小さな行動が大きなネットワークを気づいていく一歩になっていくでしょう。
終わりに
6回にわたり国際派ナースレシピをご覧下さりありがとうございました。看護も医療とともに変化し、従来のナースの役割にも大きな変化がおとずれています。
患者さんの特徴も変わり、医療の提供の方法も変わってきています。これらのレシピは看護先進国の経験を元にしていますが、いつかきっと今アメリカが経験している医療の問題が日本にもやってくることがあるでしょう。
今は必要ないと思われることでも、いつか”このことだったのか”と思う時が来るかもしれません。ナースの国際化は海外に出なくてもある程度は身につけられる! そんなレシピたちをご紹介しました。