46歳の男性が、5年前から尿糖が指摘されていたが放置していた。最近健康診断で高血圧、尿糖、蛋白尿を指摘された。
この患者で最も考えられるものはどれか?
1. 糖尿病性神経障害
2. 糖尿病性ケトアシドーシス
3. 糖尿病性腎症
4. 糖尿病性偽性腹膜炎
―――以下解答―――
(解答) 3
<解説>
- × 糖尿病性神経障害は四肢の末梢神経障害であり、特に末梢に行くほど強く、左右対称的な知覚障害が多い。筋萎縮、脳神経麻痺、自律神経障害などをみることもある。
- × I型糖尿病にケトアシドーシス性昏睡が多くみられる。小児や若年者に多く、風邪症状で始まり倦怠感が強くなる。口渇感があり、水分を多量に欲しがり、コーラやジュースなど糖質の多い飲み物でかえって糖尿病を悪化させる。
- ○ この患者は長期の糖尿病があって、しかもそれを放置し、最近健診で高血圧と蛋白尿を指摘されているので、糖尿病性腎症が考えられる。
- × 高度の高血糖になると、多尿となり、そのため脱水で皮膚は乾燥し、電解質が失われる。特にカリウムの喪失により誘発される消化管麻痺は腹痛、悪心・嘔吐などの糖尿病性偽性腹膜炎を起こしやすい。