「ハードな仕事に見合った給与が欲しい!」とは思うものの、なかなか大きな声で言えないのは世界中のナース共通の悩み。世界のナースは、この悩みとどのように向き合い、いかにして乗り越えているのかをご紹介します。
「ナースは勉強家」は世界共通
面白いことに、ナースの世界というのは世界共通で勉強家が多いのが特徴的です。
学校を卒業して社会に出た後も家庭を持った後でも、また学校に戻ったり、看護にプラスになるような資格や認定証をとったり、あるいは、海外に出て行こうと外国語を学んで頑張る人も少なくありません。
経済面も大きな動機に
ナースたちを動かす動機は、やりがいや経験を生かしたキャリアアップもありますが、経済的な面が大きいのも事実です。看護の進んでいる国や経済大国で働くことは、賃金の低い国で働くよりも何倍ものお給料になるでしょう。
経済的な動機は日本ではタブー視され、特に看護はお金に換算できないと思われがちです。この見方は世界でも同じでした。看護は”心から”するケアであり、賃金が低くてもよいというマイナスのイメージが長く定着し、看護先進国のイギリスやアメリカでも、いまだにこのステレオタイプなイメージを払拭出来てはいないのが現実です。
が、しかし、先輩たちの地道な努力と研究により看護の専門性が明確になり、科学的な看護が理論化され、さまざまな看護専門職が生まれました。そして、すべてのナースが満足のいく賃金とは言えませんが、少しずつ格差が縮まってきているのは確かです。
大切なのは高い目標と地道な努力
根強くついたイメージというのは、どこの国でも乗り越えるのに時間がかかりますが、世界のナースの根底にある地道な努力が少しずつ変化をもたらしてきているのは事実でしょう。
今すぐ賃金・給料に影響はなくとも、努力をして何かを学ぶ、キャリアアップをするということは、一見ムダのように思われがちですが、本当にそうでしょうか。
実際に昔のアメリカでは、認定証をとっても給料に反映されなかった時代があったそうですが、専門性とケアの結果などを元に待遇改善を求め、現在に至っているといいます。目標は高く持ち、地道に努力していくというのが国際派ナースへのレシピの秘訣と言えるかもしれません。
次回は、世界での就職活動についてお話します。お楽しみに。